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にとり
2021年4月14日 00:02
この記事は前回の「Written in the stars」のあとがきです。また、こちらは、第6回文芸課題"ぶんげぇむ"参加の記事です。◆お題:「電信柱」「あだ名」「運命」「未来」「カラフル」◆執筆ルール: ・お題に沿った作品を作ってください。 ・小説/エッセイ/詩 などの形式・ジャンルは問いません。 ・5つのキーワードを作品に登場させてください。ただし、文字そのものを登場させる必
2021年4月3日 18:42
それは何度も出会ったはずの感情なのに、もう二度と出会う事のない感情のように錯覚してしまう。そんな抱きしめたくなるような愛おしい感情が、生きているこの瞬間の美しさを象徴していた。二月、夜の冷たい風は街を沈黙させた。僕は、白いランニングシューズの靴紐を結び、誰もいない世界を駆け抜けた。この電信柱からあの電信柱まで、三十メートル。自分の腕を、脚を大きく振り、内臓を自ら痛めつけるようにフル稼働
2021年2月14日 12:14
冬の日。滅多に雪の降らないこの街にも、雪が似合った。僕は公園にいた。薄く地面に積もった雪を眺めながら歩いていると、少し前に一枚の羽根を見つけた。頭の中で渦巻いていた行き場のない焦燥感を消化するために、落ちているその平和の象徴にも縋りたい思いだった僕は、立ち止まって、少し離れたところから羽根を見つめていた。正面から走って来る子供が、それを拾おうとすると、「汚いから触っちゃダメよ」と母親が