【表現評論】メモリーズオフ６ T-wave コアレビューその２２ りりすルート６ 【全作再プレイシリーズ】
●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。
⚫︎前回の記事
⚫︎普段通りの智紗
あんなことの後だけどいつも通りの智紗と一緒に投稿。奏雲祭を一緒に回りたいという智紗の提案を余裕で断ります。いやぁ。時間ないんじゃないかな〜と。そんなもんお前、好きな女だったら全てに差し置いて何よりも優先するでしょうよ。断り文句をもう少し捻ってくださいよ。このルートさぁ、ことごとく智紗の提案を却下しないといけないから心が痛いんだけど。良心がないんか。昨日のこと忘れたわけじゃないから、本気だからと言っていますが、箱崎さんがこの先生きのこるにはどうすればいいのか。
⚫︎暴力さえなければ
りりすは割といいヒロインなのではないか。可愛いし親友思いだし世話焼きだし料理うまいしエプロン似合うし歌上手いし。最後はどうでもいいけど。不可能ということを除けば完璧な作戦みたいな話。
⚫︎一緒にいるのはなぜ
過去の写真を見ている志雄君。よくよく考えたら俺がりりすの世話を焼いているわけじゃなくて逆なんじゃないのか。俺が世話を焼かれてるんじゃないのか。俺がりりすと一緒にいるのは、りりすに俺が必要だからじゃないんじゃないのか。俺にりりすが必要だからなんじゃないのか、と気付きます。おせーよ。志雄君以外みんな気づいてるんだよ。そこまで気づいたなら箱崎さんにまず言うことがあるんと違うんか。おーん。結局そこははぐらかすので堂々巡りです。それはダメだわ。このルートの志雄君はダメダメです。ダメダメ妹よりも全然ダメダメ。そもそもダメダメ妹は全然ダメダメじゃないし。
⚫︎粘る箱崎智紗さん
なぜかフルネームで呼びたくなる人。土俵際で脅威の粘りを見せてくる。もう土俵の外に落ちてる気もしますが。
「あのね、さっき学園祭のスケジュールを確認してみたら、後夜祭以外の部分だと後夜祭担当の実行委員はけっこう時間とれるみたいなの」
「だから、塚本君と一緒に奏雲祭を回れる時間もあるかなぁって……」
一生懸命確認して伝えたんだろうなぁ。なんとか一緒に回れないものかと。でもさぁ。忙しくて断ってるわけじゃないんだよね。その人。行きたくないから断ってんのよ。可哀想な智紗ちゃん。ダメ男を好きになったおかげでこんなことに。
俺に出来るのは……笑顔で嘘を突き通すことだけだ。
「あ……ごめん、箱崎さん。俺、実行委員じゃなくて生徒会の方の仕事もあるから……多分、そんなに時間がとれないんじゃないかと思う」
この一言で僕の中の志雄君の評価はストップ安になっています。ナイアガラフォール。笑顔で嘘を突き通すじゃないんだわ。早く断ってくださいよ。突き通すなら時間取りなさいよ。嘘突き通して夢見させて最後に断るくらいの男気は見せてほしい。ここまで男気のない主人公いたかな。巴ルートの健ちゃんに匹敵するくらい男を下げている。サブヒロインのルートがなかなかいい主人公だったので落差が凄い。
⚫︎誰のために、何のために
帰り際にりりすと会った時の一幕。
「それよりあんた、智紗はどうしたのよ？」
「箱崎さんとは時間が合わなかったから、先に帰ってもらった」
嘘をつくなら突き通す。
少なくとも、傷つくのは俺だけでいい。
全く意味がわからない。誰のための、何のための嘘なんですかね。これは。智紗なんか、絶対志雄先生が一緒に回りたくねえから嘘ついてるって気づいてるだろうし、傷つきまくってるでしょ。まだ終わってないからとか、悲しいセリフを言わされて、明らかに見込みがなさそうなのでキスまでさせられ（させられてはない）、もう箱崎さんのライフはゼロよ。心もボロボロだよ。橘さんよりボロボロ。家帰ったら毎日枕を濡らしてますよ。親御さんも心配してるわ。
りりすも薄々志雄君が智紗に興味ないってわかってるでしょ。何ならこいつ私の方に寄ってきてんな、くらいは気づいてるでしょ。だから突き放そうとしてるんだろうし。バレバレの嘘でカッコ悪い様を晒す志雄君。傷つくのは俺だけでいいじゃないんだよなぁ。嘘で全員が不幸になっていく構図。
一緒に帰るか、とりりすを誘うと、行くところがあると拒否するりりす。それに対して、聖人（亨）が聖なる行動に出ます。
「りりすちゃん、もう今から家に帰るって言ってたろ」
略
「じゃあ一緒に帰りなよ。家も同じ方向なんだから、わざわざ別々に帰る必要なんてないだろ」
略
「俺はちょっと寄るところがあるから、じゃーな！」
見てるか志雄。これが真の男の言葉だぞ。りりすが本気で好きなのかはよくわからんけど、仲がいい二人に対して最大限配慮した行動です。やっぱり亨なんだよなぁ。亨だけは信じられる。こいつは俺を裏切らない。やっぱり自己犠牲が漢の姿だよ。唯笑といのりは漢ってことですね。
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