そういうのでよかったのに

意味もなく向かった深夜の淡路島

よなよな話した次の日の蚊に刺された痕

季節外れの手持ち花火

タバコが嫌いだった頃の自分

ピンクと青とオレンジが混ざった明け方

深夜4時の助手席

夏を形容するには十分すぎるほどの青

あなたが頼んだカフェオレ

私が頼んだレモネード

ファインダー越しに捉えた海

それが最後だったこと

車のサンルーフから2人で覗いた、蝉の泣く朝

それが最初だったこと

泣くのをやめた日

真夏の果実を歌う彼の隣

どこまでも行けたのに行かなかった夏の終わり

永遠に続くように思えた煙草の白煙

酔って地べたに座った、そのスカート

もう友達には戻れなくなった人

その人との思い出がもう消えかけていること

レモネードとカフェオレの、丁度中間の愛


すべてを愛していた

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