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都内の熱中症死亡者「約8割が65歳以上の高齢者・屋内死亡者の約9割がエアコン未使用」

*「最適な介護」を実現するための情報紙*
_/_/_/_/_/日本介護新聞ビジネス版_/_/_/_/_/
*****令和5年7月26日(水)第1031号*****

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都内の熱中症死亡者「約8割が65歳以上の高齢者・屋内死亡者の約9割がエアコン未使用」
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 本日(7月26日)東京都心では、午前10時には気温が35度に達し、今月で8回目の「猛暑日」となる等、連日、全国各地で「災害レベル」の暑さが続いている。これを受けて厚生労働省は、介護業界等へ「熱中症対策のための高齢者への見守り・声かけ」の協力を呼びかけている。

 先週金曜(7月21日)に、厚労省が都道府県に宛てて「熱中症対策のための、高齢者への見守り・声かけのお願いについて」と題した事務連絡文書を発出した。同様の文書を、介護や福祉業界の各団体に宛てても、周知パンフレット=画像・黄色のラインマーカーは、弊紙による加工=とともに「協力依頼」文書を発出した。

 このパンフレットでは、東京都23区内における、令和3年度の熱中症による死亡者の8割以上が 65 歳以上の高齢者となっていることと、屋内での死亡者のうち約9割はエアコンを使用していなかった(または所有していなかった)ことを指摘している。

 これを踏まえて「高齢者は、エアコンを適切に利用すること等、自ら熱中症予防行動をとることが難しい場合もあることから、家族や周囲の人々による見守りや声かけ等が重要」等と、介護・福祉団体と、その関連事業所へ「協力」を呼びかけている。

 その具体的な内容は、次の通り。

 【高齢者は、エアコンを適切に利用する等、自ら熱中症予防行動をとることが難しい…】

 調査によると、熱中症による死亡者の8割以上が 65 歳以上の高齢者となっていること、屋内での死亡者のうち約9割はエアコンを使用していなかった、またはエアコンを所有していなかったことが明らかになっている。

 そのような中、高齢者は、エアコンを適切に利用すること等、自ら熱中症予防行動をとることが難しい場合もあることから、家族や周囲の人々による見守りや声かけ等が重要だ。

 特に、高齢者は自覚がないまま熱中症にかかる危険性が高いことから、周囲の人々が見守りや声かけを積極的に行うことで、熱中症予防行動を促していくことが重要となっている。

 【高齢者は、暑さに対する感覚機能や身体の調節昨日が低下するため、特に注意が…】

 日頃から高齢者と接触する機会の多い各福祉関連団体・各関連事業者には「高齢者のための熱中症対策」リーフレット(https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/pr/20230530_leaflet_for_elderly.pdf)を活用して、特に次の3点について呼びかけて頂くなど、高齢者に熱中症予防行動を行って頂くよう、働きかけをお願いします。

 (1)高齢者は、暑さに対する感覚機能(のどの渇きに対する感覚)や身体の調節昨日が低下するため、特に熱中症に注意が必要であること。
 (2)温度や暑さ指数を確認しつつ、カーテンなどで直射日光を遮るなど、節電に配慮してエアコンを上手に使用すること。
 (3)のどが渇いてない場合でも、こまめに水分・塩分を補給すること。

 【4月から9月まで「熱中症予防キャンペーン」介護・福祉団体に協力を呼びかけ】

 わが国では、熱中症に関する効果的な普及啓発を実施するため、関係府省庁の連携の下で「熱中症予防強化キャンペーン」を、4月~9月の期間で実施することとしている。

 この「熱中症予防強化キャンペーン」では時季に応じて、例えば梅雨明けの注意喚起、真夏における熱中症最大注意の呼びかけ、災害時における熱中症の注意喚起等を行う予定。

 各福祉関連団体・各関連事業者におかれては、事業活動に際して、関係府省庁で作成したリーフレット等を活用し、特に高齢者に対する熱中症予防への呼びかけを積極的に実施していただくなど、普及啓発にご協力いただきますようお願いします。

◇─[後記]─────────────────

 そもそも高齢者の中には「エアコンの冷風が体に当たるのが嫌だ」という方が多いと思います。しかし言うまでもなく、近年の「猛暑」は文字通り「災害レベル」です。一方で直近では、新型コロナの「第9波」による感染拡大も進行しています。

 介護業界では、コロナ渦の影響で自らの経営状況が「危機」に直面している事業者も多く、現場の介護従事者も「余裕」がないのが実情だとは思いますが、高齢者に最も接する機会がある事業者として、ここはぜひ、積極的に「呼びかけ」に協力して頂きたいと思います。

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