【表現評論】メモリーズオフ ゆびきりの記憶 コアレビューその22 詩名ルート6【全作再プレイシリーズ】
⚫︎前回の記事
⚫︎ホームラン級の鈍感男VS絶対に気づいてほしい乙女
好きな相手は年上。直樹もよく知っている人。という情報から、詩名が好きな相手が亨だと勘違いする直樹君。え〜、申し訳ありません。この男、詩名ルートではホームラン級のバカです。まあそういうルートだからいいんだよ。詩名ルートのコンセプトは「ホームラン級の鈍感男VS絶対に気づいてほしい乙女」の戦いなんだから。そう考えると悪くはない。とにかく気付かないことが直樹君の仕事。詩名もあまりのアホさ加減に、そうかもしれませんねと返します。仕方ないじゃん。気づいたら負けなんだからよ。次の日部室にも来ませんでした。あまりのアホさに愕然としているのかもしれない。しかし今作は亨がよく絡んでくる。次の作品から影も形もないというのに。オールスターのイノフサンフィーユにもいなかったというのに。信の従兄弟は出てくるというのに。直樹君はもう亨で確定だと勘違いしてます。よくよく考えるとメモリーズオフで鈍感っぷりを発揮するルートってなかったんだよね。実は詩名ルートだけかもしれない。ナンバーワンじゃなくていい。オンリーワン。
⚫︎風流庵
ってルサックの系列だったんですね。初めて知った。だから信がいるのか。ルサックの規模感がよくわからない。神奈川ローカルファミレスなのか。関東ローカルファミレスなのか、全国展開なのか。
⚫️曲は完成
部室にも来ずに一人で家で作曲していたという。本当か。あまりの鈍感っぷりに部屋で絶望してたんじゃないのか。詩名のリバースカットを切に望む。
⚫︎絶対に気づいてはならない男
曲が完成した後の詩名のセリフ。少し長い引用です。
これで気付かないやつおるぅ〜!? もはや認知に何かしら特殊な空白があるとしか思えないレベルの鈍感さを発揮してます。好きな人のために作った曲を一番に聴いてほしいって言ってるんだから、そういうことでしょ。直樹君は鈍感王してオンリーワンとしてのかけがえのない価値がありそう。メモリーズオフの鈍感キングです。キングだよキング。他にキングの称号いるかな。モテキングはショーゴ君か。でも重ねて言いますが、どう考えてもすぐ気づきそうなことなのに、気づいてないことって誰にでもありますからね。ショーゴ君にとって、詩名が自分に好意を持っていることは想像もできないのかもしれない。ショーゴ君じゃないや。直樹君。ショーゴ君はこの世の女が全員惚れるから、想像しやすいだろ。
詩名さんもはっきりと言えばいいんですけどね。そこはちなつがいるからはっきりとは言えない。あくまで直樹君の方に気づいてもらわないと。そう考えるとやっぱり詩名ルートは構造的によくできている。絶対に直接伝えられない詩名と、絶対に気づいてはならない直樹君のガチンコバトルを描くことに大成功しています。このルートはすごく評価が高くなりそう。
⚫︎歌が終わった後
詩名の恋の歌を聴き終わった後。直樹君はきっと届くよ、詩名の気持ち、あとは今の歌を相手に聴かせるだけだな、などと供述しました。俺は絶対にお前の気持ちには気づかねえぞと。そんな固い決意を感じます。開発陣の固い決意。詩名はもうあかん、全て終わりや、とばかりに絶望します。
これでも絶対に気づかない。ここまで来るとカオスシリーズ的な認知のおかしさを感じさせます。でもいいんだよ。絶対気づかないのがこのシナリオの武器なんだから。できればエンディング終わっても気づかないでほしい。結婚しても気づかないで欲しい。結婚して子供が出来ても詩名の好きなやつって誰なの? って言い続けてほしい。カオスシリーズならありそう。
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