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創造的プランニングの「4STEP」──『プランニングの基本』から【5】

『この1冊ですべてわかる プランニングの基本』(高橋宣行著)一部公開、第5回です。
プランナーやクリエイターが自らの創造性をカタチにするプロセス、「プランニングの4STEP」を示します。

「第3章 プランニングの工程──創造的プランナーの段取りとコツ」より

「カタチ」のない創造性にフレームを

第4次産業革命と言われ、高度デジタル社会の真っ只中で仕事が進められています。そして、創造力が、あらゆる物事を進歩させ、革新するエネルギーになっていることは間違いありません。

ただ厄介なことに、創造性には「カタチ」がありません。科学的、文明的なものはわかりやすいですが、精神的、文化的な創造性は、あいまいではかなく、不確かなもので、手ごたえがありません。人それぞれ価値観も違い、より所もありません。

そのため、最低限の「創造的プランニング」の基本的なフレームがほしいところです。そこで、広告会社での経験から発想の枠組みを「よりわかりやすく・より創造的に」を意識して組み立ててみました。

仕事の3段階を、より創造的工程にする4STEP

図16は、第1回で述べた仕事の3段階から、より創造的にプランニングするための「4STEP」の原型です。図のⒶとⒷが肝になります。

プランニング図16

この「4STEP」で言いたいのは、

Ⓐ 何を伝えたいか(WHAT)
Ⓑ どう伝えるか(HOW)

です。このⒶ、Ⓑの組み合わせから「創造的プランニング」の4STEP ができています。

この4つの「何が肝心か」を身につけることで、発想の核心に迫ることができるのです。とくに「Ⓐ 何を伝えたいか(WHAT)」は、「そもそも、何をしてほしいのか」の根っこの部分。ここでプランニングの大半が決まってしまいます。

プランニング図17

クリエイターやデザイナーの思考方法から

この「創造的プランニング」の4STEPは、私も含めて制作者の作業フローやスキル、トレーニング法をベースに整理したものです。

前ページの図17を頭に入れて仕事をすることで、いつの間にか自分のスタイルができ上がってきます。創造力は個人の資産。目減りしません。

つねに引き出し、磨き続けることが肝心です。その基本の形、と考えてください。

詳しくは次回からの解説に負うとして、この4つのSTEPを「ディズニーランド」を例にして当てはめてみます。欧米の企業はとにかく明快にマネジメントの枠組みを語っています。このディズニーに関しても、私流の考えで組み立てたものです(CASE3)。

プランニングcase3


プロフィール

高橋宣行(たかはし のぶゆき)

1968年博報堂入社。制作コピーライター、制作ディレクター、制作部長を経て、統合計画室、MD計画室へ。制作グループならびにMDU(マーケットデザインユニット)の統括の任にあたる。
2000年より関連会社を経て、現在フリープランナー。企業のブランディング、アドバイザー、執筆活動などで活躍。著書に『高橋宣行の発想ノート』『高橋宣行の発想フロー』『高橋宣行の発想筋トレ』(以上、日本実業出版社)、『博報堂スタイル』『今どきの、発想読本 「コラボ」 で革新』(以上、PHP研究所)、『オリジナルシンキング』『コンセプトメイキング』『「人真似は、自分の否定だ」』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『発想職人のポケット』(小学館)他がある。


※著者が本書のねらいを語った「はじめに」も小社公式サイトで公開しています。

※『この1冊ですべてわかる ○○の基本』シリーズラインアップはこちら!


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