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夏の終わりを感じるのはいつか

季節感のある話がしたい。

最近肌寒くなってきた。
今年ももう夏は終わりだなと
誰しもが感じているんじゃなかろうか。

先日
それを色濃く感じる瞬間があった。
僕はプロント池袋西口公園店で
アルバイトをしている。
全時間働いているが
基本は朝入っていることが多い。
その日僕はレジを担当していた。

朝7時。
常連のお客さんがきた。
アイスコーヒーのLを欠かさず頼む方だ。

彼を見た瞬間、
僕は条件反射でLのカップを左手で掴み、
氷をすくうスコップを右手に取って
アイスコーヒーを作製の構えをつくる。

準備は万端。
用意は周到。
体勢は万全。

オールグリーン。オールオーケー。
さぁこいアイスコーヒーと
鼓膜の感度を上げる僕に
彼は衝撃の一言を放つ。

「ホットコーヒーのLで」

スコップが

僕の手からこぼれ落ちた。

思わず
今日はアイスじゃないんですか?
と聞いてしまった。

彼は答える。

「朝はちょっと肌寒くなってきたからね笑」

そしてつぶやいた。

「もう夏も終わりだね」

夏の間、
よく喋るアイスコーヒー自販機と化していた僕も
もうすぐその役を降りるのだなと
そんな気分になった。

末端カフェ店員の僕だが
カフェ店員らしい夏の終わりを味わった。

思えばマックで働いていた時もそうだった。
月見バーガーが始まると
あぁ夏が終わるんだなと思った。

会社員の時もそうだった。
背広を羽織る人が増えると
夏が終わると感じた。

いろんな夏の終わりがある。
皆さんの夏の終わりはいつだろうか。
ちょっとでいい、
自らその瞬間を探してみると
夏の楽しみが
最期までできるんじゃなかろうか。

いや
知らんけど。

では。


【ほぼ本題のPS】
今回カフェ店員らしい
夏の終わりを吐き出したのだが
書いてるうちに別の職業だと
どんな時だろうと気になった。

ので、いろんな友達に聞いてみた。
それが趣深かったので紹介していく。

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「いつも短めにカットする人が
『伸びた分切ってください』ではなく
『伸ばそうと思ってるんですよね』と
 オーダーを変えてきた時ですかね」

これは僕の髪を切ってくれる
メンズ専門の美容師酒井さんが言ってたことだ。
夏はやっぱり暑いので短めの人が増えるが
季節の変わり目で伸ばそうかなと
心境の変化がよくあるらしい。

なんとも美容師らしい夏の終わりだ。

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「カット内容がさっぱりした子たちが
 冬に向けて伸ばしてる時かな?」

これは美容師に見せかけて
トリマーの子が言っていたことだ。

冬に向けて毛を蓄えるのは
人間も犬も一緒みたいだ。

「あ、あとシャワーの温度を少し上げた時かな!」
やっぱり犬も人間も一緒みたいだ。


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「こんがり日焼けしてきた子どもたちが
 夏休み前よりシューズがキツくなって
 『先生親指が当たって痛いー!』って
 言ってきた時ですかね」

これは子どもにクラシックバレーの
講師をしている子が言っていた。
夏休みは帰省等で
レッスンをお休みする子が多い。
だからしばらく履かなかったバレーのシューズは
1ヶ月後には履けなくなっているんだそうだ。

子どもの成長の速さと夏の終わりを
同時に感じるらしい。
独特な瞬間で面白い。

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「お盆によく人が亡くなる。
 その流れが終わった時ですかね」

これは総合診療のシマさんが言っていたことだ。
総合診療とは内科でも耳鼻科でも皮膚科でも
なんでも診れるお医者さんらしい
医者界の万屋といったところか。

なぜお盆によく人が亡くなるのか。
それはわからないらしい。
迷信かもしれないが
先祖様が連れていっちゃうのかもしれないと
非科学的だが納得感のある話を聞かせてくれた。

ともあれ人の死に最も近い場所にいることに
そこに夏の終わりを感じていることに
敬意を表さずにはいられない。

「あ、あと熱中症の患者が減ったり
 インフルのワクチンの入荷準備を始めた時ですかね!」

シマさんとは3日前に友達になったばっかりなのだが
本当にお医者さんなんだなと思った。
(医者の友達いなかったので
 半信半疑でいましたすいません)

医者も季節に左右されながら
特有の夏の終わりを感じていた。

では
(また別の話聞いたら加筆するかもしれないです
 これを読んで自分もあるよって人いたら
 教えてください興味あります。)

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