過去10年間のデータから見る共通テスト「英語」の特徴
「共通テスト」英語の特徴
2022年の共通テストが終了しました。
数学の平均点が非常に低かったことが話題になっています。
共通テストの主要3教科の成績推移から、英語の特徴を見てみたいと思います。
上の表は、過去10年間のセンター試験・共通テストの成績推移です。
各教科の上の段は平均点です。
下の段は、各教科における10年間の平均点に対するその年の平均点の比率です。簡単に言うと3教科の間で難易度を比較しやすくするための指標で、この数字が高いほど例年と比べて難しく、低いほど易しいということになります。
英語は平均点が高い
まず、10年間の平均点を見てみましょう。
英語は他と比べて平均点が高いのがわかります。数学と比べるとその差は10点以上にもなります。
つまり、英語は得点源になりやすい教科と言えます。
主要3教科への配点比重が等しい大学であれば、合格点までの点数は英語が一番稼ぎやすいということです。
英語の難易度は年によって大きく変わらない
続いて、下の段を見てみましょう。
赤い数字は過去10年間で一番低かった平均点、緑の数字は一番高かった平均点です。
ここから分かるのは、英語が他の教科に比べ、年度間の難易度の差が小さいということです。
英語はどの年でも10年間の平均からの差は4%以内に収まっていますが、国語では最難の年と最易の年で27.2%、数学では33.1%とかなりのブレがあります。
英語は安定して高得点が狙える教科
さて、ここからどのようなことが言えるでしょうか。
一つは、英語は安定して実力通りの点が取りやすいということ、
もう一つは上位層の間で差が付きにくいということです。
国語や数学では、過去問で高得点が取れていたのに、その年の問題が難しい、あるいは苦手な分野に固まっていたという理由から、想定していた点数が取れなかったというケースがよく起こります。
一方、英語は年によって難易度の差が小さいので過去問等から想定していた得点が取りやすいです。
数学で8割取る想定だったのに、難しくて6割しか取れなかったら大打撃ですが、英語ではその心配が少ないということです。
難易度の差が小さいということは、大体同じ実力を持った人たち同士であれば、他の受験生と差がつけにくいとも言えます。
数学や国語なら、その年の平均点が低く、自分はいつも通り得点できていればそれだけ差をつけられます。
英語はそうではなく、得意な人が思うように得点できなかったということは少ないですし、英語が苦手だったけどその年の平均点が低かったおかげで周りと差がつかなかった、ということもあまりありません。
こうした特徴を考えると、安定した得点源として、英語はきちんと押さえておくべき教科だと言えます。
また、英語は数学などと比べ、早い時期から高いレベルに到達しやすいとされています。
小学生で微分積分を覚えるには才能が必要ですが、英語の日常会話は時間と環境さえあれば多くの小学生ができるようになります。
大学受験の際に英語を勉強しなくてもいいように、小学生のうちにある程度英語をできるようにさせておこうと考える教育熱心な親御さんも多くいらっしゃいます。
英語に限りませんが、「得意」を一つ作っておくことで自信につながり、勉強への嫌悪感を避ける効果もあると思っています。
心のお守りにもなる得意教科を早いうちから作っておくことをお勧めします。
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