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薬膳:更年期症候群(絶経前後諸症)




1.正常な月経


先ずは正常な月経を知りましょう!



月経:一般的に月1回、変わりなく定期的に子宮から出血すること

初潮:11~18歳、一般的に14歳前後
閉経:49歳前後→月経は約35年間ある
   地域、気候、種族、栄養などにより差異がある

月経周期:一般的に28日(±7日まで)
    (出血初日を1日目~次の月経初日までの日数)

月経期間(月経持続時間):一般に3~7日

月経量:初日2日目は少ない、3日目は多い、
    4日目から少なくなる。量は50~80ml

月経の色:暗紅、初めは色が薄い→だんだん深くなる→最後にまた薄くなる

月経の質:薄くも濃くも無い、凝固しない、血塊無し、特殊な臭いなし

月経前~月経初期に軽い下腹痛、腰痛、乳房脹痛、情緒不安定など
の症状があっても、月経後に自然消失するのは病症ではない。


2.更年期症候群(絶経前後諸症)



49歳前後、更年期で不調です(>o<)

絶経(月経がなくなる)前後の年代に
ほてる、面赤、汗が出る、疲労感、やる気の低下、注意力散漫、
判断力低下、情緒不安定、イライラ怒りっぽい、頭がクラクラする
めまい、耳鳴り、動悸、不眠、記憶力低下、腰背がだるく痛い
手のひら足の裏が熱い、月経の乱れなどの症状がでる。

原因
49才前後になると、生命エネルギー(腎気)が徐々に衰退し、
成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギー(天癸)が少なくなり
枯れていくので、生殖器を中心に広がる経脈(衝任脈)も衰えていく。
その為に、上記のような症状が出現する。

+要因
体質素因:心身のアンバランスによる不調(腎陰陽平衡失調)

+発病誘引
個々の体質、情緒不安、妊娠子育て、病気、栄養状態、
過労と安逸(ダラダラしすぎ)、社会や生活環境など。


病機(メカニズム)
生命力の低下&アンバランス(腎虚)が他臓腑(心肝脾)に影響する。
常に以下の3つをを兼ねる複雑病機

・気鬱
  気分の低下、興味喪失、エネルギー不足、自己評価の低下、無価値感、
  睡眠障害、食欲変化、注意力集中力の低下など

・瘀血
  血行不良、痛み、腫れ、皮膚に色素沈着、冷え、月経異常、
  心血管症状など

・痰湿
  湿気と痰(たん)の両方が結びついた状態で
  体重増加や膨満、疲労感など

その結果、以下のような症状が現れる。

 ・心腎不交
   身体の中の火と水のアンバランスで、動悸、ほてり、発汗、不眠など

 ・肝腎陰虚
   精血の消耗と肝腎陰の消耗により、目の充血、頭痛、視力障害など

 ・脾腎陽虚
   脾腎の弱りにより、浮腫(むくみ)、尿量減少、冷え、下痢など


ここでは更年期症候群(絶経前後諸症)を中医学の観点から
症状別に3タイプに分類し、それぞれの症状、メカニズム、治療法、
お薦め食材、薬膳例を紹介します。


お薦め食材と薬膳例について


中国の薬膳料理は、日本では入手しにくい食材や、
医薬品扱いで入手できないモノが多く、再現性が低いです。
その為、ここでは日本で入手しやすい食材で
簡単に調理できる料理と薬膳茶をご紹介します。

薬膳料理はお粥やスープ、蒸し物などのシンプルな料理が多く
味付けも塩とお酒(臭み抜きに少々)程度が多いので
難しくないです。難しく考えず、お薦め食材で
先ずはお粥やスープ(消化しやすい調理法)を作ってみて下さい。

油料理は消化が悪いので、
揚げ物、油炒めなどの調理法は控えめにされるといいです。
お味噌汁にすれば、かなり解決出来ると思います。

中医学用語について


分かりやすく、やさしい言葉で表現することは難しいです。
その為、一見分かりやすい言葉で表現しているところも、
実は無理があります。
中医学(中国伝統医学)がベースなので、
理解するためには系統立てた勉強が必要です。

