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「カップルを作るゲーム」制作記【Unity】



1. はじめに


 初めまして。にしすけと申します。
 noteを書くのは初めてで、拙いところも多々あると思いますが、よろしくお願いします。
 現在、人生初のゲーム制作を個人かつ趣味で進めています。いわゆるインディーゲームです。進捗状況は計画全体の4割くらいです。
 この記事では、ゲームの内容や制作過程、小話裏話などなどを1万文字程度でお話しします。細かい技術的な話などは抜きにして、ゲーム制作者の方でなくともライトに楽しめるような読み物を目指して執筆しました。
 興味がありましたらぜひ読んで頂ければ幸いです。よろしくお願いします!

 まずはゲームのPVをご覧頂ければと思います。



2. ゲームの紹介


 現在制作中のゲームについて、ざっくり紹介していきます。

2.1. 概要

・タイトル:カップリングパーティ!
・プレイ人数:1-4人
・ジャンル:アクション
・機種:Switch、PC(Steam)
・対象:全年齢
・開発期間:3-4年予定(現在1年半ほど作業済み)

2.2. 本作のざっくり紹介

 本作を一言で説明しますと、「カップルを作るゲーム」です。
 プレイヤーはパーティ会場のスタッフであり、恋のキューピッド的な存在でもあります。フィールド上のキャラたちを、時間内により多くカップル成立させるのが目的です。
 ドリンクを作って、テーブルに案内して、パーティを盛り上げて、カップルを作って、高得点を目指しましょう!
 最大4人でわいわい協力して遊べます。オンラインのマルチプレイにも対応予定です。

2.3. 本作の売りどころ

 作業分担と効率化の妙を味わえることです。
 たとえば、1つのタスク(=カップル1組を成立させるための一連の作業。キャラをテーブルに案内したり、ドリンクを作ったり運んだり…)をプレイヤー1人で行おうとすると、フィールド中を行ったり来たりすることになり、作業効率が良いとは言えません。しかし、タスクに必要な作業を複数のプレイヤー間で分担し、声掛けしながら適宜作業担当を切り替えたりして(ギミックによりステージの状況も変化したりして)、より作業効率を上げる(=スコアアップする)ところに本作の面白さがあります。ぜひ友達とぎゃーぎゃー騒ぎながらプレイしてみてください。もちろん1人プレイでも楽しめるようになっています。
 プレイ感が近いゲームとしては、オーバークックやUnrailed!、ピクミンなどでしょうか。これらも同様に、みんなで協力して時間内に多くのタスクをこなすゲームであり、作業効率を極めるところに面白さがあります。

2.4. ジェンダーモード

 カップルを作るゲームということで、性については気になるところかと思いますが、本作はお好みの性でプレイすることが可能になっています。
 初期状態では、男の子と女の子のカップルを作るゲームになっていますが、オプションの設定で、女の子同士、または男の子同士でカップルを作るように変更できます。また、オールモード(男女の区別がなく、名前、髪型、服装などが全てごちゃ混ぜになる)も用意しています。

百合がお好きな方であれば、本作を百合ゲーとして楽しんで頂けます!



3. ゲーム制作を始めた経緯


 ゲーム制作を始めた経緯についてお話しします。
 ざっくり言いますと、元々ゲーム制作に興味があったところ、オーバークックというゲームに出会ったのがきっかけで、自分もこんなゲームを作りたい!と思った次第です。

3.1. 元々ゲーム制作に興味があった

 少し趣味の話をさせてください。
 私はゲームや漫画やアニメが好きなのですが、それ以上に創作活動が好きです。インプットよりもアウトプット派。高校時代は作曲、大学時代からは小説書き、30歳からはお絵描き(イラスト+漫画)を嗜んでいます。中でも一番得意なのは小説です。

小説書き歴15年。特に20代の頃は二次創作の同人小説を山ほど書いていました
お絵描き歴5年。でもブランクが2年くらいあってたぶんもう描けません

 お仕事は、IT企業(ゲーム関係ではない)でプログラム(C++)をごりごり書いています。入社10年ほど。
 ものづくらー的にも仕事的にも、ゲーム制作には前々から興味があったのですが、長年同人活動に注力している身であり、なかなか他の趣味に手を出せない状況でした。でもやってみたい。何かきっかけがひとつでもあれば状況が変わるといった感じでした。

