見出し画像

箱根駅伝を優勝する為のコストを考えてみよう:走遊Lab

最もシンプルな答えは10人の強い選手を揃えること、その一言に尽きます。どのような駅伝であれ、サッカーや野球でも必要最低限のコストを考えた時にはプレイする人数の最小数を考えるとこういった答えになりますよね。

大前提ではあるけれど、その答えでは物足りないと感じるのが普通だと思います。本質的ではあるけれど、それだけでは勝負していけないんですよね。シンプルにここを追求しつつも、そうでないところにフィールドを拡げていかなくてはなりません。

同様に「エース次第で勝てるかどうか?」について考える時も条件を揃えないと意味を成さない議論になります。フリーに楽しく雑談する時はそこまで厳密に考える必要もありませんが、議論する時、チーム創りの戦略や計画立案をする際にそういった条件を1つずつ確認しながら構築しないとうまくまとまっていきません。

先ずは10人、箱根駅伝で優勝できる「戦力」を揃える。これを1つ目に置きましょう。そこだけでも多くのお話ができます。強化か育成か。強化するにしてもどのように強化するのか?育成するにしてもどのようにするのか?そもそもこれはどちらを採るのではなく、両立する必要があるのではないか?語りだすと長くなるので、今回はそこは立ち入りません。

次に控え選手を含めた戦力が必要だと考えましょう。勝利する条件には10人が最低限ですが、「予備戦力」なしで戦えるほど甘くはないですよね。同様に予備戦力プラスアルファのチーム内競争も欲しいところです。それをどのくらい想定するかで最適な人数が割り出せます。ことは箱根駅伝だけに留まらず、全日本大学駅伝や出雲駅伝、日本インカレや関東インカレ、その他ロードやトラック、対校戦などの目標がある場合は必要戦力は大きくなっていきます。逆に言うと箱根駅伝だけ勝ちたいなら戦力は絞ることは可能でしょう。チームキャパシティが小さいのにあれもこれも望むのは戦力分散の面や消耗、摩耗、払うコストの面から見ても厳しい戦いとなります。

そういった意味でも戦略策定と計画立案、そのベースとなる思考は非常に重要となります。

ですので、そういった「頭脳」を担当するスタッフも必要となります。具体的には監督やコーチ、マネージャーなどですね。しかも大学駅伝ではチーム単独で成立しません。クラブチームなら経営のプロが必要なのと同じように、大学の責任者である部長、事務局なども外せません。あくまで大学の課外活動のため、保険等も含め、多くの事務手続きなどが必要になります。昨今は大学側とチーム運営の両面を司る司令塔的役目でゼネラルマネージャー(GM)を置くところも出現しました。

更に専門性が高くなっていく上でフィジカルトレーナーやコンディショニングトレーナー、栄養士が帯同するチームも増えてきています。チームによってはメンタルトレーナーやカウンセラーも外注を含め、存在しているかもしれません。

スポンサーも欠かせません。結果が出てくればある程度、スポンサーが付く可能性はありますが、結果を出すためにはそこはどうすれば良いでしょうか?スポンサーを探す、交渉する、自己負担で乗り切る。フェーズと手段はいろいろありますが、鶏が先か卵が先かのような議論をしていては進みません。

ベンチャーのように獅子奮迅して結果を出していくという考えもありますが、全てを特定の人や立場の人が担うのは難しいです。ここまででも充分感じると思いますが、賛否はともかく箱根駅伝優勝を目指す為に必要だと考えられる要素はプロのクラブチームと変わりないと考えられます。コストそのものはもう少し安いかもしれませんが、やはり相当なコストがかかる可能性は高いです。

ここにブランドや積み重ねてきた歴史というコストも加わります。長年の信頼やパイプなどは一朝一夕では超えられません。SNSなどで検索するレベルとは違う、人々の潜在意識にまで踏み込めば一時的な人気のチームと比べ、強豪や古豪は浸透していますよね。流行り廃りは関係なく、割とすぐに名前は上がる大学もあると思います。認知度を上げていく、信頼や信用を積み重ねる。この時間軸のコストを超えるのは相当かかると思います。箱根駅伝は特に100年の歴史を数えますし、大学という背景がある以上、チームだけではブランドの差を埋めるのは難しい面もあります。

その辺は目に見えない環境要素、背景ですが、今度は見える部分に注目してみましょう。例えば施設設備、学部や学科、かかる経費・・・多くの要素が上がってくると思います。

競技者として真っ先に目が行くのがグラウンドでしょうか?400mトラック、全天候型、ナイター設備付き。トレーニングルームや寮、クロカンコース、他にもプールなども嬉しいですよね。サウナがある寮もあったりします。低酸素ルームを活用する場合もあります。

これらは最低限から最高レベルまでピンキリですが、トップクラスはこういった施設や設備を用意し、環境を整えています。箱根駅伝に憧れる理由の1つは単なる「箱根」というブランドではなく、こういった練習環境や生活環境に対するあこがれ、選択もあります。施設設備が必ずしも選手を強くするわけではなく、最終的には身1つが肝になりますが、最初に述べたように10人強くなればというお話と同じで付帯部分の要素は大きな意味を持ちます。

合宿地やバスなどの移動手段もありますね。目標に見合ったレースが近くにあるか?山や起伏はどうか?走りやすい公園やコースは近くにあるか?そもそも構成員を獲得する推薦制度やキャパシティはあるか?すぐには思い浮かばないほど多くの要素が考えられます。

もちろんこれだけで箱根駅伝が優勝できるわけではありません。シードや出場を目指す大学、チームでもこれに相当するレベル、近い環境を持っている場合もあります。他にも地域などの要素もあります。OB会や後援会などの要素も大きいです。メディアとのパイプ、人と人とのつながり、他種目や大学内での連携。いろんな要素があります。

シンプルに10人の力で勝つ可能性も皆無ではありません。だからスポーツは面白かったりもします。ただ、こういった環境やサポート、戦略などは勝つ可能性、少しでも上へ行く可能性を高めます。箱根駅伝出場を目指す位置でも同じです。全てのチームを点数化し選ぶのも1つの手ですが、そこには運も絡みます。先見の力も必要でしょう。興隆もこういった要素で見えてくる面もありますが、関係者全部の心理的な面までは見えてくることはありません。

それでもこうした内容に基づいて分析していくのは楽しい部分がありますし、強いチームを作っていく為には必要なプロセス、土台となるのではないでしょうか?

もし全日本大学駅伝や出雲駅伝で関東以外のチームが勝とうとするならこういったレベルで活動しているチーム、大学をどう上回るかを考える必要があります。何を魅力とし、何を長所、武器として勝負していくか?または違うアプローチで強化や環境を作り出す必要もあると思います。

プレイヤーとして、スタッフとして箱根駅伝を目指したい人は走遊Labに参加しませんか?競技力を磨く、研究や能力を高めていく、この地域で勝負していく。いろんな方法と行き方があると思います。アスリートコース、スタッフコースなどでお待ちしています!






いつもご訪問、お読み頂きありがとうございます。 すき(ハートマーク)を押して頂いたり、コメントやSNS等にシェア、サポート頂けると励みになります。サポート、応援頂いた分は必ず、活動する中でみなさんにお返しして行くことが出来ると思います。今後もお付き合いを宜しくお願い致します。