ここでは薬膳初心者を対象として解説していきたいと思います。
再現性が低い中国の薬膳料理も参考として載せますが
解説は省略させて頂きます。
それよりも、誰もが日常生活で取り入れられるような
簡単な料理の提案に重点を置いてご紹介します。

3.タイプ別薬膳(弁証)


更年期症候群(絶経前後諸症)の症状別3タイプ

① 暑がり(腎陰虚)
② 寒がり(腎陽虚)
③ 暑がりの寒がり(陰陽両虚)

どのタイプにもお薦めの食材
補腎ー
粟、黒米、小麦、むかご、山芋、黒豆、ササゲ、なた豆、エゴマの葉、枝豆、カリフラワー、黄ニラ、キャベツ、ごぼう、干し椎茸、なめこ、ニラ、ブロッコリー、芽キャベツ、モロヘイヤ、山伏茸、カシス、桑の実、ブルーベリー、生プルーン、カシューナッツ、栗、くるみ、黒ゴマ、蓮の実、松の実、アワビ、いくら(筋子)、イシモチ、イトヨリ、うなぎ、うに、海老、干し貝柱、カツオ、カメ、川エビ、サザエ、サヨリ、ししゃも、スズキ、スッポン、鯛、太刀魚、ナマコ、ホタテ、マンガツオ、ムール貝、烏骨鶏肉、うずら肉、蛙の卵管、牛の腎臓、クジラ肉、鹿肉、鶏肉、鶏のレバー、豚肉、豚の腎臓、烏骨鶏の卵、ココナツオイル、鶏の脂、ローヤルゼリー、クローブ、ハブ茶

生活の養生(精神・起居・食)に注意して
より健康的な日々をお過ごしになられるよう
生活改善の参考になれば幸いです。

それでは、3タイプの紹介をしていきましょう。


① 暑がり(腎陰虚)



暑がり

月経 
 月経周期の乱れ、月経量が一定しない(多かったり、少なかったり)
 経血の色が鮮紅

その他
 
閉経の前後の時期に、頭がクラクラしたり、めまいや耳鳴り
 腰膝がダルイ、周期的に発熱(潮熱)、汗が出る
 五心煩熱(両手掌・両足裏の発熱、胸中の煩熱を自覚する)
 寝付きが悪く、夢が多い、口が乾燥して喉が渇く、皮膚が痒い

舌脈
 
舌が赤く、苔が少ない。脈は細く早い

治法
 身体を潤し、上がっている気を下ろす

アドバイス
・あっさり淡白な食事
・香辛料など辛い食事は熱くなるから控えめに
・精神安定、リラックス

お薦め食材(以下、重複有り|食材の寒熱温涼など詳細は講座で!)

ー補陰ー
菊花、キクラゲ、きゅうり、ごぼう、セロリ、冬瓜、トマト、ニガウリ、人参、白菜、ヘチマ、山芋、百合子、レンコン、アロエ、カブ、クワイ、小松菜、さつまいも、里芋、しめじ、白キクラゲ、ジュンサイ、ぜんまい、たらの芽、青梗菜、ほうれん草、まいたけ、マコモタケ、マッシュルーム、レタス、梅、柿、カリン、桑の実、スイカ、梨、りんご、アボカド、いちご、イチジク、キウイフルーツ、キンカン、ココナツ、さくらんぼ、ザクロ、スモモモ、パイナップル、バナナ、パパイヤ、ビワ、マンゴー、メロン、ライチ、レモン、くるみ、ごま、銀杏、松の実、落花生、大麦、クレソン、あさり、イカ、うなぎ、牡蠣、昆布、タコ、ホタテ、あゆ、エビ、カニ、クラゲ、シジミ、スッポン、なまこ、はまぐり、ひじき、フリ、マス、豚肉、鴨肉、烏骨鶏、鹿肉、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルト、蜂蜜、オリーブオイル、ごま油、砂糖、豆鼓、バター、ハイビスカス、プーアール茶、ビール、白ワイン