 そんな中、私は運命的な出会いを果たしたのです。

3.2. オーバークックとの出会い

 既存の作品の影響で、創作の世界に飛び込むケースは少なくないように思います。ゆるゆり愛が頂点に達してよし自分も絵や漫画を描いてみよう!みたいな。
 ゲーム制作界隈でも、RPGやロックマンやFEやダクソやアトリエ等々にハマってリスペクトゲーを作る方が多くいらっしゃって少し安心しました。私もその手の者です。
 私のきっかけはというと、2021年初頭にプレイした、料理を題材にしたゲーム「オーバークック」。ン十年間ゲームを山ほどやり込んできた身ですが、あまりにも新鮮すぎて&面白すぎて、やべえ自分でもこんなゲーム作りたい!と思うには充分な衝撃を受けたのです。

 何が面白いかというと、1ステージ約3分という短時間で行う超濃密で超高速なタスク管理ゲー。次々に舞い込む注文の通りに料理を作らなければいけないのですが、それには材料を切る・運搬・焼く、料理の提供、皿洗いなど、多くのタスクを順番を考えつつ処理する必要があります。
 肉を焼くのを優先すべき? それとも目の前の鍋が焦げないように足を止めてでも見張っておくべき? 次の注文の下拵えを先行させる時間的余裕はあるか? いや、よく見るとそろそろ相方のプレイヤーの皿洗いが終わりそうだ、今のうちに食材を渡しておけば次のシチューに早めに着手してくれそうだな。
 常にフィールドを俯瞰し、状況を瞬時に見極め、最善の行動を取り、徹底的に効率を目指していくのです。
 プレイヤーの人数が増えるほど、息の合ったコンビネーションが必要になるのですが、各々のタスクが阿吽の呼吸で噛み合った瞬間の快感は半端ない。大半は罵声に次ぐ罵声ですが。
 皆さんもぜひフレンドと殴り合いながら遊んでみてください。あるいは実況動画などを一度ご覧ください。神ゲーです。本作よりこっち買ったほうがいいぞ!

 こんな面白いゲームに出会ってしまったら、そりゃもう自分でも作るしかないじゃないですか!!!私も!!!こんな!!!神ゲーを!!!作って!!!みたいのだ!!!!!
 というわけで謎のテンションのまま、ゲーム制作の世界へと足を踏み入れることになったのです。


4. ゲーム制作の方向性


 ゲーム制作の方向性は、早い段階で決めていました。
・量より質
・絵・音楽・シナリオに時間を割かない
・売れるものより好きなものを作る
 この3つです。

4.1. 量より質

 私の創作活動の方向性は、音楽・絵・小説問わず、常に「量より質」です。作品を3つ作るくらいなら、3作品分の時間を使ってすんげー1作品を作りたい、というタイプです。作品を作るたび、毎回「創作活動はこれで最後だから思い残すことのないようにしよう」と考えながら全力を尽くしています。もっとも、完成から数ヶ月も経てば「やっぱもう1作品くらい作るか…」となるのもいつものことです。
 というわけで、今回も例によって「これが最初で最後のゲーム制作」と考えています。今は。少なくとも。

4.2. 絵・音楽・シナリオに時間を割かない

 絵は未熟ながら描けなくもありません。しかしグラフィックに拘ったゲームを目指すと、制作期間の結構な割合を画像素材(キャラ、背景、小物、UI、…)に費やすことになります。それだと、従来の趣味であるお絵描きとあまり変わりません。
 絵を描きたい欲はイラストや漫画を描いて満たせばよいし、シナリオを書きたい欲は小説を書いて満たせばよい。せっかくのゲーム制作ですから、ゲーム制作ならではの楽しみを味わいたいのです。
 そんなわけで本作では、絵・音楽・シナリオになるべく時間を割かず、プログラムやUnityに触る時間を一番長くしようと決めていました(イラストACとAudioStockにはいつも大変お世話になっております)。

 ただし、フリー素材に頼りまくりの代償として、どうしても違和感は出てきてしまいます。
 たとえば本作では、基本的に斜め上から見下ろした視点でフィールドを表現しています。テーブルやキャラなど大半の物体については、もちろん斜め上から見た形で表現されます。しかし下図のように、斜め上ではなく、真横から見た画像が混ざっていたりします。

 なぜこんな矛盾が生じているのか? それは、素材サイトをあちこち回っても、斜め上から見たドリンクのイラスト素材が見つからなかったためです。かと言って、自分でイラストを描くのも面倒ですし。
 なにぶん、お金も時間も足りない個人&趣味の者ですので、どうか寛大な御心で見逃して頂ければ幸いです。量より質?なにそれ??

