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ただの演劇感想文/『泥人魚』唐組

★★★★★

血湧き肉躍る作品だった。役者さんたちの圧倒的な存在感、This is唐十郎と呼びたい独特なセリフまわし、そして汗と唾と泥水が飛ぶ人間味! ストーリーはまったく理解できないのに、その面白さに唸るんだなあ。つまりそれは、いつの時代でも、どこの国でも通用するということではないか。江戸文化でも縄文文化でも人々を目を釘付けにするだろうし、ローマやアメリカなどで公演しても不思議ではない(今調べたら、海外公演はすでに実現している!)。この芝居は演劇ではない。唯一無二の純粋な芸術だ。唐十郎さんはまだ生きていると思った。あと、役者さんたちは、みんなそれぞれに個性が濃いのに、おなかいっぱいにならない。あれも不思議で謎でした。絶叫朗読をしているわたしは、そのままでいいんだ。個性を押しつけていこうと勇気もらった。もちろん小説にも影響と栄養を与えてもらった。自分らしい言葉を紡ぎたい。また来年も城山公演に来てくれることを望む。

2024年6月15日(土)@長野市城山公演ふれあい広場


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