ー補血(血を補う)ー
黒豆、アシタバ、エゴマの葉、枝豆、キクラゲ、金針菜、しめじ、チャービル、にんじん、パセリ、ほうれん草、よもぎ、カシス、桑の実、乾燥ナツメ、ぶどう、ライチ、竜眼、黒ゴマ、松の実、赤貝、あさり、アナゴ、アワビ、アンコウ、イカ、イワシ、うなぎ、牡蠣、カツオ、カメ、鮭、鯖、スズキ、タコ、太刀魚、たら、ナマコ、ニシン、はた、ひじき、鮒、鰤、マグロ、マテ貝、マナガツオ、烏骨鶏の肉、鴨肉、牛肉、牛レバー、クジラ肉、鶏のレバー、鯨肉、豚のレバー、烏骨鶏の卵、うずら卵、鶏卵、卵黄、塩卵

ー養肝(肝血を補い、肝機能を正常にする)ー
干し椎茸、ナズナ、いちご、カシス、アンキモ、うなぎ、ししゃも、スズキ、太刀魚、鶉肉、牛レバー、鶏レバー、豚レバー、烏骨鶏卵、ローヤルゼリー

ー降気(上がっている気を下げる)ー
燕麦、発芽玄米、なた豆、浅葱、かぶ、木の芽、香菜、大根、ニラ、パセリ
、ビーツ、らっきょう、ラディッシュ、ぐみ、グレープフルーツ、ビワ、エゴマ、鯉、馬肉、サトウキビ、胡椒、花椒、山椒、ハイビスカス

ー平肝潜陽(肝気を調整)ー
アロエ、菊花、クレソン、シシトウガラシ、芹、セロリ、豆苗、トマト、ピーマン、マッシュルーム、レモンバーム、パパイヤ、アナゴ、クラゲ、すっぽん、ニジマス、ラベンダー

ー養神(心の機能を整えて精神安定させる)ー
小麦、ニラ、ココナツ、竜眼、カカオ、蓮の実、あん肝、ひじき、豚の心臓、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ウイスキー

ー安神(精神安定、不眠改善)ー
春菊、青梗菜、百合根、ローズマリー、乾燥ナツメ、竜眼、蓮の実、あさり、あん肝、イワシ、牡蠣、カタクチイワシ、ホタテ、豚の心臓、ウーロン茶、カモミール、紅茶、コーヒー、ジャスミン、ラベンダー、緑茶、ワイン

薬膳例(詳細は略)
・桑の実とクコの実のお茶
・クコの実いり卵焼き
・スッポンスープ
・胡麻と卵のスープ
・黒胡麻入り麦とろ飯


薬膳茶

【健康茶】桑椹茶
クコの実
黒クコの実
麦門冬とクコの実
百合根



② 寒がり(腎陽虚)


冷え性

症状
 月経
  月経不順、量が多か少ない、色が薄く水っぽい感じの経血

 その他
  閉経前後に頭クラクラ、めまい、耳鳴り、腰痛、腹部の冷え、
  陰部の墜落感、寒がり、手足の冷え、頻尿、失禁、滞下の量が多い
  精神的に萎縮している、顔色が暗っぽい

 舌脈
 
 舌の色は白っぽく、苔も白く、ぬれぬれした感じ
  脈はグッと抑えないと感じない、細くて脈拍は遅い

治法
 温めて心腎の機能を強化する
 精血を補う

お薦め食材(以下、重複有り|食材の寒熱温涼など詳細は講座で!)

ー補陽(生命力を補う)ー
ニラ、赤貝、エビ、川エビ、マグロ、犬肉、ういきょうの種、クローブ、シナモン、八角、ウイスキー

ー補気(元気を補う)ー
赤米、粟、うるち米、大麦、キビ、玄米、米麹、ヒエ、もち米、さつまいも、じゃがいも、タピオカ、ヤツガシラ、山芋、大豆、豆腐、納豆、アサツキ、アスパラガス、エシャレット、枝豆、エンドウ、カブ、かぼちゃ、キクラゲ、サヤインゲン、椎茸、干し椎茸、しめじ、そら豆、なめこ、にんにくの茎、ヒラタケ、袋だけ、まいたけ、モロヘイヤ、アボカド、ココナツ、さくらんぼ、乾燥ナツメ、パイナップル、ぶどう、竜眼、カカオ、菱の実、ヘイゼルナッツ、アナゴ、あんこう、イワシ、うなぎ、エビ、オコゼ、片口イワシ、カツオ、鮭、サザエ、鯖、サメ、サワラ、舌平目、タコ、たら、ツバメの巣、ドジョウ、トビウオ、ニシン、ハゼ、ハタ、ヒラメ、フカヒレ、フナ、ブリ、ボラ、マグロ、マス、マナガツオ、烏骨鶏肉、ウサギ肉、キジ肉、牛肉、牛筋、熊の手、鶏肉、はと肉、羊肉、豚肉、うずらの卵、がちょうの卵、ココナツオイル、水飴、酒粕、味噌、甘酒、ココア

