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勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方vol.15「SAJ2022の裏話」

3月26日にSAJ2022が無事に終わりました。

なんだかんだで4ヶ月近く準備を進めてきたので、終わった後はぐったりしました。ただ翌日に大和シルフィードの開幕戦があったこともあり、余韻にあまり浸ることなく、平日は仕事をして、仕事が終わったら大和シルフィードの作業をする、というスケジュールが続いているので、時間の余裕も、気持ちの余裕もなく、毎日が怒涛の勢いで進んでおります。

振り返る余裕もなかったので、今回はSAJ2022当日のことを振り返ってみようと思います。


朝8時過ぎに会場のCIC Tokyoがある虎ノ門ヒルズに到着。1Fロビーで実行委員の皆様と合流。1Fロビーで入館証を受け取って中に入ろうとすると、理事の千葉さんが「スマホがない」と慌てる。僕がスマホを鳴らしてもスマホが近くにない…困っていると、今回事務局としてサポートしてくださっている日本データサイエンティスト協会の小島さんが持っていたことが判明。事なきを得る。

小島さんとは僕が日本データサイエンティスト協会主催のセッションに登壇して以来のお付き合い。あのときのセッションでは最前列に「シン・ニホン」の著者である安宅さんが座っていて、僕らのセッションをニコニコしながら聞いていて、セッション途中でひと言「面白い!」と言ってくださったのが本当に嬉しかった。CIC Tokyoに着いた後に小島さんと安宅さんと仕事をする大変さについて教えてもらう。

今回の控室はCIC Tokyoの会議室。CIC Tokyoの会議室はすべてアーロンチェアなので一同驚く。会場をざっと下見した後、控室にこもって作業。控室で作業していると、横浜商科大学の永野先生と雑談。永野先生は「ミラクルボディ」という番組でイニエスタとシャビにカメラをつけて分析をしたときの監修を務めた人。永野先生に僕が大和シルフィードで取り組んでいることに興味があるようで今度詳しく教えて欲しいという話に。こういう面白い話が控室で始まるのがSAJ。

今回SAJを手伝ってくれているメンバーの一人がフランス・リール大学院でスポーツビジネスを学んだ岩沢さん。岩沢さんとはオンラインでしゃべったことがあるけどリアルでは初対面。挨拶がてら雑談。

岩沢さんと話していると、MIT Sloan Sports Analytics Conferenceを立ち上げたJessica Gelman氏とのセッションに登壇した細田さんが来たので細田さんにご挨拶。

細田さんは最近「Women with Sports」というグループを立ち上げたので、細田さんの活動について大和シルフィードという女子サッカークラブをサポートしている人は興味があるので、細田さんと発起人の豊田さんと雑談したいと提案。後日大和シルフィードのメンバーにも相談して快諾を得たので、オンラインで雑談することに。とてもとても楽しみ。

細田さんや豊田さんと話していると、筑波大学大学院に在学中の内田さんとアトムさんが会場に到着。2人ともFCバルセロナのデータサイエンス部門の責任者だったRaul Pelaezとのセッションを取り仕切ってくれたので感謝を述べ、感想を話し合う。2人とも口数は少ないけど「面白かった」「これを続けたい」と話してくれたのは嬉しい。おじさんの話に付き合いながら、空いている時間に2人は黙々とコードを書いていた。

午前中は控室でゆっくりしつつ、来場している登壇者や関係者に挨拶。Hudlの高林さんはRaul PelaezとのYouTube Liveで通訳をお願いしたのでその話をしたり、ホッケー日本代表アナリストの川口さんと近況を話したり、データスタジアムから岡山経済大学に移った久永さんからは大和シルフィードのことをいろいろ質問される。

そんなことをしていると、控室に竹澤さんと九鬼さんがやってきたと聞き、慌てて控室に。控室に到着すると2人とも早速「DEPLOY & BOOST」とプリントされたTシャツを着ている。さすが関西人。ノリがいい。竹澤さんとは2回目、九鬼さんとは初対面。九鬼さんはオンラインで会話した印象通りの明るい関西人で一安心。控室で雑談していると、僕らの後に斎藤佑樹さんとのセッションに登壇する馬見塚先生が入ってきて、3人でメディカルトークがスタート。さすがに僕もついていけずただただ聞くだけ。

控室で盛り上がった後セッション会場に。セッション会場に到着して中に入ろうとするとちょうど到着したばかりの斎藤佑樹さんとばったり。竹澤さんと斎藤さんは旧知の仲だそうで豪華な雑談が始まるが見事に2ショット写真を撮り逃がす。そして斎藤さんはそのまま最前列で聴講。モデレーターの目の前で座ったため、斎藤さんにじっと観られながらセッションするという貴重な経験をすることができました。

なお、スライドを映そうとしたらなかなかスライドにつながらないトラブルで開始が5分遅れる。これは僕の問題なので本当にすみませんでした。セッション自体は九鬼さんと竹澤さんの軽妙なトークに助けられ盛況なうちに終了。終了後の記念撮影は竹澤さんの横で写真を撮るということでとても緊張。イケメンの横は辛い。

