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コミュニティ通信[20190822]なぜ大学に行くのか

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コミュニティ内でこういう相談があった。

相談内容の抜粋
物理が好きなので大学に入ったら専門領域を学びたい。理学部物理学科か工学部か、どちらに進学するか悩んでいる。物理学科は就職しづらいと聞く。
1.工学部でも物理を深く学べるか。
2.就職については違いがあるか。

いかにも若者らしい悩みである。大いに悩んで欲しい。コミュニティ内では親切おじさんがよってたかってくれたおかげで、ある程度の結論には達してくれたようだ。なので、少し話を拡張して僕の意見を書き残しておく。

そもそも、今の時代になぜ大学に行くのか。これは、進学校に行っていたり勉強ができる生徒ほど、疑わない。行った方が良いに決まってるという価値観に染まり切っているからだ。なぜ良いのか。そこを徹底して突き詰めて考える高校生は、たぶんほとんどいない。進学希望者は大学進学のメリットの享受だけを考えているし、進学しない者は進学しないことの正当化だけを考えている。

諸悪の根源は、大学の名前と就職に強い結びつきがあることだ。これは、本来的な結びつきではない。当たり前だ。大学の名前こそに本来的な価値があると信じる人はいない。後付けで、名前に付随する価値観がたくさん形成されてしまったからだ。そういうプラクティス(慣習)が長く続いたため、それなりに大学名というのは世間で幅を利かせている。

しかし、単にビジネス的な成功だけを求める若者は、いまや大学を目指さない。大学に行っても、昔ながらの板書スタイルの授業で回りくどい話を延々聞かされるだけだからである。情報を入手する手段として効率が悪すぎる。たとえば、プログラミング技術のスキルアップを願う学生が、日本の大学の情報学科に進めば、きっと絶望する。

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