健康経営ゲームを体験して考えた結果。
経済団体が主催する健康経営ゲームに参加してきました。健康経営宣言を一つでも多くの会社に広げていくためのもので、ゲームでその大切さを体感しようというものですね。
最近はいろんなことをゲームにしたり漫画にしたりってのが多いですね。それだけ、わかりやすさを求められているということでしょうか。
当社も健康経営宣言をしているものの、だからといって特別な取り組みをしているわけではありません。だめですね…。
もちろん、健康診断はしてますし、エレベーターはもともとないので階段ですし。そういったちょっとした取り組みから始めていきましょう!ということだそうで、まずは現状を点検すれば良さそうだとわかりました。
従業員が身体も精神も社会的にも健やかに日々を送りながら働く環境を整えることは、生産性を向上させ、経営的に業績との相関関係も科学的根拠があるそうで、それは納得なわけです。
本来の目的はここにあるのに、なかなか伝わっていないという話がありました。なるほど。
ずーっとあった違和感を深ぼってみた
こういう、世間で推進される活動で声高に叫ばれている施策ってなかなか違和感が大きかったり、手段の目的化が発生しがちなものだと感じています。健康経営も私に取っては、正直そういうものでした。
経済団体に属していると、次々に協力要請が来るわけですが、そのまま取り組実を実行してしまうと、従業員の立場に立ってみれば「あれもこれもやってね」と矢継ぎ早に飛んでくる命令のようでもあります。
本来の意味やその施策を導入する意図が自社内で整理され、説明されて、共感を得ていなければ、気持ちよく実行するのは難しい。
今回は、健康経営を体感するゲームというものに参加したわけですが、ゲーム自体は面白いものでした。ただ、なんとなく違和感を感じたのです。じゃあ、それってどこからくる違和感なんだろうと考えてみたのです。
違和感の正体
端的に2つありました。
1つ目は、管理的になりがちなところ。先にも書いたように施策を実行することが目的化したり、意図が伝わらなかったりすることがあると管理的に感じるなということ。そしてそもそもトップダウンで実行するものは何にしてもそう感じる人が出てくるのは否めません。
2つ目は、前提とされている企業モデルです。なんとなく、従業員の健康を害しているのが企業であるという前提があるように感じてしまったのですね。
そういう会社が多いということかもしれませんが、そういう会社ばかりじゃないわけで、それを素直に飲み込んで取り入れるというのは、なんかちょっとなぁと。
社員にとって良い会社は、こういうことをやってる会社ですよ!と規定されている気がしたんですね。「やらないと最近では採用も難しいんですよ!」みたいな小ネタも挟まれていて、なんだかちょっと悲しい気持ちになったのです。
モデルとして用意された内容がネックだった
「健康経営を取り入れています!」と言えるのはどんな状態かってことが、わかりやすく項目表にされているのですが、それってあくまでも参考としての指標であるわけです。でも、会社として経営陣がそのまま導入した場合、従業員にとっては命令に感じるリスクがあるなぁと。
わかりやすいだけに、あまり考えず取り組めてしまう。いくら経営陣が推奨程度にしたとしても、従業員にとってはタスクの一つになりかねないなぁと感じています。「またなんか言ってるよ」って受け止められちゃう危険性がある。そんなことは個人の自由であると言われかねないなぁと。
書いてあることは至極真っ当で難しいものでもなく、やれば本当に良いものだと思います。ただ、実行するときの実行者それぞれの納得感が大事だなぁと思うわけです。
例えば、朝にラジオ体操をするような習慣がある組織でもなく、日々の労働環境においてある程度の裁量を社員に与えている企業にとっては、それぞれの価値観を尊重することが大事になるわけで、まずはこの取り組みをどう感じるかを知ることから始めなくちゃうまくいかない。書いてあるものを実行するだけでは、やらされていると感じて逆効果な気がするわけです。
カスタマイズすることが大事
手段の目的化にならないようにしなくては。会社としてはこういう考えで賛同していて取り組みをしていきたいと考えているけど、みんなどう思うかしら?といった問いかけをする。そこから始める方が、それぞれの組織にとってマッチしていく取り組みになるのではないでしょうか。
それぞれのwell-beingを考えることから
例えば、身体と精神と社会的な幸せと並べた時にどんな状態がいいのか?といった平均的な具体的な事象が並んだ途端、なんだか押し付けがましくなる。そこには、個人の価値観は介在していないから。
私にとってのwell-beingと、あなたにとってのwell-beingを知ろうとするところから始めたいなぁってとこに辿り着いたわけです。
ちなみに、今の私にとってのwell-beingには「長生きする」の文字よりも、今日が良き一日だったなぁって、お布団に入った時に思えるかどうかのほうが優先度が高かったりします。そして、私にとっての良き1日とはどんな状態を指すのか。
健康経営だけじゃなく、ダイバーシティインクルージョンも、労働生産性向上も、働き方改革も、企業の子育て支援も、たぶんぜんぶ、従業員のwell-beingとは繋がっていて、だから大事よねって結論になったわけです。
経営する上で、どんなことを目指して、故にどんな環境を用意するかを助けるパーツ的ツールであって、それらを含めた大きなところを考えるのが私の仕事なわけですね。
正直なところ、今これを話しましょう!といっても、繁忙期まっただなかでは難しそうです。また、折を見て話せる時間をとっていこうと思った次第です。
今回は、これだけのことを考える良き機会をいただけでも参加してよかったですね。健康経営に取り組む最初にこのゲームやったらいいかもねって思いました。
▼今回のゲームをしてくれた企業さん
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