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ステキノート

小学校11年間の担任経験があるにとうです。私の学級のうりは、クリエイター名にもあるとおり「優しい成長」です。

今回は私が3年目から毎年行ってきた「ステキノート」を紹介したいと思います。いつもは保護者の方向けの記事ですが、今回はがっつり教員向けです。親御さんもよろしければ最後までお読みください。

ステキノート

ステキノートとは簡単に言うと、友達からステキだと思うところを書いてもらうノートです。そこらへんに売っているB5ノートを4分割したものです。

ステキノートのいいところは・・・
1.友達のいいところを見つける習慣ができる
2.クラスの友人関係が分かったり、いろいろと気を配れる子が把握できる
3.個人懇談が和やかに進む
4.よい表現を身に付けられる

1.友達のいいところを見つける習慣ができる

このステキノートは3人または4人の生活班でまず交換し合います。生活班の交換は絶対です。週に1回行っていました。初めてやると絶対に「えーーー、ないーーー。」という言葉が出てきます。

ですが、頑張っているところとかいいなと思うところがない人なんていません。見ていないだけ!!ステキなところを探そうと過ごしていないだけ!!という話をします。だからこそ、ステキなところをすらすらと書いている子を取り上げ褒めます。

つくれる限り、毎週素敵ノートの時間をつくります。1回目ならまだしも、2回目、3回目になっても「ない!」なんてことは言わせません。もちろん分からない子には個別に声をかけます。

ノートを交換するから相手は自分のステキなところを書いてくれるわけです。自分だけ書かないわけにはいきません。やんちゃな男子でも書くようになります。

数回やると、今度はふざけて書いて笑わせようという子がでてきます。その段階を見計らって、「ニヤニヤするのはステキじゃないよ。本当にステキなところを書いてもらったときの反応は、じわーっと心が温かくなる感じだよ。」という説話をすると、ふざけるのも防げます。

2.クラスの交友関係が分かったり、配慮が必要な子を把握したりできる

生活班での交換が終わったところから、違う班との交換もありにします。すると必然なんですが、仲が良い子とノートの交換を始めます。意外な交友関係がわかる一方、ひとりでぼーっとする子もいます。

支援が必要な子です。自分ではどうしていいのか分からない子なんです。よくあるのが教師が声を掛けるとか、誰かに交換を促すといった類いだと思います。

ただこれだと効果は一時的で、結局教師の働きかけが必要です。その子の満足感は高まりません。目的はノートを交換することではなく、その子が交友関係を築けることです

学校生活アンケートでも、支援が必要な子が分かりますがそれよりもリアルで即効性もあり、確実なことだと私は考えます。

また、逆に幅広く声を掛けている子も出てきます。問題行動をしてしまう子、積極的に発言をする子はよく分かりますし、目立ちます。

一方、発言もしないし、問題行動も起こさない子は、学級ではその他大勢としてくくってしまいがちです。言葉を選ばずに言うと、害がないから注目しなくても過ぎていってしまうのです。

しかし、学級の人数構成でいうとそういう「害のない子」が一番多いはずです。そして、がんばっているけど認められない。そんな気持ちを抱いていることが多いです。文でみると気付いてあげたいと思えますが、実際にはなかなか難しいです。そんな子に気付けるのもこのステキノートの良さです。

3.個人懇談が和やかに進む

個人懇談ってありますよね。保護者の方に学校に来ていただく例のやつです。保護者の方も先生から厳しい言葉があるのではとビクビクする方が多いそうです。逆に「これってどういうことなんですか?」から始まる学校に対する不満をおっしゃる方もいます。

いずれにしても不安定な感情であることは間違いないです。むしろ「今日はどんな褒め言葉を言っていただけるのかしら?」とウキウキする方はいないでしょう笑。

ですから、私は待機場所にこのステキノートを置いて、待ち時間に読んでもらいます。そもそも学校に出向いてもらうのに待たせるのも何かなーって思いますし。でも、話し込むと長くなってしまうことがあるのも事実で・・・。

そんな待ち時間に子どもが他の子からステキなところを言われているのを見るだけでも安心しませんか?

そもそも個人懇談も学校の様子を伝えるのが教師側の目的だと思います。それを本人の教師から言うよりも、事実を見せた方が真実味があると思いませんか?

4.よい表現を身に付けられる

このステキノートは言ってしまえば、強制的にいいことを書かなくてはいけません。普段はなかなかいいところを言ってもらいにくくてもこの時間はいいところを探されます。お世辞が含まれることもあるでしょう。

ただ、どんな個性も良く見ようと思えば良くなるし、悪く見ようと思えば悪くなります。

「うるさい」→「元気」
「しゃべらない」→「話を聞ける」
「算数が苦手」→「体育は得意」

他者とうまく関係を築くには、他者の良いところをみる。誰しもわかっちゃいるけど、なかなかできないことです。なかなかできないことは何度も練習していくしかありません。

何もないのに褒めると子どもでもさすがに不審がります笑。だからこそステキノートという機会を与えることにより、良く見ようという練習ができるのです。

今回は私が実践していた「ステキノート」の紹介でした。きちんとするという環境さえ整えることができるのであれば、家族内でも塾内でも習い事内でも使えます。もちろん社内でも。

いいところを探すのは、いろいろなところで実践されているはずです。それを可視化して蓄積するといいよねっていうのがステキノートです。

最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。

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