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【表現評論】メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム コアレビューその9 香月ルート3(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎アホ作戦で自爆した後

落ち込んで映画撮影でもミス連発の香月先生です。なんであんなアホな作戦を立ててしまったのか。もう一回詳しく説明してもらいたい。

⚫︎デートする主人公と香月

落ち込んでるのでなんとかしろと木瀬師匠と麻尋に問い詰められて、香月を映画に誘う主人公。お前ら修司さんの気持ちを考えろ。浮かれとる場合とちゃうぞ。なんなんこのゲームの尾津修司さんの扱いは。せっかく出したキャラなのに、少なくともあすかルートと香月ルートでは全然活かされてない。力丸真紅郎さんより酷いまである。

珍しくちょっと女らしい格好をしてきて照れ隠しにキレ散らかす香月先生。いっつもキレてんなこいつ。映画をみた後、カフェに向かう二人。高校の頃の記憶を頼りに向かったカフェですが、テンチョーのカフェなので当然閉まってます。充電中の掛札。他に借りる人おらんのかこのテナントは。

#5は過去キャラが出てこないので、春人が誰と同じ世代なのかよくわからない。1st〜想君は全部同い年、一蹴君はそれより二つ下。テンチョーのカフェが閉まっているということは、想君よりは後の話のはず。で、信は春人(大学2年生)より年上っぽいから、想君から2年以上は経ってるのか。こんなもん調べればすぐわかるんでしょうが、一応コアレビューは作品内の情報から考えるという縛りになっているので、整理してみます。少なくとも今までの過程によると信は21歳以上のはずです。なので大学3年生に相当すると考えると

21歳世代 智也 信 健ちゃん ショーゴ
20歳世代 春人
19歳世代 一蹴君

こんな感じでしょうか。ということは、#5のストーリーはそれからの直後くらいなんですかね。まあ信の年齢が明示されないと判明しないわけですが。信の年齢が仮に22歳だったら、春人以外は全部一個上がるわけで。

閑話休題。雨にぬれて服が透けたり、お腹が空きすぎて腹の虫を鳴らしたり、パスタ作るのに1時間かかったりとと、ポンコツ具合を披露しまくる香月先生です。一体何ならできるんですかねというレベルのポンコツ具合。完璧超人と見せかけてあすかを超えるポンコツ具合です。ギャップで魅せてくる。実は人間関係の調整と金の管理に特化した人間なのかもしれない。二人でいい雰囲気出しやがって。俺は修司パイセンのことは忘れてないぞ。

昔の写真を見て思い出に浸る二人。

「雄介は映画に対して誰よりも真摯で、バカだけど優しくてーー尊敬できるヤツだったよな」

メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム

高校に入った時いきなり声をかけてきて、待ち伏せして映画作りに勧誘したという雄介に対する、香月の人物評。修司の雄介に対する人物評も聞いてみたい。今の所、ユウはハルのことは頼りにしてたけど、僕に相談を持ちかけたことはなかったとしか言ってないです。修司は雄介の意思よりも、あすかの方が優先しているので、雄介↔︎修司はお互いにそこまで思い入れがないのかもしれない。少なくとも春人と同じような思い入れはないですね。当たり前だけど。付き合いの長さが違いすぎるし。ここまでの情報だと過去の描写が少なすぎるけど、この先も過去の描写がそこまでふんだんに入れ込まれていた記憶はない。

⚫︎そんなことでキレるのか

そろそろ麻尋がなぜこの映画を撮りたいと思ってるのか知りたいと尋ねる香月。信頼関係も築けたと思ったからの質問ですが、なぜかブチ切れモードです。言いたくねえんだよ! 信頼してるから話したくないことでも話せって、踏み絵かよ! と激オコマックスになり、そんなんいうなら主演降りるわ! と言って逃亡しました。それをみてショックを受けた香月も逃亡。木瀬師匠も誰もおらんなら映画終わりっすね〜と言って逃亡。何この展開。あすかルートの展開といい、香月ルートの展開といい、無理やりすぎないか。どこにキレる要素があんのよ。ゲームを終わらせるために無理やりイベントを突っ込んだ感が否めない。メモリーズオフってこういう無理矢理さはあんまり感じない作品でしたけどね。全体的にボリュームが少なくてこうなっているのだろうか。

⚫︎香月に悲しき過去

中学生の時に仲の良かった男2女2グループがありましたと。香月じゃない方の女が男の一人を好きになりましたと。でもその男は香月に告白してきましたと。香月はそれを断ってもう一人の女を勧めましたと。女は怒って香月と絶交しましたと。悲しき過去、か? そんな怒らんといてや。なんでこのゲームの登場人物はそんなにプライドが高いんですかね。すーぐキレる。女は香月が自分を信頼していなかったのが気に食わなかったとか。香月の方も信頼していなかった自覚があったらしいけど、う〜ん。なんだかな〜。

⚫︎映画か香月か

私はCUM研を抜けるから、みんなで映画を撮ってくれということで、映画か香月の二択に追いやられた主人公。一晩考えて、いや、映画よりまず香月だろという結論に至ります。何十万人を感動させる? いやいや。それより目の前の惚れた女ひとりの方が重要ですわと。桜ルートの士郎のような結論です。

⚫︎桃園の誓い

香月をCUM研に戻そうと、高校の頃に桜の下で友情を誓い合ったという話を思い出し、もう一回それを再現しようとする主人公。桜は散ってしまってるので、夜に薄紅色の電飾を灯してなんとか桜に見せかけるという荒技に打って出ます。そこで男気告白。私なんかで良いのか、とひたすら自分の欠点を上げ続ける香月を一つ一つ論破し、最後にはお前が好きな証拠を見せてやると言い、なんだかんででキスして終わりました。ええやん。やっぱエンディングはこのくらい派手にやらないと。あすかルートがあっさりすぎて驚いたけど、こっちは満足できる終わり方でした。過程が腑に落ちないけど。

⚫︎エピローグ

麻尋以外は無事戻ってきて、別の映画を撮るシーンで物語は終わりました。これが一番いい終わり方なんじゃないかな。雄介の映画? そんなもん置いといてよ。それを撮ったら全員不幸になる気がしてならない。不幸の映画。

⚫︎香月ルートまとめ

友達関係だった二人が恋愛関係に発展するという、まあよくありそうな? お話なわけですが、メモリーズオフでは非常に珍しい話です。これに近いのは陽詩ルートかな。こんだけヒロインがいて近そうな人は一人しかいないという。詩名は後輩なのであんまり近くはない。

主人公の一番の理解者で、常にそばで支えてくれる存在で、気心知れた仲間であるという、真ヒロインに相応しい格を持っている人ですが、扱いとしてはあすかと同じくらいです。意外と扱いは良いですけど、メインとは呼べないレベル。陽詩なんかもそうでしたね。やはり#5の真打は麻尋。麻尋以外はほとんどおまけなのかも知れない。

物語の内容は、ちょっと物足りなかったです。それからは一回落として上げてさらに突き落として盛大に打ち上げる、という構成だったんですが、どうも#5は一回落として上げたら終わりって感じですね。あれ? もう終わりですか? みたいな。それからの後にやったせいで勝手にハードルが上がっている感じは否めない。あと展開も割と唐突です。いきなり麻尋がキレ出したり。まあ何かにつけて急にキレる人なんだけど。もう少し練って欲しい感じはあった。

キャラとしてはめちゃくちゃ好きなんですが、シナリオは真ん中くらいかな。可もなく不可もなく。友達に欲しい人、部下にも欲しい人、恋人にも欲しい人の三冠王を獲得した香月さん、という結論で締めたいと思います。

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