ある陸上競技選手の足跡:1995-98:高校生時:先生のミーティング
西脇工業では当時名将と言われた渡辺公二先生が指導をされていました。自分たちが高校3年時に全国制覇だけでなく、高校最高記録がどうしても欲しかったのは渡辺先生が定年を迎える年だったから。
その渡辺先生のミーティングはどんなものだったか?
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大まかに分けると日々の練習前後のミーティング。試合前後のミーティングの2つがありました。
練習前後は恐らくコンディションチェックのようなもので、選手の状態をうかがいながら簡単な指示を出しておられたと思います。
基本的には渡辺先生は練習中に指示を出すことはほとんどありません。じっと見られていることが多いです。そこで「観察」したものを練習後にお話しされる感じでしょうか。
それでもこと細かくお話しされることはなかったです。あるとすれば整備や行動、段取りに手抜きがあった時。これは強く指摘を受けます。
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試合前のミーティングでは選手だけで基本的には行います。メンバー選考や要項などの確認、付き添いの確認など細かく打ち合わせを重ねていきます。
試合後のミーティングでは先ず選手たちが発表する場があります。その後渡辺先生からのお話があります。高校2年時には現顧問の足立先生がコーチとして入られたのですが、原則お話をこの場面ではされず、試合直後に少しフィードバックをされる感じでした。
この場面でも渡辺先生はレース自体の細かい内容は触れません。結果よりむしろ自分たちの取り組む姿勢や行動、レースに対する心構えはどうだったか?というお話が多くメモとして私の手元に残されています。
レースのことで指摘を受けるとすればこれもレース直後に先生の所に行った時。消極的なレースをした、投げ出した、諦めた・・・こういった姿勢には強く指摘が飛びます。
自分達が強くなりたいと思っているのならその姿勢で本当に戦っていけるか?今思い出しても身が引き締まります。
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この辺さらっと書いていますが、本当に濃い内容でした。一つ一つをきちっと書くとこれだけで数note・・・
特別パターンで合宿でのミーティングがあります。
渡辺先生はこの時は基本合宿主宰者として全体に向けてお話をされます。その前に合宿は全て他校を交えた合同合宿で、全国の有力校や有力選手が集まっていました。
そういった選手たちが先ず代表1名程度、その日の発表を行います。その後、各校顧問の先生が持ち回りで1日何人かお話をされます。どの先生方も特徴がありました。こういうタイプの内容をお話しされる先生という位置づけ。
コーチであった足立先生もこの時はお話をされていました。印象深い内容も今でもくっきりと思い浮かびます。
★★★
高校生だった当時、自分達だけで集まって話をしていてはやはりレベルは上がっていきません。全国の先生方のお話を聞く機会があったこと、名将と言われた渡辺先生の昔からの話から、心構えなどを聞くこと。足立先生の体験談など、自分たちの知らない世界を教えて頂けたことで「見えるもの」は大きく変わったように思います。
一般論でもなく、本などから得られるものでもない「生のもの」だったからでしょうか。
本当に有難い体験をさせて頂いた3年間だったように思います。
先生の本は既に絶版となっていますが、いつかキンドルで復活して欲しい!中古での取り扱いはアマゾンであるので興味がある方はお早めに。
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