ー行気・疏肝・理気(気の巡りをよくする)ー
蕎麦、茴香、オレガノ、紫蘇、タイム、玉ねぎ、チャービル、にんにくの茎、のびる、バジル、ピーマン、松茸、三つ葉、茗荷、レモンバーム、ローリエ、キンカン、グレープフルーツ、シークワーサー、スダチ、仏手柑、ブンタン、みかん、ゆずの皮、ライチ、カジキマグロ、茴香の種子、カルダモン、クミン、ターメリック、チンピ、ナツメグ、八角、カモミール、金木犀、ジャスミン、マイカイカ、ラベンダー、酒、ワイン

ー健脾(胃腸の調子を整える)ー
赤米、うるち米、燕麦、キビ、黒米、玄米、米麹、発芽玄米、ハトムギ、ヒエ、紅麹、餅米、コーンスターチ、さつまいも、じゃがいも、タピオカ、むかご、ヤツガシラ、山芋、いんげん豆、黒豆、ササゲ、大豆、納豆、ひよこ豆、アサツキ、エゴマの葉、エシャレット、枝豆、エンドウ、オクラ、かぼちゃ、カリフラワー、小松菜、サヤインゲン、ズイキ、そら豆、青梗菜、ナズナ、にんじん、ニンニク、にんにくの茎、ネギ、白菜、ヒラタケ、袋だけ、ブロッコリー、マッシュルーム、ローズマリー、アボカド、干し柿、ココナツ、さくらんぼ、サンザシ、乾燥ナツメ、ライチ、竜眼、りんご、栗、蓮の実、菱の実、ひまわりの種、鰺、イシモチ、イワシ、ウニ、カタクチイワシ、舌平目、すずき、鯛、ツバメの巣、トビウオ、はた、ハム、ヒラメ、フナ、ブリ、うずら肉、鴨肉、牛肉、牛の胃、クジラ肉、鶏の砂肝、馬肉、豚の胃、烏骨鶏の卵、うずらの卵、卵黄

ー利水(利尿)ー
粟、玄米、はとむぎ、菊芋、コーンスターチ、あずき、黒豆、腐乳、緑豆、アシタバ、アスパラガス、えんどう、きゅうり、空芯菜、クレソン、香菜、コールラビ、ジュンサイ、白ウリ、芹、ゼンマイ、タイム、冬瓜、とうもろこし、とうもろこしのひげ、ナス、ナズナ、白菜、ハヤトウリ、マコモだけ、水菜、もやし、夕顔(干瓢)、レタス、ローリエ、蕨、アケビ、スイカ、スターフルーツ、スモモ、ぶどう、ほおずき、マクワウリ、マンゴー、メロン、カカオ、アオサ、あさり、鮎、イカの卵、クロダイ、鯉、昆布、サメの浮き袋、シラウオ、スズキ、鯛、タニシ、鯰、のり、はまぐり、はも、鮒、もずく、わかめ、犬肉、鴨肉、牛タン、豚の腎臓、豚のレバー、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココア、ハイビスカス、プーアール茶、緑茶、ローズヒップ、ビール

温めるだけでは干からびてしまうので、陰血も補う!

