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蕾から咲く【詩】

蕾から咲く【詩】

うれしい たのしい よろこばしい 
かなしい さみしい はらだたしい

感情は人間や動物が
生まれながらに持っているもの
一瞬一瞬変わっていくもの

なのにふだん私たちは
感情を押さえて暮らしている
まるで機械のように
狂いのない時計の歯車のように

うれしい たのしい よろこばしい 
かなしい さみしい はらだたしい
こいしい くるしい いとおしい

感情を出すなんて幼稚だ と誰かが言った
大人

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眠れない夜(詩)

眠れない夜
夏と秋の狭間にて

体の中でも何かが書き変わっている
昨日の私は私であって私ではない
明日はまだ知らぬ私が待っている

私が私を保っていられることなんて
1秒たりともないのだ

眠れない夜
光と闇の狭間にて

赤と青とが入り混じった感情は
紫色になってゆくのだろうか
それともマーブル模様を描くだろうか

雲のように漂うふたつを
今はそっとそのままに

小さな花

小さな花

幸せ は手の届かない雲の上にある
そんなことを思っている日もあったけれど
意外とそうでもない

ふと見下ろすと
自分の足元に咲ている花のように
気づけばいつでもどこにでもある

幸せは得るものではなく気づくもの なのだと
その小さな花は言っていた

生と死について

生と死について

命が生まれたらいつかは終わる。

生きるとは死に向かって進んでいるということ。

いつ終わるかわからない、この世での旅路。

不思議と死は怖くない。

生に対する執着も無い。

だが、今すぐ死にたい訳でもない。

今この瞬間、死が訪れたとしても受け入れよう。

もうこんなにも幸せなのだから。

生きているだけで嬉しいのだから。

祈り

祈り

ここにあるわたしのいのちと
あなたのいのち
それぞれを大事にしていこうね

あぁ、あぁ、
今日も空がきれいだね
ごはんがおいしいね

それだけでいいじゃないか
それだけで幸せ

仕事は上手くはいかないが
帰り道の満月が綺麗だな

銃声の音が鳴り止まない
戦場にも花は咲いている

ああ、ああ、
どうか全ての苦しみが
消えて無くなりますように

愛だけが残りますように
愛だけが残りますように