見出し画像

台風7号・高齢者施設は昨日午前8時半時点で「被害報告無し、引き続き情報収集に…」

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和5年8月18日(金)第1048号*****

◆◇◆◆◆─────────────
台風7号・高齢者施設は昨日午前8時半時点で「被害報告無し、引き続き情報収集に…」
─────────────◆◇◇◆◆

 今週火曜(8月15日)和歌山県に上陸した台風7号は、昨日(8月17日)北海道の西で温帯低気圧に変わった。この間、主に関西地方の各府県を中心に停電・断水等が生じたが、直近の情報では、高齢者施設等での被害は報告されていない。

 厚生労働省は、一昨日(8月16日)午前8時30分時点の「台風7号の被害状況」について「高齢者関係施設は、現時点で被害報告無し。引き続き情報収集に努める」等と発表した=画像・厚労省HPより。黄色のラインマーカーは、弊紙による加工

 ただし医療機関では1件、大阪府八尾市にある施設が被災し、停電と断水が生じたが、断水は8月15日に解消し、停電は8月16日朝時点で「施設の一部で停電が続いているものの、自家発電機を稼働させて対応中で、入院患者の診療に影響なし」としている。

 台風7号の発生を受け、厚労省は日本列島に上陸が予想される前の8月10日に「災害情報連絡室」を設置した。ここから全国の都道府県等に対して「台風の影響による社会福祉施設等の被害情報の収集体制の確保や、停電時の支援体制の確認をして頂きたい」

 「同時に、速やかな被害状況の把握と情報提供をお願いする」等と依頼した。また、都道府県等を通じて、社会福祉施設等の管理者に対し「気象・防災情報や、ハザードマップに留意して頂きたい」

 「併せて、早期避難など必要な対策をとるようお願いしたい」等と注意を喚起していた。結果的に「高齢者関係施設は、現時点で被害報告無し」だが、一般家庭等では断水の被害が三重(3市)・京都(2市)の広範囲に及んだ。

 【一般家庭では断水が、三重と京都で約6,385件発生し、熊野市で約9割を……】

 これら5市では断水が、台風が上陸した8月15日から被害が発生し、最も被害が大きかった時点で約6,385件起きた。この中で特に、三重県熊野市は全体の約9割近くを占める約5,670件の被災報告があった。

 さらに、厚労省が直近の被害状況を発表した一昨日(8月16日)午前8時30分時点でも、約6,385件のうち全体の4割強に当たる約2,800件で復旧していない。この約2,800件の中でも、同様に熊野市は9割近い約2,430件を占めている。

 台風7号は、先週火曜(8月8日)午前9時に、南鳥島近海で発生した。その後、本州の南の海上を北上し、今週火曜(8月15日)午前5時前に、和歌山県潮岬付近に上陸した。台風はその後も北上を続けたが午後1時頃に、兵庫県明石市付近に再上陸した。

 このため、東海・近畿・中国地方・四国を中心に、台風本体や台風周辺の活発な雨雲がかかり、記録的な大雨となった。特に、三重県大台町の降雨量は711.0ミリに達し、平年の8月の「ひと月の雨量」を超えた。

 台風7号は、今年初めて本土に上陸した台風となった。これを受けて日本気象協会では「台風は、平年では8月・9月が発生数・接近数とも、一年のうちで最も多い時期となっている」

 「気象衛星画像では、日本の南の海上に発達した雲がまとまりつつあるのが見え、これらが今後、熱帯低気圧や台風など熱帯擾乱となる可能性がある。引き続き、台風への備えが必要だ」と、国民に対して留意を促している。

◇─[後記]─────────────────

 とりあえず「高齢者関係施設は、現時点で被害報告無し」との一報には安心しましたが、現在でも熊野市では断水が続いている一般家庭が多数あるものと思われます。厚労省の発表では、断水の原因の多くは「停電によるもの」だそうです。

 台風ではありませんが、先月は「大雨」の被害が主に秋田県内を直撃しました=7月19日付け弊紙で既報。この時は7月18日の朝8時30分時点で、県内の被災した高齢者施設で、発表時点で復旧していない事例が「浸水が9施設、断水が7ヶ所」ありました。

 大雨や台風の、実際の被害を想定するのは非常に難しいと思いますが、今回は熊野市で、一般家庭に多くの断水が起きたにも関わらず、市内の高齢者施設で被害が報告されなかったのは、施設自身による「備え」が功を奏したのではないかと推察します。

 日本気象協会が呼びかけている通り、例年通りであれば、今後も台風の発生は続きます。全国の介護事業者にとっては新型コロナの感染防止対策に加えて、さらにもう一段の「備え」が必要な季節が続きそうです。

──────────────────────◇

 ◆日本介護新聞「ビジネス版」バックナンバー(2022年4月分まで)=http://nippon-kaigo-b.blog.jp/
 ◆日本介護新聞・本紙(エンドユーザ─版)バックナンバー=http://nippon-kaigo.blog.jp/
 ◆ホームページ=http://n-kaigo.wixsite.com/kaigo
 ◆Twitter=https://twitter.com/Nippon_Kaigo
 ◆Facebook=https://www.facebook.com/nipponkaigo/

(C)2023 日本介護新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?