丸井さん
北海道には、札幌本店の「丸井今井」というデパートがある。上の写真でも見える。赤い「M」があるデパートだ。今は伊勢丹傘下に入っているが、もともとは明治7年(1874年)創業の呉服屋さんだそうで、日本の中では歴史の浅い北海道に於いて、それなりに歴史のあるデパートだ。
この歴史について語るには、ワタクシには充分な知識がないので、相応の正しい知識をお持ちの方に譲る。
ワタクシは、このデパートのことを「丸井さん」と呼ぶ。そう、敬称付きだ。
先日、母と話をしていたときに「丸井さんでね...」と言ったところ、母に「あなたは『丸井さん』って言うんだよね。誰がそう言っていたんだろうね」と言われた。
ローカルで、この店を「丸井さん」と呼ぶのはめずらしいことではない。親しみを込めてのことだ。
しかし、母が言う通り、父も母も「さん付け」していなかった。
ワタクシの場合、父方は祖父母の代で北海道に移住し、母方にいたっては戦災もあり、全国を転々とし、母が小学生の時にようやく北海道に定住している。江戸っ子の論理で言えば、ワタクシはいまだに道産子ではない。
だから、祖父母も両親も「丸井さん」と呼ばないことには疑問はないのだが、では、誰の影響でワタクシは「丸井さん」と呼ぶようになったのだろうか。
覚えがあるのは、中学で知り合った友達(今でも友達だと思っているが、何年も音信不通になっている)が、「丸井さん」と言っていたことだ。とても新鮮で、「さん」が付いただけでまろやかでやさしい響きに聞こえた。もしかしたら、それがきっかけで、ワタクシは「丸井」ではなく「丸井さん」というようになったのかもしれない。
札幌にもたくさんのデパートやファッションビルができたが、ワタクシは今でも「丸井さん」がいちばん好きだ。そして、いつまでも「丸井さん」と呼ぶ人々がこの街に、北海道にいてほしいと思っている。
早く、感染など気にせずに街でショッピングできる日々が戻ってくることを願う。
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