自叙伝#03

小学校5年生

小学校5年生になった時、担任の先生が変わった。

この先生は優しすぎた。

だいぶ、歳をとっていて、2年後に定年退職した先生。

子どもが孫のような感覚で、子どもを注意することができなくなっていた。もうおばあちゃんと呼べるような歳だったし、子どものバイタリティについていけなくなったのかもしれない。

そこでA(仮名)くんというクラスで浮いた子がいた。浮いていると言っても、少し普通とは違って、陰キャではなく、むしろ陽キャだった。でも、家庭環境が普通ではなく、毎日ヨレヨレの服を着てきたし、歯が磨けていないのか歯垢が歯にこびり付いてるのが近くで会話するとわかるくらいだった。だから、いくら明るい性格でも、いじめの対象になってしまった(いじめていい理由にはならないが)。

担任はそのいじめを解決するのではなく、むしろ加担する側だった。

Aくんが着替えた服を煩雑に机に置いていたのを見て、「何!この抜け殻!」と揶揄するように言った。それを聞いて、クラスは大笑いした。

また、ある日、唐突にその子の悪口合戦が始まると、「それくらいにしときなさい」と注意するのだった。

その頃から、僕は担任の先生が嫌いだった。

冬休み明けぐらいから僕は頻繁に休むようになった。当時、力のある教頭先生や校長先生が協力してくれたが、学級立て直せなかった。


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