ー補血(血を補う)ー

黒豆、アシタバ、エゴマの葉、枝豆、キクラゲ、金針菜、しめじ、チャービル、にんじん、パセリ、ほうれん草、よもぎ、カシス、桑の実、乾燥ナツメ、ぶどう、ライチ、竜眼、黒ゴマ、松の実、赤貝、あさり、アナゴ、アワビ、アンコウ、イカ、イワシ、うなぎ、牡蠣、カツオ、カメ、鮭、鯖、スズキ、タコ、太刀魚、たら、ナマコ、ニシン、はた、ひじき、鮒、鰤、マグロ、マテ貝、マナガツオ、烏骨鶏の肉、鴨肉、牛肉、牛レバー、クジラ肉、鶏のレバー、鯨肉、豚のレバー、烏骨鶏の卵、うずら卵、鶏卵、卵黄、塩卵

ー補陰ー
菊花、キクラゲ、きゅうり、ごぼう、セロリ、冬瓜、トマト、ニガウリ、人参、白菜、ヘチマ、山芋、百合子、レンコン、アロエ、カブ、クワイ、小松菜、さつまいも、里芋、しめじ、白キクラゲ、ジュンサイ、ぜんまい、たらの芽、青梗菜、ほうれん草、まいたけ、マコモタケ、マッシュルーム、レタス、梅、柿、カリン、桑の実、スイカ、梨、りんご、アボカド、いちご、イチジク、キウイフルーツ、キンカン、ココナツ、さくらんぼ、ザクロ、スモモモ、パイナップル、バナナ、パパイヤ、ビワ、マンゴー、メロン、ライチ、レモン、くるみ、ごま、銀杏、松の実、落花生、大麦、クレソン、あさり、イカ、うなぎ、牡蠣、昆布、タコ、ホタテ、あゆ、エビ、カニ、クラゲ、シジミ、スッポン、なまこ、はまぐり、ひじき、フリ、マス、豚肉、鴨肉、烏骨鶏、鹿肉、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルト、蜂蜜、オリーブオイル、ごま油、砂糖、豆鼓、バター、ハイビスカス、プーアール茶、ビール、白ワイン

アドバイス
①身体を冷やさない
②消化しやすい食事
③香辛料を適度に使う→カレーなど身体が温まる料理を食べる。
④煮込み料理、お粥、スープなどがお薦め

薬膳例(詳細は省略)
・羊肉と黒豆のスープ
・海老とニラのニンニク炒め
・肉桂と黒砂糖のお粥
・乾姜と羊肉のスープ
・海老の胡桃和え
・ラム肉のカレー
・干しエビのお粥
・海老と韮の胡桃和え
・ニラと羊レバーの炒め物

お薦め薬膳茶
 
このタイプの人は体力気力がありません。
 少し食べるとエネルギー補給になって動けるようになるので
 「お湯を注ぐだけ!」の簡単な薬膳茶で
 取り敢えず、エネルギー補給してから、何かされたらいいと思います。

お薦め薬膳茶

【滋養物】肉桂


【健康茶】姜絲茶


【薬膳茶】黒糖紅棗玫瑰姜茶



③ 暑がりの寒がり(陰陽両虚)


暑がり
寒がり


症状

 月経
  
月経周期の乱れ、月経量が一定しない(多かったり、少なかったり)

 その他
  
閉経前後に時々寒がり、時々暑がり、
  五心煩熱(両手掌・両足裏の発熱、胸中の煩熱を自覚する)  
  頭がクラクラしたり、めまいや耳鳴り、健忘(記憶力減退)
  腰膝がダルイ、周期的に発熱(潮熱)、汗が出る

 舌脈
  
舌が赤く、苔が薄い
  脈は沈んでて細い

治法
 
 腎精(エネルギー)を補い、陰血を養う

アドバイス
・陰虚症状が強く出るときは①の陰虚証の薬膳
・陽虚症状が強く出るときは②の陽虚証の薬膳

薬膳例(詳細は略)
・アヒルの冬虫夏草蒸し(冬虫夏草鴨)
・豆腐と卵の蒸し物(豆腐蛋羹)

薬膳茶
 ①②を参照

4.まとめ



49歳前後から心身不調

絶経(月経がなくなる)前後の年代に
ほてる、面赤、汗が出る、疲労感、やる気の低下、注意力散漫、
判断力低下、情緒不安定、イライラ怒りっぽい、頭がクラクラする
めまい、耳鳴り、動悸、不眠、記憶力低下、腰背がだるく痛い
手のひら足の裏が熱い、月経の乱れなどの症状がでる。

原因
49才前後になると、生命エネルギー(腎気)が徐々に衰退し、
成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギー(天癸)が少なくなり
枯れていくので、生殖器を中心に広がる経脈(衝任脈)も衰えていく。
その為に、上記のような症状が出現する。

