見出し画像

結局は 殴り合い ど突き合い

僕は昔、空手をやってました。
(久しく遠ざかっていますが)

そこでは、ビジネスにも通ずるようなことをいろいろ学んだ気がするのですが、中でも「相手と対峙した時の息の読み合い」が、なんとも緊張感があってたまりません。

昼間どんなにストレスを抱えていても、「相手と対峙している」その瞬間だけは全精神を目の前の相手に集中していないとやられてしまうわけで。

空手に限らず、サッカーとかバスケとか競技なんでもそうですけど、「相手が出てきた瞬間」というのは誰でも怖いものですよね。

どんなやつが出てきたのかわからない、相手の力が読めない、そこからくる恐怖。
・・・でもそれは最初だけ。
いざ試合やってると、なんだ相手もビビってるなとか、意外と疲れてるな、とかに気づく。

ビジネスでも、競合が鳴り物入りで出てきた時はやはりビビります。
・・・でもそれは最初だけ。
じっくり落ち着いて観察すれば、案外大したことなかったり、ここができてないなとか、相手の弱点が見つかります。

競技全般に言えることですが、練習のうまさと実戦の強さって全く違うなと思います。

技術を練習するとか、戦略を練るとかは、試合の準備として当然にやるべきものですが、いざ本番に臨めば実際には技術や戦略は3割くらいで、あとは結局ただの殴り合い・ド突き合い、最後まで立っていたほうが勝ち、という世界線です。

小学生のサッカーを見てると、ふだんいくらドリブル、パスを練習をしていても、
試合でやってることの7割は結局、集団の中で当たり負けずにボールを掻き出す作業の連続です。
シュート練習なんて、組み立てがうまく行ったほんのわずかの場合のための備えです。

練習でやったことなんて、わずかどころか全くゼロしか出せない時もあるのが実戦というもの。
ビジネスも同じで、ピカピカの企業理念やガチガチのマーケ戦略は机上の話。
市場の現場に出たらやることは立技あり寝技ありの揉み合いで、最後まで立ってる奴が勝ちの無差別級異種総合格闘技です。
合理的に考えたら、僕たちがやるべきなのはうまくいかない7割の場合に平然と対処できる準備のほうが必要そうです。

頭のいい人と仕事ができる人は違うのと同じで、仕事ができる人というのは、当たり慣れている人、つまり厳しい状況での経験を積んだ時間が長い人です。

シナリオや計画を描かないリーダーは無能ですが、
シナリオや計画から外れた時に動けないリーダーは腰抜けです。

良くも悪くも計画通りになんて行くことなんてほぼないわけですが、試合に備えて練習しなければそれ以上に何もできないように、僕は日夜計画を立てたり戦略を描いたりしています。
そしてこれからの、いろんな商品やサービスが世に出たあともビジネスの現場で生き残りを賭けて総合力で立ち回って行くことになります。

なのでもし、「あれ、西野さんこの前と言ってること違くない?」とか、
「それって、そもそも全体の方針と逆なんじゃ・・」とかのツッコミどころが出てくる場合もあるかと思いますが、それについては
「後に言ったほうが正しいから!!」
ということで、そこんとこどうかひとつよろしくお願いします

(この記事は、2022年6月に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えています)


この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?