セッション中「外苑前野球ジム」の話題を取り上げたら、なんと外苑前野球ジムの伊藤さんが聴講していてご挨拶頂く。とてもとても注目している施設なのでお声がけ頂き嬉しかった。いつかジムを見学してみたいと思います。

セッション終了後は控室に戻り、Twitter Spaceでnoteの藤里さん、WRCトヨタのデータエンジニアを務める山下さん、竹澤さん、九鬼さん、西原の5人で雑談。「人もモビリティ」というテーマでの雑談だったのですが、予想以上に盛り上がりました。特にWRCの映像に竹澤さんと九鬼さんが「頭おかしい」と反応していたのには笑いました。

竹澤さんと九鬼さんが会場を離れた後、大和シルフィードの櫻林さんがいらっしゃったので挨拶をした後、浦和レッズの西野さんのセッションを観て、Hudlの高林さんと雑談。櫻林さんと細田さんは同じゼミだそうで世間は狭い。翌日は大和シルフィードの試合があるので試合会場で会いましょうと話をする。

控室で少しまったりしつつ、内田さんとアトムさんと20時から始まるYouTube Liveについて雑談。こちらでも質問は用意しつつ、質問がこなかったらききたいこときいてやろうぜ!と話す。2人ともとても信頼できるのだが、やはり緊張している。そりゃそうだ。相手はビッグクラブで長年責任者だった人物であり、自分たちが興味があるキャリアを歩んでいる人物だからだし。

19時を過ぎたところで、事前準備を兼ねてYouTube Live会場に移動。セッションをしていた久永さんと西内啓さんと雑談。西内さんと久永さんは、以前筑波大蹴球部をテーマにしたセッションに登壇頂いたことがあり、アトムさんと内田さんとは旧知の仲。4人で終わった後に食事にいく約束をして、YouTube Liveの準備に。

高林さんも合流して設営していたらRaulが開始15分前に入ってくる。本当にいいやつ。真面目なラテン。アイスブレイクを兼ねて先週のクラシコについて雑談。クラシコについて話すRaulはただのサッカーファンだった。楽しく話していたら時間がきたので、参加者の質問とこちらで用意した質問を聞いていく。

まずRaulに「なぜ日本のスポーツアナリティクスカンファレンスに、なぜ学生とのセッションに参加しようと思ったのか?」という質問を投げかけてみた。こんなに協力的なのはありがたい反面、とても不思議に思っていたからだ。

Raulの答えはとても明快だった。自分がBarca Innovation Hubで培った知見や経験を多くの人とシェアすることでサッカーを発展させたい。オープンに様々な人と関わることがイノベーションにつながる。たしかこんな答えだったと思う。しびれた。これはしびれた。本当にしびれた。なぜなら、糸井重里さんが提唱していた「インターネット的」な考えと同じだったからだ。

その後「バルサを辞めて何をしようとしているのか?」「Barca Innovation Hubに優秀な人が集まる理由」「サッカークラブに関るコンサルタントが増えている理由」「海外の大学院でおすすめの大学」「監督ならないの?」といった質問を聞く。僕はひどいやつなので「人間は囲碁やチェスでAIで勝てなくなりました。サッカーでも同じようなことは起こるとおもいますか?」という質問をしたりした。ひどい。でもRaulの回答は最高だった。

なおタイトルの「Taggerなスポーツアナリストに未来はあるのか」はセッション内でRaulが話していた言葉が元ネタ。

高林さん、アトムさん、内田さんもだんだん画面を食い入るようにみつめるようになり、45分があっという間にすぎていった。最高に楽しい時間でした。Raulとは「また何かやろう!」という話をしたので、続きをお楽しみに。こんな感じでSAJ2022はあっという間に終わりました。

今回のSAJ2022を終えて感じたのは、SAJは当初はスポーツアナリティクスを啓蒙したりスポーツアナリストの地位向上のために開催されたイベントでしたが、少しずつイノベーションを促進するイベントに変わりました。異なるバックグラウンドを持つ人が、スポーツとアナリティクスを使ってイノベーションを起こす種を作るイベント。そんなイベントに育っているなと確信しました。元FCバルセロナの人や、箱根駅伝に出場した人も出るし、小学校の先生も登壇する。スポーツアナリティクスの事例も多様化し、競技の現場以外での事例も増えてきました。変化を起こせるプレーヤーも増え、いよいよイノベーションの拠点としての存在感が増してきている。そんな印象を持ちました。

一方でSAJにそういうことを求めていない人もいると思います。今回のイベントの反応をみていると、そのギャップも顕著になった気もします。SAJを長年サポートしてきた企業のなかには、自社でSAJと同じようなことができる企業も増えてきているので、SAJをスポンサードする理由を見いだせなくなっている企業もあると思います。今後どう進めるとよいのか、改めて課題も浮き彫りになったのではないかとも感じました。

僕は今回のSAJをきっかけに、海外の関係者との関係構築を強めていこうと思いました。英語もスペイン語も苦手でしたが、今回のセッション企画は得るものが本当に多く、最近マンネリ化してきていた自分自身にとってもよい刺激になりました。今回のSAJをきっかけに自分自身できることをいろいろやってみようと思います。

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