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始まりの物語

世界の始まりは一つの目覚めからだった。
何もない無の空間に一つの意識が目覚める。しかし、その意識は自分が誰なのか?何故ここにいるのか?全てを忘れてしまっていた。何が起こっているのかわからない。
その存在は永い時間その事を思い悩むことになる。

ある時その意識は自分が何者なのかどうしても知りたくなり、何か良い方法はないか考えていた。
そして、ふと気づく。
自分がこのように考えたり、感じたりすることがこの問いの答えではないかと。私は自分がわからず悩んでいる。それが私なのだと。しかし、私はそれだけの存在なのだろうか?もっと自分を知りたい。どうすればいい?
そしてさらに気づく、私以外の存在はいるのだろうか??もしいるとしたら、それはどんな存在なのだろう?それにより、自分はどんなことを感じるのだろう?
するとその意識は光だし、その意識から光が産まれた。
そして、自分から産み出されたその光は意識に声をかけた
『あなたは誰?』
『私?私は…誰だろう?』
意識は考えもしなかった。
自分1人だと自分を表す言葉が必要なかったからだ
『私はずっと考えていた、私は何者だろうと、だから私を表す言葉がないのだ』
『そうなんだ、それなら私があなたを表す言葉を付けてあげる。今まで一人で何をしていたの?』
光はそう言うと意識の話を聞こうとしていた。
意識はこの展開に戸惑いながらも、自分を理解してくれる存在がいるかもしれないという喜びを感じていた。
なにより、自分の事を伝える事ができるという体験がこんなに嬉しいものなのかと興奮しながら話を始めた。

『ふうん、そうなんだ。私はあなたから産まれたのね。そしてあなたは何故ここにいるのか、自分のこともわからない。だから探っていると』
『そうなんだよ』
『それなら…私はあなたから産まれた。あなたは命の源だから…ビータと言えばいいわ』
光は意識を見据えるとそう言った。
『ビータ?』
『命の源ってよぎった時に出てきた言葉よ、私はあなたをビータと呼ぶわ』
光は嬉しそうにさらに輝きを増しながら言った。
『そうか…ありがとう。大切にするよ。それなら君は何と呼べばいい?』
『当然ながらわからないわ』
『そうか…、それならアモというのはどうだろう?君の姿は輝く光。それを思ったらこの言葉が出てきた。』
『素敵ね、ありがとう』アモはより一層輝きながら嬉しそうに言った。

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