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「勝手に DI 室」注射薬の保管について-糖尿病薬

災害時において、電気などインフラが途絶えた場合冷所保存・保管を行っている医薬品の管理において、薬剤師は対応していく場合があるでしょう。
今回は、特に使用頻度の高い糖尿病の注射薬の保管について再度まとめてみましたので、共有してみます。 


インスリンの保管

インスリンの保管は通常冷所(2-8℃)の保管です。まずは、使用開始後の保管について以下にまとめました。

しかし、災害時の場合冷蔵保管が出来ない場合、どうするのがよいのでしょうか?  そこで、アメリカ疾病予防管理センターを参照してみましょう。

<停電により冷蔵インスリンが利用できない場合>

① インスリンをできるだけ冷たく保つようにする。ただし、凍結を避ける。凍結したインスリンは分解する可能性があり、効果が低下する可能性がある。
② 同様に効果の低下を避けるためにインスリンを直射日光に近づけない。
③ 最大 4 週間、室温(59-86 ℉=15-30℃)で保管された未開封のインスリンは使用可。

GLP-1作動薬

・トルリシティとマンジャロの注入器は、アテオス(当てて押す)であり 1 回使い切りです。 インタビューフォームを参照すると、室温保管して2週間または、3週間以内に使用を行えばよいと判断が出来ます。

・ビクトーザ、バイエッタ、リキスミアは繰り返し使用のため 1 か月以内の使用を想定していると判断が出来そうです。

・オゼンピックは、2 種類あります。SDは 「Single Dose=単回使用」を意味しており、25℃ 6 か月保管だと規格外でした。しかし、オゼンピックの出荷調整・停止もあり SD 製剤は販売中止、経過措置へ移行になっております。 
代替として、繰り返し使用する オゼンピック®皮下注2mg が登場。こちらは、室温保管で 8 週間以内であれば規格内だったことから、この期間内であれば問題はないと判断が出来そうです。

参考:

https://www.novonordisk.co.jp/products/how-to/injection/how-to/storage.html#06

https://www.bij-kusuri.jp/information/attach/pdf/gly_info_201606.pdf

https://pro.novonordisk.co.jp/content/dam/hcpexperience/jp/ja/documents/products/ozempic/Ozempic-SD-Products-in-phase-out-period-information.pdf

https://pro.novonordisk.co.jp/content/dam/hcpexperience/jp/ja/documents/products/ozempic/Ozempic-SD-3rd-announcement.pdf

各種インタビューフォーム・電子添文
令和元年房総半島台風後の真夏日,長時間停電時におけるインスリン保管状況に関する質問票調査 糖尿病 64(9):502-505,2021
弊社糖尿病関連製品をご使用の皆様および医療従事者の皆様へ-緊急時の保管について- ノボ ノルディスク ファーマ株式会社


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