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第56話 あとがき レッドブル優勝記念、全文公開キャンペーン!

「ローグワン」という映画があるんですけどね。
私これが本当に好きで、勧めまくりたいんですが、お勧めできない事情もあるんです。というのもこの映画、スターウォーズのスピンオフなんです。でも全体的にSF感はなく、どちらかというと戦争映画っていう趣です。
この一本だけをみてももしかして面白いんじゃないか?
ということは勧めていいんじゃないか?
という気もするのですが、「ローグワン」という映画体験の最初の一回を、前情報なしで見ることが果たしてその人にとって幸せなのか…と考えると、「ローグワン」を体験するには、やっぱりスターウォーズシリーズは全部観ておいてもらって、できればアニメの「クローンウォーズ」も履修しておいてもらったほうがより深く味わえるに決まっている…
こう考えると「ローグワン」をお勧めするためにまず映画六本とアニメ全7シーズン133話を観てくれ、ということになり、よっぽどの暇人にしか勧められない、そんな暇人はこの不景気時代私の周りに1人もいません、という結論に至り、勧められずにおります。
でも「ローグワン」めちゃくちゃいい映画なので、「ローグワン」を見るために頑張れる方は頑張ってみてください。
さて、私の中でもう一つ、お勧めしたいけどできないな、というものがありまして、それはF1です。漫画を描く以外で言えば、F1が私の人生のワクワクナンバーワンです。めちゃくちゃ面白いんです。一言で言うと私はF1に種が進化していく時のような生き残りの蠢きを観ている気がします。何が起こるか分からない、かといって全て運任せでは勝てない。でも漁夫の利的なことが起きなくもない。ヒリヒリソワソワワクワクで楽しいです。
なのになぜ勧められないかと言うと、専門用語が多すぎて解説きいても何を言ってるのか全く分からないからです。熱意を持って勉強すれば、そりゃわかるとは思いますが、にっしーの隣でなんとなく観ていて、なんとなく「DRSっていう必殺技みたいなのがあるんだなー」(必殺技ではない)とか「3種類のタイヤのうち2種類は使わないとダメなんだなー」(本当は5種類のうちの3種類のうちの2種類)とかぼんやり分かってきて、興味が湧いたら質問したりして、だんだん言葉がわかるようになって「あ、これ面白い」と気づくのに10年かかりました。最初私があまりにも興味がなさすぎたのもありますが。

今回の第56話は、その一番最初の話です。
私がまだF1の面白さに気づいていなくて、ぼんやりとBGMのように心地よく感じたことを描きました。今では手に汗握って画面に前のめりに観てしまうので、この時のハルちゃんのような味わい方はできなくなってしまいました。
あの時もあの時で、良かったんですよね。懐かしいです。

では今日も元気に行ってみよー!

油絵はとても扱いにくい画材です。
ヌルヌルして乾かないので、描写しようと思っても色が混ざって汚くなってしまったり、水彩のようにふぁーっと塗りたくてもこれまた乾かないので、ダラダラと垂れてきてしまったり。始めたばかりの頃は、その扱いにくさしか感じられず、絵作りどころではないです。何度も悪戦苦闘し、問題を解消するためにはどんな溶剤が必要なのかを試し、1年くらい経ってようやく少し思った通りに描けるようになったな、と感じられたくらいでした。
でもいきなり油絵から始める訳ではないのです。
まずは木炭デッサンというのをやります。その名の通り木炭でデッサンするのですが、鉛筆との違いは、トーンを入れる速さと画面への定着しにくさです。例えば、A4大くらいの面にワントーン色を入れるのに、木炭だと10秒かかりません。コピー用紙をグレーにすると考えてください。鉛筆だと、早くても1、2分はかかりそうですよね。でも鉛筆はそのまま定着してくれます。消しゴムを擦り付けない限りはなかなか消えません。木炭は違います。画面を一回デコピンするみたいに弾くだけでサーーーっと落ちていきます。これを落ちて行かないように画面にこすり込んだり叩き込んだりしてなんとか定着させる、という作業が必要になってきます。
木炭は、このトーンを入れるのが早い感じと、その後描写するまでにトーンを定着させる工程が、なんとなく油絵と似ていて、だから油絵科志望の学生は木炭デッサンから始めるのかな、となんとなく思っています。
鉛筆で始めるか木炭で始めるかの違いはこういう感じだと勝手に思っている訳ですが、もう一つ「デッサン」から始める、という点も重要になってきます。
冒頭でも言った通り、油絵具はとても扱いにくい画材です。その扱いにくい画材で、デッサンも初心者だと、画面が思い通りにならなかった時に問題がどっちにあるのか分からないのです。つまり、デッサン力がないから思い通りに描けないのか、画材に慣れていないから思い通りに描けないのかが分からないという事です。
なので、まずは木炭で、ある程度思い通りデッサンできるようにしておいて、それから油絵具を扱い始めると、「一体何が問題なのかわからないけど思い通りに描けない!」という状態を回避できるのではないかな?と思います。

さて。今私は、これまで「一体何が問題なのかわからないけど思い通りに描けない」という状態だったんじゃないかな?と思い当たりました。
それに気づいた理由は、百均でボールペンを買ったからです。
そのボールペンは「耐水性水性顔料インク」と書いてありました。
(ベタで使ってる筆ペンと同じだな…ってことはこれで描いてもいいのかな)
と思い、描いてみると、滲まないし、見た目もつけペンと変わりません。それでいて引っかかりも少ないので、トーンはつけペンよりも負担なく入れられます。線は均一で表情があまり出ないので、私の理想とする主線のイメージではないですが、背景には使えそうです。
(ふむ…)
と考える私。
そこで、油絵を学んだ時のことを思い出し、
(あ、私もしかして扱いにくい画材で、習得してない描き方をやろうとしてんじゃないかな?てことはまずは扱いやすい画材で描きたい描写を習得するとことから始めるべきなんじゃないかな)
という考えに至りました。

というわけで、はい。ボールペンが仲間に加わりました!
イェーイ!

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