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【400字小説】検討

ピアスを開けたコトネは、それをマサキに気づいてほしかった。
でも、スタバのお姉さんに夢中で見つめてもくれない、しょうがない。
一方的に片想いってことはコトネにだって敏感。
さっきポッポ公園のベンチで告白。
「検討させてください」って脈なしってことだよねえと
親友のアスカにLINEを送ったのだけど、既読スル~だ。
「きれいな人だね」ってスタバのお姉さんを褒めると、
期間限定のフラペチーノをズビズバ言わせて、
マサキは「それなりだね」と上から目線。
メロメロのくせにって悪態は吐かない。
「私だけ見て」って大それたことは言えるわけが。

日曜の店内は朝8時だというのに混んでいる。
なんでこんなに世の中の人はスタバに夢中なんだって思ったけど、
自分だって菅田将暉じゃない、冴えないマサキにそうなんだから、
もっと人のことは言えない。

スマホが震えて確認するとアスカから。
「誰?」っていうから「親友」とだけ返した。
ピアスのことは伝えなかった。

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