【読書メモ】学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか(工藤 勇一、鴻上 尚史 著)

工藤校長の教員一年目の経験から今に至るまでが、より伝わってきた。とても素晴らしいと思う。図書館に返したけど、この本は買いたいな。圧倒されるばかりで、私には批判的な視点が持てない。異なる視点もあるという方に、お話を聴きたいと思った。

【読書メモ】
学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか
工藤 勇一、鴻上 尚史 著(2021/8/20発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065234751/

●第一章
「服装の乱れは心の乱れ」「規律がないと学校が機能しない」は大人が作り上げた問題で、単なる迷信。(p.39)
→そこまで割り切れない感覚が私には未だ残っていたが、本書で納得できた気がする。迷信だから不安は残るんだけど。(笑)

<十三の優先順位リスト>
命が最優先。次に犯罪や人権。これに比べると服装はどうでもよくなる。(p.41~)

海外じゃ話題にならない。「服装や頭髪は教育の本質じゃないってこと、みんな知ってますよね。」(p.47)

<不登校からのリハビリ>
「お母さん、大変だったでしょう。つらかったでしょう。」「不登校は育て方とかまったく関係ないんです。」「まず、不登校である状態が不利じゃないということを、お母さんもお父さんも理解してください。」そのうえでいろいろな情報を伝えます。(p.56)
「お気持ちや心は、基本的に何も変わらなくていいですよ。」
親自身の価値観を変える必要はない。ただ、親の言動は「いいことは続け、だめなことはやめる」ようにする。それだけ。
朝に起こすことについてなど、全て対話から始める。(p.57-58)

<リハビリのための三つのセリフ>
麹町中の職員室に貼ってある。
どうしたの? 困ったことがあるの?
それで君はこれからどうしたいの?
何か支援できることある? 手助けできることあるかい?(p.58)

教育は民主主義を広め、平和な社会をつくるためにある。
民主主義という言葉は偏見や先入観を持たれるので、この言葉は敢えて使わなかったけど。(p.73)

工藤先生は、教科書より自作教材を用いた。
50分の指導計画で、どれだけ個人に合わせた授業構成ができるかは、教科書では難しい。(p.76)

教育の最上位目標は「自律」。(p.78)

スライド:工藤校長流「学校経営の極意」(p.81)
スライド:学校の「当たり前」をなくすために(p.82)

メンタルを病んだ教員が多い。
休職している教員がそこらじゅうにいる。(p.86)

戦時中と意識があまり変わっていない。
教員は身を粉にして働き尽くすことが美徳だという認識がある。(p.88)

麹町中のPTAのなかに部活動委員会を作った。
教員がPTA活動として部活動をやり、部活動が教員のボランティアであることを見える化。(p.92)

●第二章
心はひとつにならない。大事なのは感情をコントロールしながら理性的に物事を決定する能力。
日本は、思いやりで解決しようとするから「絆」なんて言葉でごまかしちゃう。(p.96)

木村泰子さん(大空小学校初代校長)の言葉。教育とは「やり直しができる子を育てることだ」(p.110)

ディスレクシア(読み書きに困難を伴う症状)の子。ノートからパソコンに切り替えたことで困難解消した事例(p.131)

誰一人取り残さない。多数決だけで決めない。(p.148)

もめることは前提で、しかし、力で押し切らない。誰も置いていかない。これらは対話するうえで重要なことですから。そうすれば自ずと道は開けます。(p.150)

4クラス中、優秀なスーパー教員以外の3クラスが学級崩壊したことが全員担任制導入のきっかけとなった。(p.153)

●第三章
教員一年目の経験から二年目に変えたこと(p.167~)

●第四章
今の若い教員に考えてもらわなきゃいけないのは、・・・(p.208)

田中浩史さんの言葉。
「言葉は伝わらない。言葉が伝わるというのは、相手の心が揺さぶられたときだ。心が揺さぶられて初めて伝わるものだ。」(p.210)

岡本薫さんの言葉。日本の教育の課題について「手段が目的化している」。(p.212)

「誰一人置き去りにしない」(leave no one behind) というSDG'sの台詞によって、共通の目的が探し出せるようにセットになっている。(p.223)

スライド:横浜創英中学・高校の最上位目標 (p.236)
(「考えて行動できる人」の育成)

エンパシー=相手の立場に立てる能力(p.240)

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