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2018年J1第29節 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ プレビュー「意外な共通点」

2018年J1第29節、川崎フロンターレの対戦相手は鹿島アントラーズです。この試合を前に、Football-labのデータを元にした、両チームの意外な共通点について紹介したいと思います。

シュートを打たせない守備が上手い両チーム

1点目は、両チームとも「シュートを打たせない守備が上手いチーム」だということです。

攻撃を受けた回数に対して、シュートチャンスを作られる確率を示す「被チャンス構築率」が、川崎フロンターレは7.8%、鹿島アントラーズが8.8%で、リーグ1位と2位なのです。ともに1試合平均でシュートを打たれる数が、川崎フロンターレが9.0本、鹿島アントラーズが10.9本で、このデータもリーグ1位と2位。したがって、この試合は「シュートが少ない」試合になる可能性もあります。

一方で、川崎フロンターレはリーグで最も「シュートチャンスを作るのが上手い」チームでもあります。シュートチャンスを作る確率を示す「チャンス構築率」は、13.9%でリーグ1位、1試合平均のシュート本数は16.0本でリーグ1位です。鹿島アントラーズが1試合で打たれているシュート数より5本以上多いことになります。

2018年シーズンの川崎フロンターレは、シュート成功率がなかなか上がらず、9.4%でリーグ10位。つまり、10本以上打たないと1点入らないということでもあります。

川崎フロンターレが10本以上シュートを打てるような試合展開であれば、川崎フロンターレが優位に試合を進めているということでもありますが、シュート数が少なければ、鹿島アントラーズが優位に試合を進めているということでもあります。川崎フロンターレのシュート数に注目してください。前半で一度データをチェックしてみることをおすすめします。(今日は試合時間中に運動会があるので、Twitterなどでフォローできないのが残念)

ボールを「持たせる」鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズの直近リーグ戦3試合のデータを調べていると、あるデータに目がとまりました。それは「ボール支配率」です。

僕は、あまりボール支配率を重視していません。ボールを保持する時間が長いことよりも、いかに敵陣にボールを運べているか、敵陣のなかでもペナルティエリア内にいかにボールを運べるかに注目しています。

昨日ちらっと見たヴィッセル神戸対V・ファーレン長崎との試合で、ヴィッセル神戸のリージョ監督が、ベンチを飛び出して、ティーラトンに対して目の前のスペースを手で差して「スペースが空いているのだから、早くボールを運べ!」と言わんばかりに指示をだしていましたが、ボールはただ持っていても意味はありません。ボールを持っているチームは「攻撃する権利」を持っているチームなので、権利は実行しなければ意味がないのです。

鹿島アントラーズのデータで興味深かったのは、直近リーグ戦3試合のボール支配率が、すべて「相手を下回っていた」からです。

ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌のように、ボールを保持したいチームとの対戦だけでなく、湘南ベルマーレとの対戦でもボール支配率が下回っていた(鹿島アントラーズのボール支配率は48.7%)のは意外でした。

しかし、3試合ともシュート数で上回っているのは鹿島アントラーズでした。鹿島アントラーズは、ボールを相手に「わざと持たせ」、相手が攻撃に出てきたときに作ったスペースを、ボールを奪った後に上手く活用して攻撃しているのだと思います。

鹿島アントラーズの守備は、積極的にボールを奪いにくるというよりは、ある程度相手を自陣におびき寄せてから、ボールを奪おうとしているのではないかと予想しています。

実は両チームの共通点がもう1つあります。それは「1試合平均の走行距離」です。鹿島アントラーズが108.700km、川崎フロンターレが107.474kmで、実はこの2チームが、Jリーグの中で最も「走らない」2チームなのです。

ただ、鹿島アントラーズは1試合平均のスプリント数は、リーグ5位の165回。この数字からも、相手をおびき寄せて、すばやく攻撃していることが想像できます。川崎フロンターレは、ボールを保持することが予想されますが、攻撃時には鹿島アントラーズが張り巡らしている「罠」に自ら飛び込んでいく勇気が求められる、というわけです。

90分通してリスクを犯す必要はない

ただ、90分通してリスクを犯して攻撃を仕掛ける必要はありません。サンフレッチェ広島が敗れたので、川崎フロンターレとしては引き分けでもOKな試合です。もし同点で残り5分という局面であれば、無理せずに試合を終わらせてもよい試合です。状況によっては「わざと」ボールを渡してもよいのです。

リーグ戦は全勝できれば最高ですが、全ての試合に勝てるわけではありません。リーグ終盤になると、1試合の重みが増してくるので、全て勝たなければならないように感じますが、そんなことはありません。サンフレッチェ広島が負けることもあります。

相手は残り試合を全勝しなければならない立場で、川崎フロンターレはそうではありません。優位な立場を活かして、上手く試合をコントロールしてもよいのです。同点で残り5分という時間だと、リスクを犯して攻撃を仕掛けてくるのは鹿島アントラーズです。

川崎フロンターレは前年度のチャンピオンなのですから、堂々としていればよいのです。チャンピオンらしい試合を期待したいと思います。


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ピンチはチャンス
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プロ・スポーツレビュアー。note「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で #川崎フロンターレ #ビジャレアル と #Bリーグ のレビュー連載中。趣味は愉快な人同士をつなぐこと。#coffee ☕好き。