【読書メモ】ネガティブ・ケイパビリティ 2冊(帚木 蓬生 著、枝廣 淳子 著)

「ネガティブ・ケイパビリティ」=すぐ解決できない事態に結論を急がず、答えのない状況に耐え迷う、「モヤモヤする力」
NHKの番組で紹介された2冊に目を通してみた。読書メモと私の課題認識をメモした。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4820/

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【読書メモ】
ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力
帚木 蓬生 著(2017/4/10発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022630582

黒井千次氏の随筆「知り過ぎた人」からの引用
「不明のまま抱いていた謎は、それを抱く人の体温によって成長、成熟し、更に豊かな謎へと育っていくのではあるまいか。」
p.77
プラセボ。骨折の治療で比較実験が実施された。
「最新の装置で最新の治療を受けている」という認識が、癒合促進に働いた。
p.128
不登校は、本人が選びとった避難所。まさしく、ネガティブ・ケイパビリティ。となれば、親もネガティブ・ケイパビリティを持ち、わが子が折り合いをつけて進む道を見出だす時が来るまで、宙ぶらりんの日々を、不可思議さと神秘さに興味津々の眼を注ぎつつ、耐えていくべきです。
p.195
→当事者にその余裕は無いと思うけど、書いてあることは、体験談ではいつも出てくる話。
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【読書メモ】
答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ
枝廣 淳子 著(2023/2/25発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4781621767/

相手の意見を「受け入れる」のではなく、
「あなたは、そう考えているんですね。」ということを、
「受け容れる」
p.75
「ニーバーの祈り」
神よ
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
p.96
「傾聴」を支える力でもある。
p.102
ネガティブ・ケイパビリティの高め方。
発言したり、考えたりしたときに、「〜と考えている私がいる」と付け加えてみる。
p.117
「子どもは学校へ行くもの」と言う例で、「メンタルモデル」(=頭の中で現実を単純化したモデル)がある社会で共有されているとき、「社会通念」「パラダイム」と呼ばれる、と書いてある。
→不登校のパラダイムシフトについて、一言書いておいて欲しかった。
p.142
「リーダーシップ」のleadの語源は、「leith」。「敷居を越える」こと。
「知っている」「わかっている」という安全領域の敷居を越えて、
「わかっていない」領域への最初の一歩を踏み出すことができる人のこと。
p.192
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⚫私の課題認識
「コロナワクチンは有効か?」「LGBTQ、障害」「教育予算と防衛費」。
多様なパラメータによって、正しい判断が現時点では困難。
または「原理的に正しい結論が存在しない」課題について、我々は
どう向き合うかが問われている。

⚫私の現時点での結論
人間は、思考や感覚について多様性を持っている。
それは「線形結合」のイメージ。
AIの入門でも出てくる「重回帰分析」(複数の要因の重み付け)や
量子力学で出てくる「波動関数」(複数の状態の重み付け)のような。
自身の多様性を前提に考えれば、他者の多様性は理解できるように思う。
これを上手く共有する術が、いま未だ無いことが課題なのだと思う。

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