4.3. 売れるものより好きなものを作る

 ぶっちゃけ売れてほしいですけどね!
 ただ、せっかく趣味でやっている制作ですし、インディーゲームらしく好き放題作りたい。売れるものを目指したところで、TLの猛者たちや商業作品相手に勝ち目はありません。スプラのほうが100倍面白いし1万倍売れます。
 カップリングという、ゲーマーから見たらニッチであろう題材のため(同人界隈ではメジャーですが)、大変に人を選びそうな気がします。しかし、個人的には「こんなゲームがあったら買うしかないだろ!」というくらい自分自身にぶっ刺さっているゲームになっているので、この調子で我が道を突き進んでいきたいと思います。
 余談ですが、どれだけ売れるかはさておき、本作の売り上げはすべて家族や子供に注ぎ込むと決めています。みんな買ってくれよな!
(やっぱ売れてほしいな…)


5.  21年3月~8月  ゲーム制作の下準備


 ここからは、時系列順に作業内容をざっくりお話しします。

5.1. アイディア出し

 私はカップリングが好きです。
 カップリングとは何か? Wikipediaによると「同人創作活動においてキャラクター同士の恋愛関係を表す語」とのことです。
 漫画などを読んでいても、なんかこう、仲の良い二人を(いや別に仲が良くなくても)脳内で(時には必要以上に)いちゃこらさせて悦に入るタイプの人間です。百合とか特に好きです。
 分かるわーというそこのあなた! 本作はあなた向けのゲームです。買ってください。もちろんカップリングに興味がない方にも、タスク管理ゲーとして大いに楽しんで頂けるように制作しています。
 え、百合ではなくBLがお好き? ご心配には及びません。BLガチ勢の妻がアドバイザーとして背後に控えております。ジェンダーモードを設定し、BLゲーとして本作をお楽しみください。

 前述のとおり、私が目指すのはオーバークックのパk…リスペクトゲーになりますが、まったく同じ料理のゲームを作っても仕方ありません。
 二次創作カプ厨の自分らしい題材は何だろうと考えると、やはりカップリングに行きつくわけで。ということは、「オーバークックのようなタスク管理ゲーに、カップルを作る要素を加えたゲーム」にするのはどうか、と考えました。
 我ながら新規性はそこそこあるのではと思っています。一般に恋愛ゲームというと、プレイヤー自身が恋愛するタイプが多いと思いますが、カップリングを主軸に据えたゲームというと、調べた限りではそれほど多くなさそうでした。

5.2. 企画書作成

 ゲームの方向性がおおよそ固まったところで、企画書的な何かを作ってみました。もちろんゲーム制作の一般的なお作法など知らない状態です。「なんか最初は企画書?だか何だか?を作るんだっけ??」という聞きかじりの薄い知識だけです。
 こうして見ると、細かいところは別として、カップルを作るゲームという根っこはこの頃から変わっていませんね。

5.3. プロトタイプ作成

 企画書的な何かが完成したところで、これを基にゲームのプロトタイプを作りました。
 この時点ではまだC#もUnityもノータッチであり、いきなりこれでゲームを作るのは厳しいかなと感じたので、まずは仕事で慣れ親しんだC++で作ることにしました。
 操作性やグラフィックはしょっぱいですが、これによりゲームの雰囲気をざっと掴むことができました。

プロトタイプ ver.1.0
プロトタイプ ver.2.0


5.4. C#、Unity習得

 次に、C#の習得に入りました。市販の本を1冊適当に流して終わりです。C++に近い記述方法であり、案外なんとかなりそうかなという感想でした。
 続いてUnityの勉強を行いました。市販の本を1冊と、初心者講座のブログをざっと勉強して、概ね基本を押さえることができました。
 特にブログは大変分かりやすく、参考になりました。短期間で実力がついたと思います。ありがとうございます。
 そういや、ツイッターのフォロワー様方にもこのブログでUnityを学んだ方がちらほらいらっしゃるようで、勝手に仲間意識を持っております。一緒に頑張りましょう!



