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米国相場振り返りと6/12週に向けて

こんにちは。nishinaです。6/5週の米国相場振り返りと6/12週にむけて、テクニカル視点で見ていきます。

この記事は投資助言や勧誘にあたるものではありませんので、投資はあくまで自己の判断のもと、自己責任で行ってください。

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今週の振り返りと来週の指標

まずは今週を振り返り、来週の指標を見ていきます。
今週は6/8にSP500が昨年10月の安値を20%上回る水準で終了し、強気相場入りしたことがニュースになりました。今週はNAAIM NUMBERの動きが面白いです。これからのロングはおすすめできない内容となっています。

来週は火曜日に消費者物価指数、水曜日に生産者物価指数、木曜日に政策金利の発表とイベントが多々あります。

GMOクリック証券に掲載の経済指標を抜粋


相場の振り返り

ヒートマップ

今週はこれまで上昇していた大型株に調整が入っており、反対にそれ以外の株価が上がっています。大型株の中ではテスラだけ特別で+16%と大きく上昇しています。

6/5週のヒートマップ
5/29週のヒートマップ


来週決算を迎える企業

出典:Earnings WhispersのTweet

6/12週に決算を迎える企業


投資家心理を示す指標から

今回もFear and Greed IndexとNAAIM Numberの状況を見ていきます。
Fear and Greed Indexは77となっており、市場が総楽観になってきたことを示しています。75以上では過熱気味とされており、これからの下落に注意すべき水準です。
NAAIM Numberは大きく上昇して90.07となっています。これは2022/1の水準です。またMost Bearishが31と30を超えるのは2022/3以来で、かなり久しぶりです。先週時点ではNAAIM Numberが53.9だったので、機関投資家が5/31 - 6/6の間にロングポジションを多く仕込んだということになります。

Fear and Greed Index (6/10時点)
NAAIM Number(6/3時点)
NAAIM Number詳細

Fear and Greed IndexやNAAIMはこちらの過去の記事で書いています。


NAAIM Numberがピークを付けるとSP500は下落する場合が多い

今回の90という数字がNAAIM Numberのピークとなる保証はありませんが、NAAIM Numberがピークとなる可能性を踏まえてこれまでのデータを見ていきます。NAAIM自体は毎週水曜日時点で集計されたその週とその前週の平均で表されています。従って、NAAIM Numberがピークを付けたことを確認できた時には機関投資家の人たちは既に仕込みを終え、利確に入っている場合が多いと考えられます。機関投資家が買う→個人投資家が買う→機関投資家が利確という流れですね。
実際にNAAIMのサイトで公開されているデータを見てみました。以下のグラフはオレンジ色がNAAIM Number(縦軸左)、グレーがSP500Indexの値(縦軸右)です。NAAIMのピークの2週間前から1週間後にSP500も高値が来ていることが分かります。NAAIM Numberは現在発表されている値か、この次の値がピークとなりそうなので、SP500もその前後週で一旦高値を付けると考えられます。

NAAIM NumberとSp500の高値(Nishina調べ)

金利の見通し

6月のFOMCでは政策金利は現状維持の見通し

今週の見通しも同じく来週のFOMCでは政策金利の引き上げがskipされるとの見方が強いです。先週との差分でいくと赤枠部分がジワリと増えているのが気になりますが、先週の見方とはほぼ変わらないという状況だと思います。来週のFOMCで利上げが決定されればネガティブなサプライズとなりますが、その可能性は低いとみられています。

政策金利予測

この利上げの見通しはFed Watch Toolで確認することができます。


チャート分析

US10YとUS20Y

US10YとUS20Yのチャートを週足でみてみます。どちらも上のトレンドラインにタッチしつつ、横ばいとなっています。4月にしっかりと底固めをした後の上昇であり、トレンドラインを上抜けていくような形に見えます。

US10YとUS20Yのチャート(週足)

US10Y

株価との相関が高いと言われるUS10Yのチャートです。
3.6%あたりの抵抗帯で反発して、あまり下げずに再上昇していますね。
5/11の安値と5/26の高値の値幅だけ、6/1から同じように伸びると考えると、ちょうど4.089%に到達します。そのようになるファンダ的要因としては国債の大量発行による国債価格低下くらいしか思いつきませんが、テクニカル的にはここまで上がる可能性があると言えます。

US10Y 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)

US20Y

こちらも反発して上昇しています。US10Yと同じく、綺麗に1:1でこの上昇が伸びるとすると4.34%くらいまで上昇するのですが、それまでの抵抗帯が明確なので、そこでどうなるかが注目です。特に直近の4.18あたりの抵抗帯は3/2と5/6の高値を結んだ下降トレンドラインとも重なってきており、上抜けにエネルギーが必要そうです。

US20Y 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)

SPXとNDX

まずは週足のチャートから見ていきます。上がNDXのチャート、下がSPXのチャートです。
NDXは先週と今週でピンバー2本で横ばいか下落を思わせるような形になっています。SPXは上昇しつつ、4325の抵抗線にタッチしてピンバーとなっており、来週の動きが読みにくい形となっています。
中期的にはNDXは13200程度、SPXは4050程度を目途とした調整が考えられますが、NDXは13720を割るまでは上目線、SPXは4195を割るまでは上目線です。

NDXとSPXの週足チャート

SPX

SPXは木曜日、金曜日と大きく上昇し、強気相場入りしました。その後、月足高値である4325付近まで上昇し、少し戻している状態です。現在は調整の可能性もあり、手を出しにくい水準です。4195より上にいる限りは安心して上目線で良いかと思います。

SPX 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)

NDX

NDXも急角度のネックライン割れで水曜日に下落するように見えたものの、木曜日、金曜日と力強く戻しており、結局金曜日に高値更新しています。しかしながら、月曜日、水曜日、金曜日の高値がほぼ同水準であり、トリプルトップのような形になっています。黒のトレンドラインをなかなか超えていけない状態になっています。13720より上であれば上目線です。4/25の安値と現在の高値の38.2%戻しである、13900くらいまで調整してくれたらロングでエントリしやすいのではと思います。このまま上昇する場合、次の節目は15265です。4/25の安値と15265でフィボナッチを引いてもいろいろな線がうまくはまりますので、先を予測する意味ではこちらの引き方も活用してもいいかもしれません。この二つのフィボナッチをみても13720は強力な支持帯となりそうなことが分かります。

NDX 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)
NDX 日足(15265に向かってフィボを引いた場合)

SOXX

最後はSOXXです。反発して上がってきましたが、出来高も少なく、戻し切れていません。来週出来高を伴って再上昇するのか、それとももう一度下落していってしまうのというところです。450くらいまで調整してくれるとロングでエントリしやすですが、出来高を伴う上昇の後、出来高が減って横ばいになって、また上昇というパターンはよくあるので、この水準から再度上昇する可能性も高そうです。

SOXX 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)


おわりに

今週はSPXがさらに上昇し、強気相場入りしました。NAAIM Numberを見る限り、機関投資家の仕込みが入りポジションが増えている中で、来週はFOMCがあります。利確売りに押されるのか、さらに続伸するのか、動向が注目されます。

以上、テクニカルをベースに来週の見通しを書いてみました。参考になれば幸いです。


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