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「龍の耳を君に」を読んだ

「龍の耳を君に」 丸山正樹 東京創元社 を読んだ。

手話通訳士の荒井尚人は、ろう者の親から生まれた聴こえる子――コーダで、ろう者の日常生活のためのコミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳などを行っている。そんなある日、荒井が手話を教えている場面緘黙症の少年が、殺人事件を目撃したと伝えてきた。NPO職員が殺害された事件の現場が、少年の自宅から目と鼻の先だったのだ。話せない少年の手話は、果たして証言として認められるのか!? ろう者と聴者の間で葛藤しながらも、架け橋になろうとする手話通訳士の奮闘を描いた、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』に連なる感涙のシリーズ第2弾。
(Google Books)

今回も面白かった。
一つの長編であるが、ろう者の世界について3つの話がある作り。

第一話では、全く聴こえない人がどのように発語訓練を行うのか、そしてそれは果たして「自分の言葉」なのか、考えさせられる。

第二話は、聴覚障害者が聴覚障害者を騙す事件。
当たり前だけど、ろう者だって加害者側になることだってあるよな…
これまた、ろう者の世界を垣間見ることができる。

第三話が、メインの話。
謎解きも面白いし、場面緘黙症の子供と手話を通じて話をするという、ちょっと変化球。
子育てについても考えさせられる。

よし、次も読むぞ。

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