6.  21年8月~12月  ゲームの基礎をUnityで作成

6.1 TopDown Engineとの出会い

 TopDown Engineとは、2Dゼルダのような見下ろし型アクションゲームを簡単に作れるUnity用の有料アセットです。要はゲームの雛型のようなものです。
 ツイッターのゲーム制作用アカウントを作成した直後、たまたまTLでTopDown Engineを見かけて、これは使えると思って即買いしました。おかげで軽く半年以上は作業工程がスキップできたと思います。強すぎる。


6.2. ビジュアルの検討

 次に、ゲームのビジュアルを検討する作業に入りました。
 この時点で、まだゲームを2Dにするか3Dにするか決まっていませんでしたが、まあどうにかなるだろうと適当なノリで色々と試していました。ちなみに、3Dモデリングの知識や技術は全くありません。

 最初のうちは、3Dでの表現(アセット盛り盛り)を模索していましたが…

 最終的に、適当に試し描きしたニャッキみたいなデフォルメキャラが妙に可愛く、評判も良かったので、これを用いた2D案を採用しました。

 このキャラデザインのミソは、デフォルメ感が非常に強く、ゲームの作り込みの際に楽ができることです。たとえば歩行アニメーション、キャラ同士の会話アニメーション、何かの作業を行うアニメーションなどは、すべてキャラがぴょんぴょん跳ねるだけで表現可能です。表情はおろか手足すらないわけですから。
 下手に等身を上げたり手足を生やしたりすると、相応に凝ったアニメーションの作成や、そのリアルさに合わせた背景の作り込みなどが必要になってしまいます。その工程をばっさり省略できるのは大きな利点だと思っています(前述のとおり、絵に時間を費やさない方針のため)。

6.3. プロトタイプをUnity上で再現

 無事にビジュアルが固まったところで、次の目標としては、C++で作ったプロトタイプをUnity上で再現することでした。
 この作業がなんとまあ大変なこと。
 TopDown Engine神のご加護を受けているとはいえ、Unity歴は1ヶ月もありません。「近くにあるものをハイライト表示する機能」「キャラや物を掴む機能」「カップル成立に必要な会話機能、デート機能」「スコアまわり」等々、ゲームの基礎部分に必要な作成物の圧倒的物量たるや。
 5ヶ月に及ぶ大激闘の末、なんとか21年12月頃に完成させることができました。本当に厳しい戦いでした…
 外見はプロトタイプから随分変わりましたが、ゲーム性などの中身はだいたい同じです。

 以下、この時点で作成したPV第1弾になります。

 ちなみに、少し技術的な内容になりますが、「近くにあるものをハイライト表示する機能」を作成するにあたり、色々と試行錯誤した過程をツイートにまとめていますので、共有しておきます。


6.4. タイトルロゴ作成

 私のお絵描きスキルは付け焼刃もいいところなので(特にデザインセンスが壊滅的すぎる)、ゲームの顔とも言えるタイトルロゴについては、さすがに他の方にお願いすることにしました。
 ツイッターでフォローしていた方にお声がけして、作風に合った素敵なロゴを作成して頂きました。ありがとうございます!



7.  21年12月~22年3月  メニュー画面の作成


 ゲームの基礎部分が完成したところで、第二の難関であるメニュー画面の作成に取り掛かりました。
 例によってグラフィックまわりに自信がないため、メニューのUIパーツについても他の方に依頼させて頂きました。ありがとうございます!

 外見はなんとかなったとして、中身の作成についてはとにかく大変でした。丸4ヶ月かかりました。特に時間がかかったのが、トップメニュー画面、プレイヤー設定画面、オプション画面、キーコンフィグ画面(キーボード+ゲームパッド)あたりです。

 動画は以下です。ボタンなどにアニメーションを加えてぬるぬる動かしています。なかなか見栄え良く仕上がったと思います。

 また、ここ最近(22年11月頃)作成した内容になりますが、プレイヤーごとに「推し」を設定できる機能があります。
 ここでは、プレイヤーの好みのキャラ(好みのカップル)の属性を指定できます。たとえば「ドS年下攻め×メガネ教師受け」のように設定した場合、ゲーム中に該当カップルが成立すると、少しだけボーナススコアが得られます。
 なお、推しは設定しなくとも特に問題はありません。あくまでカップリング大好き勢向けの機能になります。



