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平日ほろ酔い

6月最終日。
超過残業がかさんでいたことと夕刻の予定は任意参加のものばかりだったことを受け。16時でフレックス退勤。当日の決定だったけど妻と近所に飲みにいくことにした。

太りやすい体質なので…あまり調子に乗って飲まないように「飲酒は週1回」と決めているのだけど。さすがにこの暑さはビールを飲むにはちょうど良い。夕方ぐらいからはじめるには最高の日と思った。

17時に予約したお店に行き。注文の品を待つ間にビール大瓶を7割方消費してしまい(笑)。コップ1杯をちびちびやりながら食べるものを片付け。

せっかくだから河岸をかえようとお酒の品揃えが豊富なお店で角打ちをしてきた。角打ちと言っても立ち飲みではなく、缶詰とかを当てにビールケースの上にベニア板を乗せたテーブルがある店でもない。ちょっと上品な感じのお店で割とレアなお酒を出してもらえる。

ほろ酔いになっても、あるいはそうでなくても。

夫婦の会話は相変わらず愛犬のことばかりで。

別にリビングの模様替えとかこの夏の旅行の計画とか。今までできなかったことについて話せば良いのだろうが、未来の話ができるほど割り切れてもいないのが現状。ただ、お酒の力とは偉大なもので、シラフの時には口に出すのを躊躇する「本音に近い気持ち」は吐露できる。

言っても仕方ない、思っていてもどうにもならない後悔の念とか。

第3者に聞かせると「あんなに一所懸命頑張ったんだから、ワンちゃんもきっと感謝してるはずだよ(だからそんな陰気な話はやめてくれないか?)」となることがわかっているから口に出せないものもお酒の力を借りると口に出せるし相手がそれを話しても共感できる。

たぶんこの気持ちは、バンジージャンプのロープを足に結ばれ。飛ぶための踏み板のところに立っている状態=今であり。

そこで「こわいこわい、絶対に大丈夫?」と逡巡しているのが私。
係員の方は早く飛んで欲しいから「じゃあカウントダウン行きます!(早く飛べよ!)」と言ってる状態。これが周囲の人。

過去は変えられない、未来に向けて生きよう。

…だから一歩踏み出す勇気=バンジージャンプを飛ぶと仮定。

うん、馬鹿じゃないからわかっているけど。
でも、バンジージャンプを飛ぶに至る過程・心象風景をちゃんとしておかないと「ただ飛んだだけ」になってしまう。

愛犬の死も同様。死ときちんと向き合い、心をちゃんと整理し、残すべき記憶をちゃんと刻み込み。そして忘れてしまって良いものは忘れる。

辛い記憶だけ忘れ、楽しいことだけを残すのではなく。それぞれ、応分に残す。その取捨選択をしているのが今。

それをガバガバにして、旅行に行って美味しいものをたべて気持ちを切り替える…だと過去も未来も中途半端になる気がする。

だから、いつまでもうじうじと繰言を…という状態であることを知りながら、お酒を飲みつつ愛犬の話をする。共有し、共感すれば少し解決につながるかもしれない。

元来、早食いでお酒をあまり嗜まなかった私として。
お酒が好きな妻の長っ尻は好むところではなかったけど。今は愛犬の話題、美味しいビール、少しのおつまみという3点セットが結構気に入っている。

忘れること、前を向いて生きる、今を楽しむ。

…それをしてすごく良いことと思えるほど器用な性格をしておらず。

気の済むまで、愛犬の記憶を整理し、分解し、腹落ちするまで逡巡する。

当面はそうして生きていこう。

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