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耳の違和感とワクチンと食欲と意地

こんにちは!ダイバーシティや福祉、IT教育の分野でPR/マーケティングを担当している、にわと申します。

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Twitterは更新頻度高めです。

今回は仕事のことから若干離れ、体調を崩したことやそれで改めてわかったことなどを書きたいと思います。

朝起きたらアレでして

8月末頃。いつものように目を覚ましました。

前日は夏休みにしていて、ゆっくり過ごしていたものの、起床時から違和感がありました。

右耳が詰まったような・・・

子どもの頃はそんなことがなかったのに、大人になってから「反復性耳下腺炎」なるものに時々かかることがあり、耳の違和感はすぐとれるだろうとたかをくくっていました。

反復性耳下腺炎のときは、おたふくかぜみたいに耳の下が酸っぱい感じになります(語彙力

水を飲もうが、顔を洗おうがとれない違和感。飛行機に乗ったときのような耳の詰まった感じが続きますが、それにしても詰まり方がひどく、なんだか聞こえが悪いような気もします。

あかん。受診する

在宅勤務者の私は、違和感がありつつもデスクに向かい、業務をはじめます。その日は体調がベストではないと、自己申告をした気がします。

仕事に集中したら、だいたいいつも調子なんて上向いてくるじゃないか。

そんな気持ちでPCに向かいつつも、違和感は続きます。どうしようかな、と悩みつつも、広報業務、エージェント業務と続けます。

コロナ禍ですし、極力無駄な受診はしたくありませんが、救急外来のリソースも圧迫したくありません。医療従事者の夫と相談し、受診する基準を決めていました。

・金曜日なので、いつもより2段階早くジャッジする
・頭が痛くなったら、その時刻を記録する
・割れるように痛いとか、そんなときはすぐ連絡する
・視界に違和感があれば、救急車を呼ぶ
・めまいが出たら、耳鼻咽喉科に行く

ちなみに、突発性難聴の既往があるため(20歳頃)、もしかしたら突発性難聴かもしれない、という考えが頭をよぎりました。ステロイドを投与してもらい、「遅かったらもう音楽ができなくなっていたかもしれないよ」という先生の言葉が忘れられず、難聴は嫌だ!と強く思い出したのです。

水を飲んでも、バリバリと右耳の奥が鳴ります。トイレに行こうと席を立ったとき、ついにふわふわという浮遊感に襲われます。

立ちくらみ、だろうか

貧血などもなく、頭痛もなく、風邪もひかず、至って健康体の私。

立ちくらみかどうかの判断もつかないほど、慣れない出来事です。しかし、立ちくらみにしてはおさまらない―もうずっと、5分以上くらくらしているじゃないか・・・

これはおかしい。あかん。耳鼻咽喉科に行こう。と思ったのです。

病院に行くと伝え、すぐ送り出してくれたボスと同僚の優しさに救われます

車はまずいと思う

耳鼻咽喉科に行こうと思い立ちますが、かかりつけの内科の先生おすすめの、これまた優しい先生がいるクリニックは、空いていても車で20分程度の場所。

めまいがしているときに、運転はあかん。タクシーで行こうと思い立ちます。めまいといえば、吐き気が出ても困るので、極力近いクリニックをと思います。ちなみに、同じような症状の経験がある上司からも、運転の危険を諭されました。ありがたや。

ちょうど近所に、評判の良い耳鼻咽喉科があったことを思い出します。こういうときに、近所のネットワークを敷いていてよかったと痛感します。

急な受診で医療機関を探したいときは、お住まいの自治体+医療ネット などで検索すると便利。検索サイトが47都道府県分、ありますよ

念のため夫に連絡すると、仕事の合間で一時帰宅するので耳鼻咽喉科に送ってもらえることになります。ありがたやありがたや。

夫の勤務先も、家族の体調などに気遣ってくれる会社で、訪問先への直行直帰の仕事。私を受診させるからと報告し、午後の訪問予定まで付き添ってあげてと言ってもらえます。ダイバーシティとはこれぞ。

まさかの病名が告げられる

初診で伺ったクリニックでしたが、スマホで予約はできるし、問診も検査も丁寧で、平均よりもスタッフさんが多めの印象でした。

鼓膜はきれいですねということで、ややこしい聴力検査を経て、診察室に戻ります。聴力検査の結果と、私の顔を見て先生がおっしゃいます。

あの、これは、ものすごくわかりやすく、メニエールですね。

メニエールですか。知っていますよ、あのくるくる回るめまいのアレですよね。回っていないんですがね。

ものの本を要約したであろう、易しい説明書類を出してくださいながら、めまいがひどくないタイプのメニエール病が存在すること、聴力は明確に低下していること、低音域の難聴の所見が両側にあることなどを解説してくださいます。

実はね、私もメニエールなんですよ。今日はしんどかったでしょう。ストレスや過労でかかることもあります。あなたは頑張り屋さんなのかもしれないですね。そのような自覚はありますか?

