お茶碗(もどき)が使えた
私のご飯は小分けして冷凍していた雑穀米を解凍し、小皿に乗せて食べてた。
チビチビチビチビ。
ガバッと食べられないのはご飯を食べるのが怖いからだと思っていた。
でも実は『食べてしまうのがもったいないから』という事に気付いて、自分でビックリした。
好きな物は最後に取っておくタイプ。
それを存分に発揮してたらしい。
それならばともっと美味しく食べるには…と、少しふんわり盛ってみた。
美味しい!
空気が入ることでご飯の風味が上がった気がした。
ただそうなると小皿では零れてしまって食べにくい。
しかし。『お茶碗』が怖い。
お茶碗を使って食べるということは、「ちゃんと食べる」って事だから。
ちゃんと食に向き合うってことだから。
私にはまだそれが出来ない。
でも進みたい。なにか変えたい。
必死で色んなところで器を探す。
茶碗を手に取ってみたけど、どんなものでも『茶碗』と名のつくものは胸がザワついてダメだった。
茶碗ではない、でもご飯を食べるのにちょうど良いサイズと好きなデザイン。
胸をザワつかせながら、らこれならいけるかもと買ったのは「カフェオレボウル」
しかも最初に自分を騙す必要があった。
『これはお茶碗じゃない。カフェオレボウル。』
『カフェオレで使うには小さいし、可愛いから買った。』
『ただの器』
それを証明するために、最初に使ったのはサラダチキンとミニトマト。
『ほら、お茶碗じゃないでしょ?ただの器でしょ?』
アホみたいだけど、こうやって自分騙し。
食べられた。
ザワつくことなく、ちゃんと落ち着いて。
だってお茶碗じゃないから。
手に「ご飯」を持って食べるなんて何年ぶりだろう。
嬉しかった。
進めた。
ほんの少しだけど、普通のご飯に近づけた。
今も騙すために毎晩何かしらこのカフェオレボウルにおかず入れて食べてる。
そして毎朝ご飯を食べている。
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