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【全3回】この夏は危ない!プロのアスレティックトレーナーが呼びかける、これだけはやってほしいスポーツ前の準備/第1回 熱中症対策

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こんにちは。NITREATのnote編集部です。 

「今年の夏はとくにキケンです。」そう訴えるのは、米国BOC公認アスレティックトレーナーの佐保豊(さほゆたか)さん。 アイスホッケーやフットサルの日本代表チーム、Jリーグ名古屋グランパスなどのトップアスリートのトレーニングから、学校へのスポーツ教育プログラムの提供まで、プロ・アマを問わず広く歴任。またNPO法人スポーツセーフティージャパンを立ち上げ、あらゆる世代のスポーツ安全環境を整え、法学と医学の観点から事故を未然に防ぐ活動を推進されています。 佐保さんが警鐘を鳴らす今年の夏のキケンとは?

全3回の連載。第1回目は、熱中症対策です。

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インタビュー写真①'

 第1回 熱中症対策
コロナ×梅雨明けでキケン度増加

コロナ禍で外出を自粛。積極的に運動するもの気が引ける。悩ましい日々が続いております。でもそろそろ動きたい。ボディラインも気になる。梅雨も明けるし、本格的に力を入れた運動を再開したい、という方。少しお待ちを。

「今年の夏は、とくに気をつけないといけません」アスレティックトレーナーの佐保豊さんが懸念するのは、熱中症。
じつは熱中症、6〜7月の梅雨から夏のはじめにかけての時期がいちばんかかりやすいのだそうです。
そして、コロナ禍による自粛や在宅ワークで体力がぐっと落ちている。体温がコントロールしにくい状態になっているようです。

ではどうすればよいのか。今からできる準備。スポーツ前、そしてスポーツ後にすること。佐保さんに梅雨から夏にかけての熱中症対策を聞いてみます。


今からやるべきこと
二週間かけて汗をかく練習を

「まず大切なのは、暑熱馴化(しょねつじゅんか)です。人間は暑さになれるのに10〜14日かかります。その調整期間、汗をかく練習をする。熱中症にならないためには、身体にこもった熱を逃して体温を平常に保たないといけない。身体から汗を出し、そして蒸発することで熱が放出される。まず、汗をかける身体にすること。軽い運動からはじめましょう。」と佐保さん。

そういえば、まだ寒い時期にあたたかいハワイや沖縄に旅行して、体調が悪くなることってありますよね。モチベーションがあるうちに!と、いきなり全開でスポーツをするのはとてもキケンな行為なんですね。

“ふだん仕事で忙しいから、ゆっくり調整なんてしてられないよ”という方。安心してください。佐保さんはつづけます。「日中の短い時間に散歩をするだけでもOK。お風呂に入って汗をかくのも有効です。」
汗をかく練習意外にかんたんにできるかもしれません。

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スポーツ前後
運動開始30分前までに500mlの水分補給を

「運動しはじめてからガブガブ水を飲んでも手遅れです。運動中は水分の吸収率が下がっているのです。運動前にしっかり身体の中に溜め込んでおく。最低でも運動開始の30分前までには、500mlの水分を補給して飲み終えていることが大切です。水分は冷たいほうが吸収が早いのでおすすめします。」
もちろん運動中も15〜20分ごとに200ml程度の水分補給をしてくださいとのこと。

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忘れてはいけないのが、運動後の水分補給。体重が減った分を補給してください。
“わー痩せたー!”と喜んではいけません。たった1度の運動、そして運動直後に脂肪が減るわけではありません。失ったのは水分なんですね。
「体重の2%減は危険信号。3%減は脱水症状です。尿が濃いのも脱水症状のサインです。しっかり水分をとって、熱を放出するために身体を冷やしてください。」

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運動中の熱中症はほぼ100%防ぐことができる
暑さ指数(WBGT)のチェックを忘れずに

佐保さんは言います。「熱中症対策の基本は2つ。暑さに慣れることと水分補給。細かい対策はいろいろをありますが、この基本をしっかりやるだけで十分予防できます。」
汗をかいて、汗を乾かして、熱を放出する。運動前からしっかり水分をとる。身体を冷やすことも忘れずに。佐保さんは「運動中の熱中症はほぼ100%防ぐことができる!」と力強く語ってくれました。

佐保さんは、同時に注意も促します。「昔に比べて、いまは夏季の気温も湿度も高い。必ず暑さ指数(WBGT)をチェックしてください。天気予報などでも発表されています。28以上は厳重警戒ゾーン。暑さに自信のない人は、運動を中止すること。どんなに運動したくても命より大切なものはありません。」

暑さ指数

【図参照】環境省:「熱中症予防サイト」、暑さ指数とは?より

十分に安全に注意して、スポーツをたのしみましょう。

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