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【表現評論】メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム コアレビューその10 瑞穂ルート(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎雨宮瑞穂

全く何も覚えてない人。バイト先の店長。雄介と春人が影響を受けたミッキー監督の奥さんだったような気はするけど、24歳は若すぎないか。ミッキーいくつだよ。それでもメモリーズオフのヒロインとしては最年長か。あとグッドエンドだろうがバッドエンドだろうが、腑に落ちない結末だったことは覚えています。

⚫︎店の説明が長い

こんなにバイトの説明の描写いるか? ひたすら日常描写で文字数を稼ぐノベルゲーのような印象を受ける。メモリーズオフってあんまり不要な描写はしないので、こんなに長々とバイトの手順の説明をすることにかなり違和感がありますね。2ndのルサックのバイトでも手順なんて説明しなかったでしょ。ならずやは最初から働いてたから手順もなんもなかったけど。

⚫︎立ち絵がふつくしい

立ち絵の出来が一番いい。声もいい。BGMもいい。シナリオ? うーん。

⚫︎看板娘

ファンがいっぱい付いてめんどくせえから、なるべく厨房に立つというあすか。なんという贅沢な悩み。こういうの実際あるんですかね。女というだけで声をかけまくるいそうだからな。多分あるんだろう。でも瑞穂がレジにいたら同じことでは。まあいくら見た目が良くても声はかけにくそうな雰囲気か。

⚫︎マジでバイトしてるだけのルート

ひたすら肉を焼く。無心。なんかこのルート全員性格おかしくないですかね。あすかは普段の3倍は生意気だし、春人もいつもより性格悪いし(普段から悪い)、店長はナチュラルに変わり者だし、行動もなんか変だし。しかもずっとあすかと話してるんだけど、誰のルートなんだよ。むぁじで。

⚫︎突然現れる麻尋

結局このルートでは雄介の映画を作ることは断ります。雄介の道じゃなくて、自分の道を歩きたいんだと。なんだかな。そこ諦めたら全部終わりなのでは。親友の夢を引き継ぐのが物語の根幹にある訳でしょ。諦めるルートがあること自体が不自然というか、ダメなのでは。幹がポキっと折れちゃったのと同じじゃんね。

⚫︎あまりにも使えない男

バイト先で無能を晒す春人君。使えないだけならまだしもあすかにひたすら口答えした挙句、冷凍庫に閉じ込められるという失態を晒す。流石にここまで無能なキャラじゃないでしょ。なんか別のゲームやってる気分です。

瑞穂に冷凍庫から救出されてしばらく毛布にくるまってますけど、なぜハンバーガーショップに毛布があるんだ。そもそも毛布以前に救急車だろ。どうなっとるんやここのコンプライランスは。当時コンプライアンスなんて言葉はなかっただろうけど。しかも寒いだろうから、という理由で店長も一緒に毛布に入ってくるという。何を考えているのか意味が不明。シナリオの意図もまるで不明。キャラの人格も謎。

ひたすらバイトトレーニングの描写で時間が過ぎていく。一体俺は何を見せられてるんだ。これはハンバーガーショップの研修用ノベルゲームなのか。

⚫︎突然飲みに誘われる

飲みに誘われるメモリーズオフ唯一無二のルート。主人公もヒロインも成人の作品ってあんまりないですよね。大学生でもショーゴ君は未成年ウイルスにかかってるし、#5と星天だけかな。星天は酒飲んでる描写はあった気がするけど、店に飲みに行く描写はなかった気がする。

⚫︎朝チュン

隣には裸の瑞穂。おまけに部屋も隣。お隣さんが店長で、今まで気づかなかったとかあり得るのか。向こうだけ気づいてたのか。どうせ一線は超えてないんだろ。この手の話は相場が決まってるので。

⚫︎会話の意味がわからない

全般的に想君の電波会話に近いものがある。意味はわかるとしても必要性を感じない会話が多い。おまけに不自然な会話も多い。香月ルートもあすかルートもそんなんなかった気はしますけども。おまけにあすかの性格がだいぶおかしい。あすかちゃんはそんなこと言わない! って感じのセリフのオンパレード。

⚫︎立ち絵の種類が多い人

胸が出てる服と、バイトのユニフォームと、部屋着の三種類。香月なんか二種類じゃなかったっけ。

⚫︎すでに付き合っってる雰囲気に

やっぱ大人だから〜、いちいち告白とかしないわけ。なんとなく付き合ってる雰囲気になって、一発かましてから付き合ってることになり、さらにいちゃつき出すのが大人の恋愛ってわけよ。

