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【表現評論】メモリーズオフ6 T-wave  コアレビューその8 結乃ルート5(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎ちょっと人が変わった智紗

別れて遠慮がなくなったのか、結構ズバズバとものを言ってくる。別れたというか付き合ってたことに入るんのか。あれは。このまま志雄君が誰とも付き合わないまま大人になって、お前誰かと付き合ったことあんの? と聞かれた場合、これをカウントしていいのか。しょうがないからカウントしていいことにするか。

⚫︎脚本の最後

が書けないと悩む結乃に、志雄君が昔話を語っています。志雄君に悲しき過去。病弱だった母親がくれたのが鉱石ラジオのキットだったらしい。母親は小学生の頃に亡くなったとか。そこでラジオから離れてしまったけど、カナタのラジオでまた復帰したようです。なぜカナタのラジオだったのか。昔話は結構あっさり風味です。暗い過去はそこまで突っ込まないのがT-waveの作風ですね。結乃の脚本でラジオの素晴らしさを伝えられたら、この鉱石ラジオの想い出も幸せなものに変わるから、とにかく頑張れという激励。そして結乃の心の電波もこのラジオなら受信してくれるなどと内心で供述しています。やっぱり近くで意中の女がナンパされてたら気づかないとね。

⚫︎結乃に悲しき過去

秋津神奈という親友のおかげで、引っ込み思案でテレビっ子だった私は変われたんです、という話から始まる。この手の映像すらないキャラで明確に個人名を出すのは珍しくないでしょうか。最初から後々出す算段だったのかもしれないけど。ファンディスクにいたよね。しかしこのコアレビューは本編以外扱わないのでスルーします。

結乃と神奈はかんなの自宅で発見した鉱石ラジオを組み立てたようで、それでいつも聴いているとカナタのラジオを聞こうと、FM受信できるように改造していたとか。ラジオが完成したらお互いの気持ちをラジオに投稿しようと約束していたほどのズッ友だったようですが、些細なことで喧嘩して、神奈は転校したので、その後連絡が取れていないという悲しき過去でした。あとゲルマちゃんは実は二代目で、初代は神奈だったようです。

それにしても些細なことって何よ。冷蔵庫のプリンを勝手に食ったのか。連絡取らないくらいの喧嘩なのに些細なきっかけなのか。いずれにせよ、結乃が書いている脚本は自分の体験を書いていたって話ですね。そりゃ現実がハッピーエンドになってないんだから、ハッピーエンドは書けませんよね、という。ハッピーエンド書けない話が美海から連チャンで来ている。比較的メモリーズオフにしてはライトに悲しき過去かもしれない。さすがに前作が重すぎたか。夫と死別、記憶をなくす病、人間関係崩壊、DV親父、毒親など、あまりにも悲しき過去が多かった、

⚫︎鉱石ラジオでFMを聴く

方法を志雄君がネットで募っていると、無理無理というレスばっかりの中、一件だけ改造に成功したことがあると連絡が来ます。こんなんもう神奈さんですやん。絶対。

⚫︎完成したラジオ

文化祭の準備を終え、実行委員の教室でラジオを聞く二人。志雄君は昨日今日で完成させたFMラジオを受信できる鉱石ラジオを披露します。そんなに短期間で作れるのか。二人の喧嘩の理由は、FMを受信できる鉱石ラジオが完成しなかったというか、失敗したからだったらしい。

カナタのラジオを聞くと、いきなりゲルマちゃんの投稿から始まります。当然結乃の投稿じゃないよね。神奈ですよ。親友が文化祭の脚本を書いているので、見に行きたいという内容でした。伝えたいことはたくさんあるけど、今はそれだけと。

神奈は転校してからラジオ制作を続けていたらしく、その後きちんと成功品を作っていたようです。こやつもできる女やな。できる女に引っ張られて結乃も出来る女になったのか。

カナタは投稿を読む前に、久しぶりの人からの投稿だと前置きしています。なんで今のゲルマちゃんと前のゲルマちゃんが変わってたことは察していたと。勘だけは鋭そうだからね。

親友の思いを受け取った結乃は脚本を完成させますと意気込んでクラスに戻っていきました。こんな爽やかな話あっていいんか。メモリーズオフやぞ。メモリーズオフ大先生の作風とは全然違うだろ。

⚫︎文化祭当日

脚本は無事完成し、劇も万雷の拍手で幕を閉じました。だからさ〜結末をキンクグリムゾンしないでくださいよ。どんな結末になったのか全然わからんじゃないですか。それとも後からやってくれるのか。現実と同じ結末にしたのか。

で、最優秀演目は結乃のクラスが受賞し、結乃に生徒会役員として志雄君が賞状を渡します。で、結乃が戻ろうとしたその直後のセリフ。

「俺は! 春日結乃のことが好きだーー!!」

メモリーズオフ6 T-wave

は? あまりにいきなりすぎて全員ぽかーんです。ほたるの告白とか、雅師匠の卒業式ジャックとか、そんなチャチなもんじゃねえ。もっと脈絡のない、唐突な何かを味わったぜ。聞き及んでいた浜咲の伝説を念頭に置いた告白だったらしい。澄空の伝説。その後出て来た記憶ないけど当たり前か。正史はクロエパイセンなんだから。

志雄君頭おかしなったんか、と思ったけど、実際はきちんとした意図のある告白でした。ここにいるはずなのにまだ出てこれない神奈に、最後の勇気を振り絞ってもらうための告白だったらしい。俺もこのくらいやったんだから、お前も出てこいよと。で、実際出てきます。立ち絵あったんかい。全然覚えてなかった。

秋津神奈さん(右)

出てきた神奈と結乃はきちんと仲直りして無事ハッピーエンドです。周りからすると唐突な展開かもしれませんが、劇を見ていた人なら察するよね。なんとも粋な演出です。やるやん。志雄君。

あとは後夜祭で無事一緒にダンスってキスして終わりでした。

⚫︎結乃ルートまとめ

いやぁ。爽やかな青春物語って感じでしたね。メモリーズオフらしからぬストーリーというか、あまりに悲しき過去もないし、修羅場もないし、血で血を洗うひまわり組の皿洗いもないし、泥沼の三角関係もないし。ただヒロインの問題を主人公がきちんと解消して結ばれるっていうのは、やっぱりメモリーズオフって感じです。しかも問題は全方面にしこりがないように、綺麗に解決されている。だいたいメモリーズオフはあちらを立てればこちらがたたずの、二律背反の問題が多いですからね。結乃ルートに関しては全てが綺麗に終わりました。こんなに綺麗に終わる話があったのか。志雄君もなかなかの男気を見せていたので、言うことはないですね。

今回のMemories Off(BGM)もいい感じでした。安心と信頼と伝統のED曲。

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