+要因
体質素因:心身のアンバランスによる不調(腎陰陽平衡失調)

+発病誘引
個々の体質、情緒不安、妊娠子育て、病気、栄養状態、
過労と安逸(ダラダラしすぎ)、社会や生活環境など。


病機(メカニズム)
生命力の低下&アンバランス(腎虚)が他臓腑(心肝脾)に影響する。
常に以下の3つをを兼ねる複雑病機

・気鬱
  気分の低下、興味喪失、エネルギー不足、自己評価の低下、無価値感、
  睡眠障害、食欲変化、注意力集中力の低下など

・瘀血
  血行不良、痛み、腫れ、ひふに色素沈着、冷え、月経異常、
  心血管症状など

・痰湿
  湿気と痰(たん)の両方が結びついた状態で
  体重増加や膨満、疲労感など

その結果、以下のような症状が現れる。

 ・心腎不交
   身体の中の火と水のアンバランスで、動悸、ほてり、発汗、不眠など

 ・肝腎陰虚
   精血の消耗と肝腎陰の消耗により、目の充血、頭痛、視力障害など

 ・脾腎陽虚
   脾腎の弱りにより、浮腫(むくみ)、尿量減少、冷え、下痢など


ここでは更年期症候群(絶経前後諸症)を中医学の観点から
症状別に3タイプに分類し、それぞれの症状、メカニズム、治療法、
お薦め食材、薬膳例を紹介しました。


5.予防とケア


励ましやアドバイス

周囲の人は
患者が楽観的に老年期を迎えられるように励まし、
老年期に対する恐れや焦りから来る不安を癒やし、
疾病は必ず克服出来ると言う信念を強く保てるように導く。
家族が更年期の症状をよく理解することで
患者と心を一つにして病と戦い、安らぎと励ましを与える。


養生してね!

①ストレス解消
②規則正しい生活
③適度な運動
④心理的ケア
定期的に健康診断と婦人科検査を受ける。
⑥疾病を早期に発見する。

注意してね!

×過労 
×栄養不足 
×飲食不節
  高カロリー、甘い物、冷たく消化しにくい食事→消化不良
  →痰湿(不要なモノ)→気の巡りが悪くなる


6.後書き


*薬膳茶:五福茶荘

五福茶荘

 五福茶荘様には薬膳茶紹介でご協力頂きました。
 有難うございました。

神戸市中央区元町高架通3-137 五福茶荘(JR元町駅西口からすぐ)
→元町商店街の近くに移転の為、2023年8月中旬で閉店。
新装開店:2023年9月中旬予定
【新店舗住所】神戸市中央区元町通3丁目17-4  五福茶荘

【お問合せ】・・・「芦屋薬膳・西野の紹介」とお伝え下さい。
TEL/090-2147-9520
FAX/078-381-5736

*芦屋薬膳の時間制相談

料金(税込):¥1,500 /30分(料金は予告なく改定される場合があります)
内容:薬膳相談|中医学|気になる症状|薬膳の勉強アドバイスなど
形式:マンツーマン
開催方法:Zoom
時間:30分単位で最長90分まで

芦屋薬膳のオンライン講座

薬膳を分かりやすく、やさしい言葉で表現することは難しいです。
中医学(中国伝統医学)がベースなので、
理解するためには系統立てた勉強が必要です。

神戸中医学院(芦屋薬膳)では、
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皆様の受講をお待ちしております。

*参考文献

神戸中医学院テキスト「薬膳学」「婦人科学」孫華麗編著
「中医薬膳学」辰巳洋著
「中医食療方」瀬尾港二、宗像明子、稲田恵子著
「薬膳&漢方の食材辞典」坂口珠未著
「食物性味表」日本中医食養学会編著

7.最後に

 
 今日が人生で一番若い日です。遅いことはありません。今日から生活に中医学養生(精神、起居、食)を取り入れ、健康でもっと元気に、もっと人生を楽しんで頂ければ幸いです。
 本書が、皆様の健康と幸福への一助となることを心より願っています。

神戸中医学院(芦屋薬膳)主宰者:西野久子(国際中医師・国際中医薬膳師)


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