小学校6年生 自叙伝#04

新学期最初の日、その先生はいた。B(仮名)先生。始業式の後、みんなで集まった。B先生は「今からお弁当食べるけど、自由席にしてもいいか多数決を取ります。一人でも反対する人がいたらみんな一人で食べます」と言い、多数決を取った。その時に咄嗟に僕は手を上げなかった。

先生「みんな上げてる?」

友達「福くんがあげてません」

みんな僕の方を見る。

先生「理由は?」

僕「えーと」

友達「先生、これってただなんとなくって理由でも、全員一人ずつ食べるんですか?」

先生「うん」

僕「全員楽しく食べれると思わないから」

そのときにクラスから全部の音が消えた気がした。その後、僕は保健室でB先生と2人でお弁当を食べたが、あんまり食べられなかった。

ただ、今でも忘れらないのは僕がお弁当を取りに教室に行こうとした時、先生は「エコ贔屓していると思われちゃダメだから、一人で取りに行って」と、僕に取りに行かせたこと。この人の中でエコ贔屓することはいけないことという認識で、それは重要事項だった。

 そして、B先生は入学式の日から、机を蹴を飛ばして怒鳴っていた。5年生の時の学級崩壊を立て直すために、そういう過激な指導をする先生が人事で選ばれたのだろう。

 また、あからさまなエコ贔屓をする先生だった。スイスからの帰国子女で両親が医師だった子や、頭が良くて学級委員長をやるような子を優遇し、「さすが、〇〇くん!」「▲▲くんならできるよね?」と日々言っていた。

テストがあると、100点を取った子の名前を読み上げたりしていた。

そう言った環境にいると、僕は「自分は頭が良くなければいけない」と強迫観念に駆られ、頭を揺らしたり、動かすことが困難になった。次第にクラスにもいづらくなり、別室に登校するようになった。

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