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【世界考察20】数学ってなんの役に立つんすか?

数学ってなんの役に立つんすか?

究極的に雑な質問の好例である。

まず役に立つとは何なのか。どうやったら役に立ったことになるのか。そして「誰に」とって役に立つと聞いているのか。何もかもが不明瞭な質問である。その全てを汲み取って答えよという無茶振りだ。非常に雑である。

数学って僕に役に立つんすか?

こうなるとまだマシだが、足りないものは多い。まず役に立つが相変わらず不明瞭であるし、「いつ」役に立つのか明確ではない。今なのか、1年後なのか、10年後なのか。

数学って今の僕に役に立つんすか?

ここまで来ると合格点に近いが、役に立つの定義の問題は残る。

数学って、今の僕に、楽しいとか金が稼げるとか、そういう精神的充足ないし現物的なメリットをもたらしてくれるんすか?

これはパーフェクトだ。そしてこのように聞いている時点で、精神的充足はないし、現物的なメリットもない。あったらこんな質問は出ないのだ。なので聞いてくる時点で答えは決まってる。

そんなもんないよ、と。

ない、という答えを聞いて彼は(彼女は)一体どうするのだろうか。やったー、じゃあ勉強しませんとなるのか。流石にそれはないと思うが、質問したところで何かが変わるわけでもない。相変わらず数学って何の役に立つんすか、と言いながらやるわけである。重ねていうが、聞く時点で、今の自分に精神的充足や現物的メリットがないとしても、この先の将来のためにやらなきゃいけないことはわかっているのだ。本当に必要性を感じていないなら、聞く前に速やかに辞める。人は本当に無駄だとわかっていることをひたすら続けるほどに強くはない。

つまり、数学って何の役に立つんすか? を最大限翻訳するとこうなる。

数学って今の自分に精神的充足も現物的メリットももたらさないけど、まあ将来のために、学歴とか何とかのためにやんなきゃいけないんでしょ? わかってますってそんなこと。でも流石につまんなすぎるから、数学って何の役に立つんすか? って聞いて、そんなもん役に立たないよとか言って、同情とか慰めが欲しいんすよ。先生がそう言ってくれれば少しは救われるんすよ。お願いしますよ。その辺忖度して答えてくださいよ。

何とも言えない乙女心である。ちなみに数学が役に立つのかどうかでいうと、大変の人にとって、直接的に役に立つことは少ないだろう。しかし、いわゆる頭の良い人間は数学的能力が高いことは多い。皆さん頭が良くなりたいのだろうか。だったら数学は必要である。頭が良いことが良いことなのかは知らない。



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