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デジタルマーケティングの仕事で身につけたスキルをサッカーの分析に活かしているという話

スポーツに関する仕事を手伝うようになって、よく聞かれる質問の一つに「どうやって分析の仕方を身につけたのか」という質問がある。現在サガン鳥栖でヘッドオブコーチングを務める白井裕之さんがアヤックスのアカデミーのスタッフだった頃にお会いしたとき同じような質問を受けた。

僕は誰か師匠がいたわけではないので独学なのだけど、主に3つの要素が僕のサッカーを観るときの基準を形作っていると思う。

1つ目はサッカーやスポーツの知識。僕はスポーツやサッカーに関する書籍は何でも読むし、雑誌も読むし、テレビ番組はだいたいチェックしている(さすがにDaznやスカパーを全部追いかけるのは難しくなったけど)。好きだから自然とやってることなのだけど、好きでやってるから自然と頭に入っているのかもしれない。

2つ目はサッカーやスポーツ以外の知識。スポーツやサッカーに関係なく書籍を読むのは好きなので、時間をみつけて目を通している。最近は時間があるとよくD&DEPARTMENTのd design travelを読んでいる。地域の名産品やおすすめスポットの情報を読んでいると観光しているような気分になるし、旅行に行きたくなる。

最近家に置くソファを探していて、カリモク60の家具が気になったところからD&DEPARTMENTにたどり着いた。こうやってインターネット的にちょっとしたきっかけから、違うところにたどり着いて深堀りしていくことで、様々な知識や経験を身に着けたような気がする。

3つ目はWebディレクターの仕事をきっかけに10年以上関わっているデジタルマーケティングの仕事で身に着けた「情報整理」の技術。実はこれが僕がスポーツやサッカーを分析する上での強みだと思う。

デジタルマーケティングの仕事をしていると、必ず「ユーザーは何を求めているのか」という話をする。相手が何を求めていて、自分は何をしたらよいか。デジタルマーケティングの仕事をしている人でよい仕事をしている人ほど、この考え方が染み付いている。「自分が何をやりたいか」ではなく「相手が求めていることを実現させるにはどうしたらよいか」という思考ができるのだ。

例えば「家具が欲しい」という人にどうやって自社の家具を買ってもらうかを考えるとき、家具が欲しい人はどんなニーズを持っていて、どんな悩みごとを抱えているのかを考える。そして、悩みごとがどうやったら解決するか。解決した上で家具を売るにはどうしたらよいか。自分たちのやりたいことと、相手が求めていることを一致するポイントを探るため必要なステップを分解して考える。この「分解して考える」「整理する」といった考え方をサッカーを分析するときに活かしている。

サッカーの場合は「得点が入らない」という問題があったとすると、得点が入らない理由を分解して考える。シュートが下手なのか、ゴールから遠かったり角度が厳しいなど難しいシュートチャンスが多いのか、そもそもシュートチャンスが少ないのか、など細かく分解して調べる。よく言われる「決定力不足」という言葉には、多くの問題がもやっと集約されているので、もやっと集約されている言葉を噛み砕いて分析していく必要がある。

僕は問題を砕いて具体的にすることを「分析」だと思っているのだけど、スポーツの分析に関わる人やスポーツで分析やってみたい人の多くの人は数字を集計してソフトを使うことを「分析」だと思っている。課題を発見することは「分析」とは言わない。知識は発見するときの見方を提供してくれるけど、問題を具体化するには違う方法を使わなければならない。

僕が風間八宏さんという人に興味を持ったのは、マーケティングの仕事をしている人からすると、スポーツの世界では珍しく同じプロトコルで話をしている人だと思ったからだ。
風間さんを「止める蹴るの人」という理解で終わらせている人が多いけど、風間さんほど言葉を噛み砕いて具体化して話せる人もいないのでもったいないなぁと思う。風間さんから学ぶべきは思考法だと思う。事象をブレイクダウンして根本的な原因をみつけ、改善するのに長けている。それが風間さんの強みだと思う。

そんなわけで、マーケティングの仕事をやっている人がなぜ風間八宏の考え方が面白いと思ったのかを、note有料購読マガジン読者むけにコラムを書きたいと思います。毎週土曜日に更新したいと思いますのでぜひ読んでください。


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