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会話力を上げる方法

「会話力を上げたい」という意識を、ぼくは社会人になってから持つようになった。当時は放送作家をしていたのだが、自分の会話力が低いことが自覚できたので、これをなんとか上げたいと思ったのだ。

ぼくが苦手だったのは、会話における当意即妙なリアクションだった。相手の発言に対して、気の利いた返しができなかった。そのことは、放送作家として生きる上では大きな障壁となった。だから、かなり真剣に改善を図ろうとしていた。

ところが、そうして放送作家を続ける中で、やがてそれ以上に大きな障壁が立ちはだかった。それはディレクターに迎合できないということだった。しかも、そのことは上司からいくら諭されても改善する気になれなかった。ぼくは会話力は劣るが企画力や知識量は当時から周囲を凌駕していた。だから、企画力や知識量に劣るディレクターに迎合することができなかったのだ。また、それで頑固者とのそしりをうけようとも、自分はこれでいいとそれを曲げる気持ちにすらなれなかった。

おかげで放送作家ができなくなり、そこからニート生活が始まった。運良く秋元さんに食わしてもらっていたが、それを6年続けてとうとう限界に達し、ニート生活は終わって運転手になった。

ところで、不思議なことにこのニート生活をしていた6年間で、いつの間にかぼくの会話力が上がっていた。なぜなら、その間にたくさんの気軽な会話をしたからだ。ぼくはニートはしていたが引きこもっていたわけではなく、会社の仲間がいたので彼らとさんざん遊び、さんざん気軽な会話をしていた。そのおかげで、いつの間にかぼくの会話力はかなりのレベルに到達していたのだ。

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