8.  22年3月~11月現在  「面白くない」という壁


 ここまでの作業は全て順調。予定通りに進んでいました。
 さて、そろそろステージをいくつか作成してみようと思い、意気揚々と作業に取り掛かったのですが…
 ついに、それに直面することになりました。
 嫌な予感はしていました。漠然と「たぶんそうなんじゃないか」と感じていました。しかし、今までそれを見て見ぬ振りをしたまま、ガワを作ることだけに没頭してきたのです。

 このゲーム、致命的に面白くない。

8.1. 面白いって、なんだ?

 1人で遊ぶ場合は、タスク管理ゲーとして(我ながら)(最低限)(まあまあ)良くできているな、という印象でした。一方、2人以上で遊ぶ場合はまったくもって面白くない。
 このままでは、とてもじゃないですがゲームとして成り立ちません。なんとかして「面白くない」を「面白い」に変えなければいけません。
 そこで立ち塞がる問題がひとつ。面白いって、なんだ?

 ぼんやり考えていても埒が明きません。とりあえず、問題をざっくり整理して考えることにしました。
①面白くない箇所は具体的にどこか?
②面白くない箇所が分かったとして、面白くない理由は?
③面白くない理由が分かったとして、解決策は?
 足りない知恵を絞って考えますが、とにかく分からない。自分のゲームをきちんと客観視してダメ出しするところからまず難しいし、「面白い」とかいう漠然とした概念をある程度言語化しないと話が始まらない。そんなのできるかーい!!!
 何週間も悩みました。頭がパンクしそうでした。頭から煙が噴き出る表現をリアルに味わいました。
 ただ、幸いなことに、突破口がないわけではありませんでした。
 前述のとおり、本作はオーバークックのパk…リスペクトゲーです。タスク管理ゲーの大先輩であり、紛うことなき面白いゲームです。であれば、面白くない本作と比較することで「面白い」を言語化できるのでは? もし言語化できたなら、本作の面白くない箇所を特定できるのでは? ひいてはその個所を「面白い」に改変できるのでは?

 行き当たりばったりなのは自覚しています。最初にもっとゲームシステムを練っていれば避けられた問題かもしれません。ただまあ、素人の身ではやはり最初から見えているものは多くなく、試行錯誤しながら内容を詰めていくのは仕方なかったのかな、とも思います。
 でも、楽しいです。
 今自分は、ゲーム制作ならではの悩みにぶち当たっている。「遊んでいて面白いとは一体何ぞや?」を考えるのは、作曲やお絵描きや小説書きでは得られない新鮮な体験です。
 ゲーム制作初心者の自分には難関すぎるけど、やり甲斐がある。楽しい。
 上等だ、挑戦してやろうじゃないか!!

8.2. 考察結果を資料にまとめました

 散々考察を重ねまくった結果、次のような結論が得られました。
・(本作における)面白さとは?
 →プレイヤー達に連携プレイ(時には口喧嘩)をしてもらうこと
・面白くない理由は?
 →複数プレイヤー間で連携して作業する必要がない。各プレイヤーが独立して黙々と作業をこなすだけで充分スコアが稼げてしまうため、「お前この作業やっといてくれ!俺こっちやるわ!」的なプレイヤー間のコミュニケーションが発生しない
・面白くするには?
 →プレイヤー同士が連携するとより効率が上がるような仕組みを作る

 具体的には下記資料にまとめてありますので、お時間のある方はご確認頂ければと思います。題して「現在制作中のゲームが面白くない理由を考察してみた」シリーズです(全3回)。


8.3. 一部は解決しました

 この問題を解決するため、ゲームシステムを4ヶ月かけてごっそり作り直しました。
 寝る間を惜しんで作り上げた、会話機能やデート機能や結婚機能やアイテムを投げる機能やノルマ管理機能やエネミー機能などを、涙を呑んでばっさり削除しました。代わりに機能を山ほど追加しました。ドリンクや料理を作成する機能、テーブルでパーティを行う機能、グラスを片付ける機能、などなど。ゲームをまったく別物に作り変えたのです。
 これにより、「面白くない理由を考察する」資料の第1回、第2回で挙げた問題点をすべて解決することができました。その結果、よりタスク管理ゲーらしくなり(よりプレイヤー同士が連携して遊べるようになり)、本作は30倍面白くなりました。ほんと大変すぎた。
 ただし、第3回の内容については、22年11月現在も未解決のままです。というか解決策すら浮かんでいません。これをなんとかしない限り、とても世に送り出せるレベルに達しないと思っています。逆に言えば、この問題さえクリアすれば確実に面白いゲームになるはず! たぶん!
 なんとかします。頑張ります。

