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奇跡なんてないって話

今から僕は「結局頑張ればなんとかなるんだよ」っていう、どこにでもありふれた当たり前の話をしようと思います。
聞き飽きてますよね。ごめんなさい。

でもやっぱり僕、努力すればなんとでもなると思っちゃうんですよね。

例えばなんですけど、みなさんこれを見てどう思いますか。
これは僕の高3の時の模試の結果です。英語が3点ですね。偏差値26.9ですね。バカですね。
ここから僕は3年かけて東大に合格したわけですが、最近よく、
「奇跡じゃないか」
「なんでそんなことが可能だったのか」

と聞かれます。
その過程を、僕は何冊かの本にしているわけですが、しかしここ最近になって思うことは、
まあ、僕頑張ったもんなあ……」ということです。

僕には特技があります。東大の国数英社、どの過去問でも30年分であればその問題の出題された年を当てることができます。

例えばこの問題。みなさんもよくご存知だと思いますが、1996年出題東大世界史の第1問です。過去30年間で12回出題されているパクス=ブリタニカについて問うている王道の東大の問題で、1989年の第2問でもこの問題に纏わる戦間期のアフガニスタン情勢についての問題が出題されているほか、2008年第1問でも時期は異なりますがパクス=ブリタニカの推移について聞く問題が出題されています。2016年の河合塾の夏の東大オープンでもこの問題の改題が出題されています。世界史では10年〜15年周期で同様のテーマを聞くパターンが多く、この問題に限らず「鉄道や通信技術」「戦間期のアメリカの動き」「グレート・ゲーム」などの分野は過去50年間で第1問・第2問・第3問全ての出題が見られます。おそらく大学教授が教え子に同分野を教え、その教え子が作問者になるまでの周期が10〜15年なのでしょう。だからこの周期で同じような形で問題を出題しているものと思われます。今年あたりはもう一回パクスブリタニカが出題される可能性が2割くらいの確率であると思いますので、受験生は1996年の問題を一度解いておくことをオススメします。

この問題は超有名、東大生なら誰でも知ってる2010年出題東大英語第1問、第2段落のnot onlyとbut alsoのコンボがありますが、東大が得意な譲歩構文なのでnot only以下はブラフです。同様のパターンは近年だと2006年の出題でも見られます。2003年にも譲歩構文of courseが出題されていますが、これは河合塾の解答では答えになっていますが駿台の模範解答と赤本の解答では答えになっていません。これに関してZ会の英語教師は「東大の作門者はテクニックよりも内容を重視して第1問を解くことを求めるはずなので河合塾の解答が正解だろう」という旨のコメントを出しています。自分もこれに賛成、not onlyがブラフだとは思えない問題が1990年代に2問出題されているからです
おそらくブラフとブラフでない譲歩構文を適度に混ぜることで受験生を翻弄しようとしているのだと思います。今年あたりは譲歩だけど回答になるブラフに見せかけた本命が出ると思いますので、受験生の皆さんは気をつけてください。

この問題は2015年出題東大地理第1問B問題、気候と森林を問うオーソドックスな問題ですね。日本の森林の問題については2006年第3問B問題で問われているほか、焼畑農業の問題は過去50年で7回出題されています。その中でも一番この問題の問い方と近いのは1987年の第1問C問題問題3も焼畑についての設問。解答はどちらの問題でもほぼ同様になります。森林の問題は2019年度入試では出題されないかもしれませんが、2020年入試あたりでは周期的に出題される可能性が高いので、今高1〜2年の受験生は確認しておくといいと思います。

……とまあ、こんな感じで。
東大の出題する問題の傾向とか、東大の問題で正解になりやすい選択肢とか、点数を稼ぎやすいコツとか、そういうのを50年分研究しまくり、30年分は全科目ノートにまとめました。正直来年の東大入試で出題される問題のパターンとか正解になりやすい解答方法のノウハウとか、西岡全部持ってます。東大合格後にはほぼ陽の目を見ない技術ですが。

こうして、全科目、全問題形式に対応できる対応策を考え、全く答えがわからない問題でも正解になりそうな回答の作り方を身に付けました。
そしたら2浪の末に東大に合格しました。

もちろん普通の勉強も頑張りましたよ?読解力の上げ方とか数学のパターン暗記とか英語のパラグラフリーディングとか。
でもまあ、最後は根性で勝ちました。実は試験会場で2日間とも朝緊張で吐いてめちゃくちゃお腹痛くなったんですけど、「まあでもこんだけ東大の入試問題研究した奴いねえだろ」と開き直ったら合格できました。

みなさんにお聞きしたいんですけど、ドラゴン桜って『奇跡』の漫画だと思いますか?偏差値35が東大に受かるとか、魔法のような合格だと思ってませんか?
でもドラゴン桜って、「やっぱりでも初めはとにかく詰め込むんだ!」と柳先生が登場してぶっ倒れるまで勉強合宿するところからはじまってるじゃないですか。奇跡なんてどこにあるんですか?地道に地道に、地味な努力で前に進んだからこそ、あの二人は東大を受験できたんですよね。

平凡な結論すぎて本当に申し訳ないんですけど、結局頑張ればなんとかなるんですよね。逆に言えば奇跡なんて起こらないし、一歩一歩前に進むしか方法はない。狡いテクニックだろうがなんだろうが、全部全部使って努力して努力すれば合格できます。絶対に合格できます。精神論ではありません、ただの事実です。

ここから合格した、というのは奇跡だと言われます。そう見えるのもよくわかりますし、正直西岡の地頭が良かったんだろ、と言われても合格してしまった以上反論できません。
でも、僕は勝手に思ってしまうんですよね。

でも、頑張ればなんとかなるんだよ?と。


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