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【表現評論】メモリーズオフ ゆびきりの記憶  コアレビューその47 霞ルート3【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎回想

今回から霞ルート。過去の回想からです。回想では父親が直樹と仲良くするように言ってます。なにしろ芹澤家の跡取りだからね。父親の目論見としては直樹に取り入って結婚させて一族安泰みたいな算段だったんでしょう。これあれじゃん。雅師匠を藤原本家の跡取りと結婚させようとした藤原家のババア(通称上級ババア)と同じじゃん。南雲家は芹澤家に縁はありそうだけど、上級な感じが全くない。しかも上級ババアは成功してるけど、アホ親父は失敗しているし。まるでダメ男。いや、直樹は霞が好きだったから一応成功はしてるのか。ただ直樹が死んでしまったのが誤算なだけで。実は有能説あるな。

霞は仲良くしろと言われてもどうすりゃええねんと思い、なぜかあらゆることで直樹に勝負を仕掛けたようです。でも直樹は弱すぎておもんなと。直樹が弱すぎて横にいるちなつまですぐ泣くし、もうどうせえと。

ちなつを泣かせるやつはぶっ飛ばしてやると今度は大輔が現れます。直樹の子分なんて雑魚しかおらんやろと思ったけど、全然敵わなかったと。

「もう、よわいものいじめはやめろよ」
「いじめてない! ……なかよくなろうとしただけ」
「なぁんだ。だったら、そういえばいいのに」

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

散々ボコられた挙句こんなことを言われています。霞とかいう悲しきモンスター。戦う以外に人と交わる方法を知らないあたり、完全に悲しきモンスターです。悲しい。

そしていつしか、私も大輔たちの輪の中に入っていた。
大輔はいざとなったらやってくれる、目を見張る存在だった。
私のように率先しては動かないけれど、困った時や何かあったときは自然と前に立っていた。
大輔はライバルであり、憧れであり、そして……一緒にいたいと初めて思った男の子だった。

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

大輔君に惚れちゃったエピソードが語られます。勝ち気な霞らしいエピソード。しかし大輔のおかげでバカ親父の目論見が全てパァになりました。どうしてくれんの一体。このまま行けば霞と直樹が結婚して全て丸く収まったというのに。霞の気持ち以外は。それが一番重要だよ。ちなつは霞から見ても守りたくなる可愛い女の子で、一方の直樹は、ちなつと一緒にいる男くらいの印象しかなかったらしい。かわいそう。直樹はなぜ霞が気に入ったのだろうか。見た目か。見た目か。見た目か。この三択だと見た目だな。

⚫︎ゆうきのいし

霞と大輔が勇気の石を取ってきてタイムカプセルに埋めようとしたシーンも出てきます。この辺は詳しくやっていきたい。

「なおきはいちばんたいせつなものをうめること!」
「わたしとだいすけはゆうきのいし!」
自慢げに勇気の石を見せる私を見て、直樹は悲しそうな顔をした。
「なによ、そのかお! ゆうきがないなおきがわるいんじゃない」
「もんくがあるなら、ゆうきのいしをもってきて」
直樹にきつい事を言うのは良くあった。この時は、とくにそうだったかもしれない。
きっと、自分と大輔は特別なのだという、自負の気持ちがあったのだろう。

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

直樹は気が弱くてビビリ君だったようですが、キッズの頃なんてちょっと生まれが遅いだけでもこうなりがちですからね。直樹君は成長する前に死んでしまったからな。同い年くらいになったら跡取りの自覚も芽生えて、大輔よりも素晴らしい男になっていたのかもしれない。ならなかったかもしれない。歴史にifはない。結局ちなつが許嫁だから直樹君の想いは叶わないのだろうが。直樹のために側室制度を作るか。直樹君の親父も祖父も愛人くらいいるだろ。多分。

直樹は肩を落として、とぼとぼと立ち去ろうとする。
そこに大輔が声をかけた。
「まって。ぼくがかわりにとってくるよ」
大輔は優しいから、そう言うと思っていた。
「ダメよ。それじゃゆうきのしょうめいにならない!」
「しゅっせばらいで」
「そんなのぜったいだめ!」
「いい? そんなまねしたらぜっこうだから!」
私は大輔にきっぱりと言い切った。
…………。
勇気がない直樹は嫌いだった。
仲良くしろと言われても、我慢できなかった。
ううん。もうその時には、直樹の事なんてほとんど目に入っていなかった。

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

大輔の面倒見の良さが垣間見えるシーンですね。っぱ大輔なんだよなぁ〜。よわいものいじめはやめろと言ったのに、全く直っていない霞さん。キッズだからね。キッズの精神100までです。直樹のことは嫌いとまで言ってます。そらね。すでに人間が完成されてそうな大輔君と比べたら酷ですよ。直樹はこれからだったんだよ。大輔がジェイガンとしたら直樹はマルスだったんだよ。ジェイガンは言い過ぎか。マルスもそんなに強くないという。成長する前に死んでしまってもう何も取り戻せない。直樹君が可哀想すぎる。

⚫︎直樹の死

勇気の石を取りに行って転落死した直樹君。霞は自分のせいで直樹が死んでしまったと自分を責め立てます。でも誰にも言えなかったと。大人たちは犯人探しに躍起になっていたと。

そんな私の味方は大輔だけだった。
「ぼくにまかせろ!」
「カスミがこまってるときは、ぼくがたすける!」
大輔は泣いている私の小指に自分の小指を絡ませ、ゆびきりしてくれた。
大輔が約束してくれて、私は直樹が死んでから初めて安堵の息を吐いたと思う。

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

回想で大輔が霞の名前を呼ぶシーン初めて出てきた気がする。ちなつのルートでこまっているときは助ける約束をした、みたいな話が出てきましたが、これのことを言ってるんですかね。ということは、このゲームは霞ルートからプレイすることが推奨されてるのか。当たり前と言えば当たり前ですが。でも真ヒロインは霞なんだよね。T-waveはどっちが先でも問題なさそうだったけど。

⚫︎罪を被る大輔

大輔は大人達に、自分が代わりに取ってくるのを断ったから、直樹は自分で取りに行ったと嘘をつき、罪を被ったようです。それでボロクソ言われまくって大輔は弱っていったと。霞は怖くて本当のことを言い出せず、真実を知ったクソ親父は大輔に罪をなすりつけバレないうちに引っ越すという行動に出ます。結果として霞は大輔を置き去りにして行ったことに。

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