8.4. 大改造の副作用

 ゲームを根底から作り直した副作用として、
「天使が、下界に住むモブを初対面から結婚まで導く」
 というゲームのコンセプトが、
「パーティ会場のスタッフが、モブをもてなして恋人作りの手伝いをする」
 のように変更になりました(カップルを作るゲームという本質はブレていませんが)。

 ただし、これについては問題が残っています。
 メニュー画面のデザインやゲーム中のUIなどは、全て「天使が下界に住むモブを云々」の設定に合わせてデザインしてあります。特に、文房具関連のアイテムをあちこちにあしらっているのは、この設定に由来しています(長くなるので詳細については省略します)。
 しかし設定を大きく変更したことにより、今や、文房具のデザインが設定と噛み合わなくなってしまいました。この辺もいつかは作り直す必要があります。

「パーティ会場のスタッフが云々」の設定にそぐわなくなったメニュー画面



9. 今後について

9.1. 今後のスケジュール

 スケジュール表は以下です。制作開始時、知識ゼロの状態で雑に作ったものなので、突っ込みどころは多々あるかもしれませんが、一応この表をベースに作業を進めています。

 当面の作業内容は、前述のとおり超難関「面白くない問題」の解決ですが、この最強のラスボスを倒したところで、ステージ量産、オンライン対応、イベント参加、ローカライズ、SteamやSwitchの販売準備などなど、名だたる隠しボスが列を成して待ち構えています。ディスガイアかよ。
 まあなんとか頑張っていきます。

9.2. 作業時間について

 ざっくり計算ですが、制作開始から1年半ほど経過した現在、作業時間は計4000時間ほどになっています。1日あたりの平均は7時間。我ながらとんでもない数字ですね。相当やり込んだスプラやモンハンですらプレイ時間1000時間程度なのですが。
 冒頭で、全体の進捗状況は4割と(適当に)書きましたが、それが正しければ、本作は完成までに計10000時間が必要ということになります。スプラならプロになってる。
 独身時代は、仕事のある平日でも4~5時間くらい、休日は10時間以上も作業していました。制作開始から半年くらいで結婚し、最近第一子を授かったことにより、作業時間は大幅に減少しました。当然ながら趣味よりも子供が最優先ですが、本作は必ず完成させるつもりでいます。

9.3. ゲーム完成後

 たぶん次回作はありません。本作が最初で最後のゲーム作品になると思います。理由は2つです。
 ひとつ目は、前述の通り、2作目以降を作るくらいならその時間を本作に充てたいからです。10作品分くらいのクオリティをどかっと詰め込んで皆様にお届けしたいですね。
 ふたつ目は、しばらくご無沙汰だった小説書きの趣味を再開しようかなと思っています。これまでの執筆活動は全て同人活動(二次創作)だったのですが、ここらで趣向を変えて一次創作に手を出してみようかなと。小説の新人賞にも応募するつもりです。人生いろんなことに挑戦してみたいのです。

9.4 余談

 ふと思い出したので。
 ゲーム制作未経験を自称しているものの、そういや小中学生時代にRPGツクールでよく遊んでたっけなあ。2と4とGB。完成させたことは一度もなかったけど。後は64のデザエモン3Dとか。まあこの辺はノーカンということで…
 小学4年生の時にRPGツクール2で「ミスタービーンの大冒険」を一緒に作って大爆笑してた彼は元気にしてるだろうか( ´・ω・`)



 以上になります。
 かなりの長文になってしまいましたが、ここまでお付き合い頂き誠にありがとうございました。
 今後とも頑張って制作に励んでいきますので、よろしくお願いします!

 ちなみに、細かな進捗はツイッターで垂れ流していますので、興味がありましたらぜひチェックしてくださいね。


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