良薬は口に苦し…とはちょっと違うか
時々noteにも登場させているが、4人で仲良くしている友人たちがいる。
その昔、mixiが全盛期だった頃にあるイベントで知り合い、意気投合して今に至っている仲である。
今は住んでいる所もばらばらとなってしまったので、時々Zoomなどで話したり、個別で会ったりする、そんな交流の仕方となっている。
その内の1人とLINE通話をした。
その子とは共通点があり、それはほぼ同じタイミングで個人事業主になったという点だ。
去年、ものすごく久しぶりに2人で会うことになり、近況を話しているうちに自然と、自分たちが直面している悩みや課題についての話になったのだった。
それをきっかけに、時々LINEで情報交換をしたり、ちょっと成長したかなという話をしたりしていたので、通話して色々としゃべりたいとなったわけだ。
その子の近況のひとつとして、ビジネススクールに入ったというものがあった。なかなか金額が大きくて勇気が必要だったよ、という話になり、そういえば物販のスクールに入っていたと思うけど、いくらくらいだった?と聞かれた。
物販のスクール……私にとってなかなか苦い思い出である。
数字にめっぽう弱い私は、金額をすっかり忘れていたが、そう聞かれたのをきっかけに確認したら、まぁなかなかの金額で再度鈍い衝撃を受けた。
簡単に物販のスクールに入った経緯を述べると、会社を辞め、今までの定期的に入っていた収入がなくなった私は、覚悟はしていたはずなのに、いざその状況になるといささか焦った。
そんな時に目に入ってきたのがInstagramの広告で、自宅でもできる物販のスクールだったのだ。
気になって話を聞くだけ…と思って面接を申し込み(申し込むまでに何日か迷った末ではあった)、話を聞いてみると、その方は本当に親身になって聞いてくれた。そしてここが大きなポイントだが、押し売りはされなかったのだ。
やってみて分かったのが、自分がいかに物販に興味がないのか、そして向いていないのか、やりたくないことを続けるのはなんて苦痛なのか、よくよく分かったのだった。
お金にまつわる不安からやみくもに動いてはいけないということもよく分かったし、不安になった時こそ冷静さが必要ということも学んだ。
ものすごく高い勉強代だったとは思っているが、逆に高かったおかげで身に染みて理解したという側面もある。
そんな苦々しい記憶を思い返していたら、その友人が自分のビジネスの根底は、これを多くの人に知ってほしい、これを知ってもらったらもっと生きやすくなるからそうなって欲しいというのがある、という話をして、それを聞いてハッとさせられた。
多くの人の役に立つためにモノを売る、これがビジネスの大原則であることは分かっていたはずなのに、物販のスクールに入っていた時には完全に欠落していた。
お金を得るためにしか考えていなかったし、そのためマーケティングをして、利益が取れそうな商材を探して、提示金額で買ってもらえるように魅力的に見せることに心血を注ぐ。
当時はなんとなくもやもやとしか感じていなかったし、モチベーションもわかずに物販が苦痛で仕方なかったのだが、こうして考えてみると、そりゃあお金がモチベーションだったら自分には合っていないわというのがはっきり分かった。
物販のスクールに入った頃には、物を売る勉強をすれば、自分の作品を売るのにも役に立つと思っていたけれども、とんでもないことだったということもよく分かった。一応弁護すると、お金を稼ぐのは手段と割り切れるような人であれば、この方法も問題ないのかもしれない。
でも私は友人と同じような動機でお金という対価を得たいと思った。
友人のように誰かのためになるものを広めたい、という素晴らしい動機というよりも、「いいもの作ったから見て見てー」という、どこかお母さんに絵を見せる子供のような心境なのだが。
それでも、「面白い」「素敵」「癒される」といったポジティブな気持ちになれるものを作ったから、是非色んな人に見てほしい、そんな気持ちであることは間違いない。
苦い思い出だが、友人と話すことによって、1年越しにまた新しい気付きを得られたので、本当に良い勉強だったと思うことにしよう。