【聴講メモ】齋藤環先生「ひきこもり支援のゴールとは?」

斎藤環先生の講演聴講は数回目。長いご経験に基づく話で説得力が強い。

【聴講メモ】
テーマ:「ひきこもり支援のゴールとは?」
講師:筑波大学医学医療系 社会精神保健学 齋藤環先生 
主催:NPO法人キャリアデザイン研究所

●学校現場に求めること
子どもの尊厳を尊重してください。
暴力の一掃。
呼び捨て、年功序列、部活の強制、校則の強制、指導と称するハラスメント。これらは全部暴力です。
服装がどうだのと、暇な地域住民から学校へのクレーム。地域住民の声は無視して良い。
(この言い切りが素敵)

●医師について
医師が説教を始めたら、その医師は駄目なので他所に行く。説教が療法になることない。
同業者のことを悪く言いたくないが、あまりにも現状相談が多い。

●発達障害
世間は発達障害を乱用気味。
発達障害の治療・療育ができる医師にかかる。診断だけするのは無責任。

●正論は誰にでも言える
それを押し付けるのは間違い。それでは人は変わらない。
正しいことこそ、慎重に言わなければいけない。

●いじめ問題の基本対応
いじめ被害者に原因がある場合もあるが、加害者が100%悪い。
謝罪するのは加害者だけ。(両方を謝らせる茶番は駄目)
処罰は加害者に恥をかかせること。
指導と処罰は混同しない。
指導はどうでもいいので、処罰は必ず。

●対話
相手に対して肯定的な態度で。
「ありのまま、そのままでいい。」よりもさらに
「あなたのことをもっと教えて。知りたい。」

●オープンダイアログの7つの原則
第6:不確実性に耐える=プランを立てない

●その他
ひきこもっている人は「たまたま困難な状況にあるまともな人」
本人は、親が自分の尊厳にどれだけ配慮しているかを見ている。

●全体の印象
斎藤環先生の講演聴講は数回目。今回は特に切り口が鋭い印象を受けた。
「もういい加減、なんとかして」という叫びのようにも聞こえた。

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