見出し画像

1円の価値

インフレ

もうなじんでしまった値上げの波。様々なものが値上げされ、買うときにびっくりします。子どもが買えるおかしの代名詞、うまい棒も10円では買えません。

私が子どもの頃からの「買い物に行ったら、お菓子は100円まで買っていい」という伝統(?)も、苦しくなります。ここで賃金上昇を訴えるのであれば、子どもにも「インフレだから買える料金も上げるね」としないとだめですね。みなさんで良いインフレにしましょう笑。

さて、10円ですらなかなか買えるものがない今、1円の価値はどう教えたら良いでしょう。「1円を笑うものは1円に泣く」という言葉を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

理論的には、1円も10枚貯めれば10円になる。100枚貯めれば100円になる。だから1円も大切、となります。

ただ果たしてそれで本当に伝わりますか?(本当に、という言葉を使うと相手の心理を揺さぶれるそうですよ笑)1円を大切にしていますか?

いや、まあ、お金の価値を過大評価したいわけではありません。お金というのは道具ですから。本来はお金と交換するものに価値を見いだすはずです。

ただ、お金は本当にいろいろなものに変えることができますし、お金があれば避けられる不幸もあるのは事実です。だから、お金の大小に関わらず、必要だと思うことに使い、必要ではないと思うことには使わない。安いからではなく、必要だから。そういった判断は大切だと思います。このようにお金を使えるようになれば、お金を上手に付き合えるようになると思います。

では、改めて問います。1円の価値はどう伝えたらよいでしょう。

知識と納得

先ほどの1円は10枚貯めれば10円になり、100枚貯めれば100円になる。これは算数です。算数だから普遍的であり、客観的で、反論できないはずなのです。

しかし、子どもにはなかなか伝わらない。なぜか。それは経験がないからです。見たり体験したりしていないことは実感できません。事実はそうだと言われてもなかなかそう思えないのです。さて、次に示す項目、あなたは本当に心から確かに!と思えるものばかりでしょうか。

地球は太陽の周りを回っている。地底にはマグマがある。不倫を平気でする男がいる。妻だけを愛し続ける男がいる。不登校生徒は甘えていない。定時で帰り有給もきちんと消化する学校の先生がいる。過労死になる先生がいる。200円以下でカルピスボトルが買えるときがある。剣でジャグリングができる人がいる。朝起きたら急に立てなくなることがある。口で鉛筆をくわえ、絵が描ける人がいる。

さて、どうでしょうか。この中で確かに!と思えた項目は、今までに見たことや体験したことがあるのではないでしょうか。逆の言い方をすれば、見ていないけど絶対そうだ!と確信できるものはあるでしょうか。地球が太陽の周りを回っているなんて、どうやって思えるのでしょう。実際は太陽が動いているではありませんか。

これが、知識と納得の違いです。理科で実験が重視されるのはそのためです。低学年でおはじきが使われるのはそのためです。経験したことがない現象は納得しにくいです。知識として認識しても、経験がないことには納得できないことがあります。

このことを1円の話に当てはめてみます。1円が大切だと思えないのは、1円では何も買えたことがないからだと私は考えます。むしろ「1円では何も買えない」という経験をしています。とするのであれば、答えは簡単。1円で買えるものを作ればいいのです。1円で交換できるものがあれば、1円の価値も感じるのではないか。そう思い、実際に我が家で実践してみました。理想論だけ並べるわけにはいきませんからね。

お金教育実践記(小2の長男)

1円で買えるものを作るといっても、世間では、1円で買える物はありません(いろいろ契約すればスマホは買えそうですが笑)。世間にないなら、我が家で作るしかないですね。

我が家のルールで、動画を見たりゲームをしたりするにはお金が必要です。10円で5分。これはお金を使う練習ということで始めました。今もやっています。

もう次の展開は読めますよね笑。10円で5分(300秒)だから1円で30秒という条件を追加しただけです。

実際、動画やゲームって時間で区切れるというより、内容で区切るじゃないですか。ちょうど5分の動画はあんまりないし、ゲームもいいところで5分が終わることもあります。

今まではだいたいでやっていて、ちょっと早く終わるときもあれば、ちょっと遅く終わるときもありました。遅く終わる分には何も言わないけど、当然早く終わったときはぎりぎりまでやって、案の定中途半端なところで終わります。当然、ブーブー言います。

しかし、この1円30秒ルールを作ったら、途中でやめるようになりました。無理してやらないのです。内容の区切りでやめるのです。ちょっと残ってもその分お金が戻ってくるから安心してやめるのです。つまり、無駄遣いをしなくなりました。

また、文字通り1円を大切にするようになりました。床に1円でも落ちていたら「もらっていい?」って言うし(道路に落ちているときも言います笑)、安易に弟に「あげる」と言わなくなりました(優しさがへりもする笑)。

デメリットと感じることはー・・・特にありません。まぁ、計算がめんどくさいときがあるくらいですかね。あ、小銭のたくさん必要です。1円単位ですからね。

我が家は偶然、私が正規教員時代、会計をすることがかなりあり、両替をかなりの頻度で行わなきゃいけなかったので、そのときに使っていた小銭軍団がいました(先生ってお金の管理・両替・支払い・未払い請求もしなきゃいけないんですよ笑)。

とにかく割と上手くいきました。ただ注意点としては、何でもかんでも値段を付けない方がいいということです。我が子はなかったですが、お子さんによっては「1円払うからこれさせて」と要求するかもしれません。これになれると、物事をお金ですべて解決しようとする態度や何をするにもお金を要求することになるかも知れません。「学校行っているから、お金ちょうだい!」みたいな。

そこはお子さんの性格や状況、お子さんとの関係によって変わってきますので、実践するときはお子さんの様子を注意深くみることをお忘れなくで。

目的は、1円の価値を感じさせることです。目的と手段を混合しないように。

ちょっと具体例が少なくてわかりにくいかも知れません。すみません。何かしら感じていただけたら幸いです。

ところで、あなたは1円を大切にしていますか?

最後までお読みいただきありがとうございました。素敵な一日をお過ごしください。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?