タコツボ的発想:同じことでも外国はOK、日本はダメ

Facebookに投稿したものを転載します。

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たまたま見つけたので、これを話の種にして投稿します。

「ではのかみ」なんかもそうですが、外国がやっていることだとOKだけれど、同じことを日本がやっているとダメという発想が根本にある人間に正しい解決策を考え出すのは無理といいますか、もう「日本ダメ」と言っている時点で思考停止しているのがほぼ100%です。

その例がリンク先の記事なのですが、この記事に対しては

「ではアメリカ海兵隊は新兵の戦闘訓練の1/2~2/3の時間を銃剣術を含む格闘戦訓練に費やしているけれども、アメリカ海兵隊のことも『時代遅れのマニュアルで時代錯誤の人命軽視の訓練を延々と繰り返している遅れた軍隊』と批判できますか?」

と言えば、まったく反論はできないでしょう。

なぜなら私の反論は事実ですので。

ちなみに、日露戦争の時の歩兵操典(マニュアル)は、メッケル少佐仕込みの、火力戦至上主義ドクトリンでした。

それがなぜ白兵を重視するようになったかと言えば、アレクサンドル・スヴォロフ以来のロシアの伝統的な歩兵のドクトリンである「精神力の優越を生かした銃剣突撃」によって、鉄条網で固めた機関銃陣地を銃剣突撃で奪回され、体格も劣る日本兵がしばしば潰走するという事態が生じたため、火力一辺倒であったマニュアルを戦後に改定し、ある程度銃剣などの白兵も取り入れて火力と白兵のバランスを取ったものにする必要を当時の軍上層部は戦訓として学んだということです。

このように事実を追っていけば、「日本人の体質」などの観念論的発想は出てこないでしょう。

そのようにすぐ「国民性」だの「体質」だのに短絡(途中経過をすっ飛ばして事実を結び付けようとする非論理的思考)させるのは、とりもなおさず、論理能力の欠如ということを自白しているようなものです。

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ちなみに、このようなタコツボ的発想の自虐思考の持ち主の思考パターンはいくつかのタイプに分けられます(ほかの類型がありましたらぜひ教えていただきたいです)。

1.思考停止の受け売り型(この記事のようにまともな思考能力の無い大衆的発想)

2.商売・レントシーキング型(自分の意見に大衆を誘導して利益を得るために行うプロパガンダ)

3.学力不足型(この記事の大本の記事の元・陸将補のように、探求が中途半端で頭の弱いタイプ)

4.イデオロギー型(日本を貶めることが目的で、真理の探究とかはどうでもいい)

たとえば、このリンク記事は1番ですし、自虐史観歴史作家、司馬遼太郎なんかは2と4がミックスされたタイプに該当します。

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そして、これらのタコツボ的発想の人間の最も悪いところは、真の改善、解決策を遠ざけ、まったく頓珍漢な「解決策」なるものを真実の解決方法であるかのように思い込ませて問題を余計悪化させてしまう点です。

今回取り上げた問題なども、アメリカ海兵隊では「海兵隊員としての魂を創り上げるための重要な基礎」として現在も訓練体系の中で銃剣突撃や格闘戦が最重要視されていることを考えれば、銃剣術をはじめとした白兵戦や突撃訓練が悪いのではなく、単にやり方、教え方が悪いだけなのではないか?というところに目が向くはずです。

そして「火力が足りないから突撃させる」という問題は、銃剣術を重視しているがために起こる問題ではなく、「クニノシャッキンガー」という緊縮財政のために起きている問題であり、その解決のためには銃剣術を廃止することではなく、政府が財政支出をして砲弾を増産しなければいつまで経っても解決しないということです。

こういったことが分からずに、現象面だけしか見ることができないと、このような全く解決策になっていないものを解決策として提示してしまったり、「体質」や「国民性」のせいにして万事解決万々歳、あとは外国様のケツを舐めていればいいという主体性の放棄の極みである「真理の下水溝」に行きつくかのどちらかでしょう。

なので、正しい解決のためにはまっとうな学問力が必要であるということが分かります。

また、副次的には自衛隊・防衛大学校以上の学校でも、学問的訓練は一切行っておらず、微小な事実を「度外れ」に拡大解釈してしまう「誤謬の本質」をやらかす程度が、将官クラスであっても通常のことなのだということがよく分かります。

なので、将来の構想として描く自給自足型・生活保障共同体では、学問的訓練も希望者に行いたいというのは、こういう現実をふまえてのことでもあります。

https://president.jp/articles/-/38601


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