ハイ、お薬ね、で終わるかと思いきや、先生は話を続けます。

ストレスを自覚してはいないものの、たしかにわりと働きがちだったこと、頑張り屋というより負けず嫌いであること、誰も挑んでこないのに自分とたたかう癖があることを伝えます。

まあ、性格はすぐになおらないから。そんなこともありますよね。眠れるならば、OK。しっかり寝て、とにかく水をたっぷり飲んでください。お腹をタプタプにして寝ます。

そう言って、先生は私に聴力検査の紙を渡し、ほほえみとともに送り出してくださいます。

看護師さんが説明をしてくださり、

1日2~3Lの水を飲むように(できれば3L)
カフェインは控えて、コーヒーは好きでも、1杯までかな

といわれます。3Lて。多いわ、と言う私に、看護師さんがほほえみかけます。天使か。

薬剤師さんすごい

帰りに薬局に寄ります。処方せんを渡し、ササっと調剤してくださり、説明を受けようとすると、膨大な量のお薬が。

その中で目を疑ったのが、これ。

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カフェオレなんかのパウダータイプのものと同じか、少し大きいくらいの包みで、7回分がひとまとめになったものがいくつも置かれています。

病院時代、患者さんに当たり前のように処方せんを渡し、文字で見ていた、カルテで見ていた、病棟で見ていたあの薬。

ほかにも、錠剤や顆粒のお薬を、毎食後飲むようにと渡されます。

1週間分、ですよね・・・とつぶやく私に、薬剤師さんも、そうなんですと表情を読み取ってくださいます。

実はこのシロップがですね、少々個性的な味でして。
栄養ドリンクのような、それが濃いような味なのですが、
飲めそうですか?
お水で割ってもいいし、柑橘のジュースでも大丈夫です。
あ、冷やしたほうがいいです。キンキンに。

目を丸くして、薬剤師さんの話を聴きました。

後に、この薬剤師さんのアドバイスが神々しく、私を救ってくれることになります。

このシロップのことを、私はヒト用ちゅ~ると命名しました。

薬ってこんなに辛かったか

はい、甘い。

ことばを選ばずに言います。もうね、ゲロ甘なんです。

私は、甘い飲み物が得意ではありません。エナジードリンクは苦手。たまにしか飲まないお酒も、カクテルやチューハイは苦手。ビールか、ワインか、辛口の日本酒。カクテルを飲むくらいならば、焼酎の方がまだ飲みやすいかな。そんな味覚です。

栄養ドリンクを煮詰めたような味は、拷問のようです。

ヒト用ちゅ~るは封を切ってそのまま飲める仕様になっているのですが、何も割らずに飲むのは1回目で断念しました。

薬剤師さんのアドバイスを思い出します。

冷やして・・・水で割って・・・ジュースでもいいよ・・・炭酸でも・・・

いまのところの割り方BEST3は

1位:特濃のレモン水+氷
2位:炭酸水+氷
3位:キンキンに冷えた氷水

です。薬剤師さん、ありがとうございます!

後日再処方を受けるときに伺うと、糖分が強いので凍らせようとしても凍らないこと、某有名メーカーの100%オレンジジュースも薬剤師さんのお勧めの割り方であることを教えていただけました。神様か。

ワクチンの壁

実は、先生と相談して、見送った処方があります。それは、ステロイド

私がステロイドを希望しなかったわけではないのですが、とあるワクチンの接種を受けることを予定していたこと、接種の優先度があらゆることを考えても高いということ、ステロイドを投与することで、ワクチンの効果が減弱する可能性があること、ステロイドのかわりに内服することで一定の効果が見込める処方を提案できることを、医学的根拠とともに説明していただき、納得のいくまで議論して決めたことです。

抗体ができたあとで、必要があればステロイドを使う場合もあることも、先生は十分に説明してくださいました。

そのうえで、ヒト用ちゅ~るを私も選んだのですから、ええ、頑張って飲みましょう。

しかし、忘れてはならないのは、看護師さんが言い含めるように伝えてくださった、あのことば。

できれば1日3Lお水を摂り、コーヒーも飲みすぎないで・・・

メニエールの治療中、水分をたくさん摂るという指導はよくあるそうなのですが、ヒト用ちゅ~るは利尿剤なので、脱水症状を起こさないためにも水分補給が必須なのです。

熱中症になったこともほぼないので、脱水症状なんて縁の遠い話でしたが、頑張って毎日水を飲みました。

そして、予防接種2回のうち1回目の接種を迎え、午後に接種を受けてその日は早めに床につきました。

これは副反応なのか?

