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「天国は待ってくれる」(1943年)を見た

「天国は待ってくれる」(1943年)を見た。

 年老いて死んだ主人公が地獄の王に、自分の生涯を回想形式で語るファンタジー・コメディ。生前の行いが元で地獄に落とされた男ヘンリー。マーサという愛妻がいるにも関わらず、多情な彼は数々の女性遍歴を経ていたのだった。やがてサタンの前に引き出された彼は、安らかな表情で自分の犯してきた過ちを語り始めるが……。
(yahoo!映画より)

エルンスト・ルビッチ監督作品ということで、気になって見てみた。
と言っても、ルビッチに詳しいわけでもなく、ただ「名前、聞いたことあるなぁ」程度だが。

エルンスト・ルビッチは、wikipediaによると

人物の位置や視線などの映像表現によって人物の感情を描く、独自の「ルビッチ・タッチ」を確立
その映画は、ビリー・ワイルダーや小津安二郎らの作風に影響を与えた

とか。なかなかに興味深い。

さて、作品の感想。

まぁ、上品。
数々の女性遍歴とあらすじにあるが、現代の感覚で見れば、地獄に落ちるほどでもない。(私の倫理観が弛いわけではないはず(笑))
いや、ほんとはものすごいひどい男なのかもしれないが、描き方がね。ふんわりしてるから。

1943年の映画ですからね。
逆にそんな古さを感じないところが、すごいかも。
生真面目な従兄弟、チャーミングなおじいちゃん、魅力的な妻…
こういうのは、キャラとして普遍的なんでしょうね。

主人公は2度ほど、妻を連れ去るんですが、その時、さっと、妻をお姫様抱っこするんですよ。その立ち居振舞いが美しくてね。

後、最後の小物の使い方も、急にね、主人公の愛を感じさせたりね。

この作品は、ソフィスティケイテッド・コメディ(男女の気の利いた都会的な会話のやり取りでストーリーを展開させる作品)という分類になるみたいだけど、本当に、洗練された感じが素敵。

ま、退屈に思う人もいるとは思うけど、機会があれば、洗練された世界を見てみるのも一興かと。

恐縮です