いやいや、メモリーズオフにそんなもん求めてないんですわ。どこで好きになったんだよ。むぁじで。好きじゃなくて付き合えまっせ、というメッセージなのか。飲みに誘った時点で気はあるんだろうが、そこまで別になんもなかったですからね。一目惚れか。それとも元から春人知ってるんだったか。

⚫︎キャラはいいんだけどさ

不思議ちゃんな年上キャラということで、年上キャラとしては一番好きまであるかもしれないけど、シナリオは全く付いていけない。連続性がないというか、シーン適当に入れ替えても成り立つんじゃないかって感じに見える。

⚫︎さよならあすか

お前に気は無いんだ、という感じで別れを告げます。いや、付き合ってないんだけど。こんだけ好意があからさまで1年くらい経ってから振るというのもだいぶ鬼やね。途中で好意を無碍にしてたらまた塞ぎ込んでいた時期に逆戻りするかもしれないので、弁解の余地はあるけど。

⚫︎イグアナの耕作さん

旦那の名前のイグアナを買う女。匂わせ。

⚫︎悪魔の監督三木耕作

登山者が遭難するとわかってて作った映画があるらしい。悪魔の監督。

⚫︎焦らしまくる瑞穂さん

駆け引き大好きらしい。一緒に寝まくってるのに好意を明示しない女。こんなん若い男からしたら頭おかしくなりますよ。

⚫︎目玉焼きに醬油派かソース派

瑞穂さんは醤油派。春人はソース派。新婚生活みたいなことをやってる二人。こんな些細な違いでも結婚生活は破綻するという暗示か。

⚫︎雨宮耕作

二人で部屋にいるとあすかが急に乱入してきて、ハル先輩は騙されてるんです! この人結婚してるんですよ! と喚き出します。な、なんだって〜!? 夫は三木耕作ならぬ雨宮耕作です。なので未亡人ですね。知ってた。

春人君に近づいたもの、夫に似てるからだったらしい。ふざけんなよまぁじで。俺は代用品だったのかよ。いたけな若者を弄びやがって。激おこですわ。でも良く考えたらあんまり年齢変わらんな。三木監督いつ知り合ったんんだよ。ワンチャン非合法じゃ無いのか。

⚫︎代わりじゃない

今はもう代わりじゃ無い。本当に愛してますということで、付き合うことになりました。でもさ〜、寝言で耕作さんって言ってるんだよね。嘘つき! ってことで春人君もいい加減ブチ切れです。しょっちゅうキレてるけど。

⚫︎夫が死んだ顛末

あすかがやってきて、知り合いから聞いた事故の顛末を語ります。砂漠で事故って口喧嘩になって、口も効かなくなって、最後に君の分の水だって渡されたものを飲んでたら、実は水はその一本しかなくて、夫は死んだと。あすかも喧嘩別れてした直後に雄介が死んだので、瑞穂の気持ちがよくわかると。だから助けてやって欲しいと言ってきます。いきなり元のあすかみたいなったな。途中アホキャラ化してたのに。

⚫︎ヒロイン死亡の結末

仲直りのために最初に飲みに行ったバーに誘うと、待ち合わせの時間になっても来ませんでしたと。遠くでサイレンが聞こえたのでそちらの方に行ってみると、瑞穂が交通事故で死んだことがわかります。

⚫︎エピローグ

信が瑞穂から預かっていた手紙がエピローグで開示されます。春人にあえて本当に良かったこと。夫が死んで、他人に自分の気持ちを伝えることができなくなったこと。罪滅ぼしのために、無心で働くしかないと思っていたこと。心から愛していること。等々。恋愛的な質問をすぐはぐらかすのも、駆け引きやってるように見えたのも、夫が死んだトラウマが原因だったんですね。それならまあ納得か。酷いことを言って、謝れないまま死別してしまったことを後悔しながら物語は終わります。なかなか後味が悪い。

⚫︎瑞穂ルートまとめ

うーん。これはちょっと微妙ですね。と言おうと思ったんですが、途中のよくわからんバイト苦行や、電波会話を除けば、それなりに見どころのある物語でした。後半に行くに連れて良さが加速していくシナリオです。なんとなく新婚生活気分も味わえるし。優しくしてもらえるし。最後の最後で不思議な態度をとっていた理由も明かされるし。恋愛的に翻弄されるという意味で、メモリーズオフのどのヒロインとも違った、特別な感じを味わうことができるキャラクターでもあります。明確に死別して終わるという意味でも特別か。記憶よりは良いヒロインだったかもしれない。あすかも結構活躍するルートでしたね。あと肌色CGが一番多いキャラクターでした。肌色キング。

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