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目玉焼を作りながらブランディングを考えた。

バーミキュラのフライパンを買いました。

バーミキュラの体験施設「バーミキュラビレッジ」を昨年取材してブランドのファンになり、ずっと欲しいと思っていました。

塗装がはげたら塗りなおせたり、木製の持ち手が傷んできたら交換できたりもする。見た目もいいし、長く使えるのもいい。もちろん、おいしく作ることができるのが一番いい。

今朝も目玉焼きが、美味しく焼けました。まわりがカリっと焦げていい感じ。鉄製のフライパンよりも扱いやすいのもいい。


バーミキュラは、ブランディングが大成功しているメーカーだと思います。うまくいっている理由の大前提は、商品のクオリティが高いこと。「世界一、素材本来のおいしさを引き出す」というコンセプトを掲げ、商品の研究開発に取り組んでいます。フライパンについては、鍋を初めて発売して以来、10年近く研究し続けたそうです。

研究開発と並行して、ブランディングを行っています。ポイントは経営陣が主体となって取り組んでいること。そんなの当たり前じゃないのって思いますが、意外とそうでもなかったりする。

デザイナーに丸投げしているとか、デザイナーからの提案に疑問を持ちながらも、取り入れてしまうという不幸なケースもあったりする。コミュニケーションのためのデザインなのに、企業とデザイン会社のコミュニケーションがうまくいっていないなんて、残念すぎる。

決済権のある経営陣とやりとりできなければ、ブランディングを引き受けない。そう断言しているデザイン事務所も少なくない。だけど、その経営陣がデザインの価値を理解していないと、結局うまくいかない。単なるトップダウンでは、長くブランディングを続けることは難しいと思います。

最近、継続して取材をしているアート思考やパーパスブランディングも、浸透させるために欠かせないのは経営陣の理解。

バーミキュラビレッジの取材では、副社長さんに話を聞いたのですが、デザインにとても関心が高く、デザインの価値を信じていた。ただ、やみくもに信じるのではなく、「まだまだ分からないことがある」とも語っていて、情報収集もされていた。

フライパンの開発も副社長さんの思いから始まっていました。「フライパン料理が苦手だった。おいしく作れるフライパンがあったら料理がもっと楽しくなるはず」と。

結局、それだなーと。

そんなことを考えながら、フライパンの上でだんだん焼けていく卵を眺める私。あきれるくらい仕事が好き。





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