ワクチン接種翌日。目を覚ましたのも束の間、目の前の世界が超高速で回転しています。

出た。めまいだ。

その直後に、激しい吐き気。汗でシャツはびっしょりです。

しばらくトイレに居座りましたが、嘔吐することもなく、キッチンに戻り、やっとの思いで夫のマイボトルにお茶をいれながら、水だけは飲まなくちゃと思って流し込み、「もう、休みなよ、動かなくていい」と夫が私を布団に連れ戻します。

あかん、と思いながら、仕事部屋まで行ける気がしません。ボスに電話をかけ、「きょうは休ませてください・・・」と伝えます。ボスが何を言っているのか、すっかり記憶すらありません。

体温計の数字だけおぼえています。39.2℃。

ワクチンの翌日は副反応があっても休めるように、渉外系の仕事を入れていませんでした。なにも言わず休ませてもらえたこと、これまたスーパーダイバーシティです。

午後になって、めまいはすっかりおさまります。そこから発熱は続くのですが、いまになって考えると、あれは副反応なのか、メニエールの症状なのか、もはやどうでもよいことですが、両方重なってしまった可能性もあると感じます。

そして、汗びっしょりのときはもしかすると、脱水症状だったのではないかと思います。薄れ行く意識と、吐き気。発熱と利尿剤でそもそも水分が奪われやすい状況が重なってしまった―

看護師さんが3L飲もうねと言っていた声が、こだまします。天使か。

左右逆転

処方の切れ間に、再診。

だいぶ良くなっているよな、という自覚に反し、非情な検査結果が出てしまいます。

左右の聴力が逆転したような感じですね。一進一退なんですけどね。データで見ると、ショックですよね。
台風が来たでしょう。私もあれで、耳鳴りがひどくてね。

先生、優しい。

検査の結果は冷静に伝えつつも。悪くなっているという表現ではなく、揺らぎはあると丁寧に説明してくださいます。

先生が当事者というのも、それは先生ご自身はお辛いでしょうが、私にとっては主治医でもあり病気の先輩なわけで、とてつもない説得力と実績と安心感なのです。

気圧の変化で頭痛が出るタイプでもなかったので、気圧ってそうか、しんどいのか、と実感してしまいます。

病気になってはじめてわかること、ありますよね。

ヒト用ちゅ~るにアレをあわせたら

左右逆転の結果の日は、先生が処方リストに漢方薬を追加してくださいました。ここで、奇跡の発見があります。

ヒト用ちゅ~るのあとに漢方薬飲んだら、甘いの和らぐやん。

ヒト用ちゅ~るは食後のお薬として出されるのですが、大量のお水とともに飲むので、食後にお腹がパンパンになって苦しいと相談したら、薬剤師さんは食前に飲む方法を提案してくださいました。

※もしも処方されていたら、必ず用法や用量は薬剤師さんの指示に従ってくださいね

ヒト用ちゅ~る+水分→水→漢方薬

この順番で飲むと、ゲロ甘がかなり楽になります。個人の感想です。

まさかの2回目で

そうこうしているうちに、ワクチン2回目の日がやってきます。祝日なので、当日は仕事は休みです。

ワクチンの翌日は、1回目ですらあのザマだったので、休むと思っていてくださいと職場に伝えておきました。

メニエールの症状自体はかなりおさまっていて、その日も安心して出かけました。

ワクチン接種後、ダウンタイムを経て帰宅しようと思うと、目に入るのは同じ通りにある看板です。

焼肉〇〇。

午後4時前。焼肉を食べている人はおらず、においも煙もありません。

あかん、お腹減った・・・

振り切って、進みます。コンビニ。あかん。食べたい。

ポテトポテトひとつ飛ばしてアイス、ポテト、ピザポテト、ポテト、やっぱアイス、いやポテト、ポテト!

そんな気持ちです。

副反応は内々定みたいな状態ですから、もしも脂っこいものを食べてしまったら、消化にエネルギーを奪われて良いことにはならないと、耐え忍びます。

コンビニなんて入ってしまったら、一巻の終わりです。

赤いバックに黄色の文字の看板も、涙涙で通過します。なんでこんなところで信号待ちなんだ!

コンビニに次ぐコンビニ。通過。あともうちょっとで家だから、耐えるんだ私。

最後の最後で、負けました。寄ってしまいました。

入口のあのメロディーが、「負け負け負けーた食欲に~♪」と歌いやがります。クソが。

ホットスナックだけは回避してフラッペにしました

帰宅して調べると、接種後に食欲増進するという方が結構いらっしゃるということで、謎の安心感をおぼえます。寝てしまおう。そう思いました。

そして運命の翌日。

案の定、発熱、吐き気、食欲低下のフルコンボで休みをいただきました。

当日にピザポテト食べなくて本当によかったと思います(フラッペの件は見逃してください)。

自分の限界と、身体と意地と

今回、奇しくもワクチンの副反応と、メニエールというダブルパンチで、風にもインフルエンザにもかかってこなかった私が、10年ぶりくらいの絶不調を経験しました。

日頃、障がいや病気をもちながら仕事をする仲間とともに過ごしていますが、こうしてみるといかに健康が大切か身に染みて実感します。

年甲斐もなく、仕事をしすぎるのもよくないことだと、腹落ちします。

それでも、自分の限界はびっくりするほど自覚できないものだし、ある日突然バタンと倒れることもあるかもしれません。

体調管理表を毎日書いていても、こうだったのですから―

体調を崩した私に、職場のメンバーも、家族も言いました。

休むときは休んだらいいよ。今日は休むときなんだよ。

意地を張って頑張り続けることを咎めない、最大の愛情を知り、

もう意地を張るのはやめようと心に誓うのでした。

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